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横浜FCのチームメートが告白「やっぱりカズさんはすごい!」

2013.02.21

[サムライサッカーキング3月号掲載]

グラウンドでともに汗を流し、勝利に向かって日々トレーニングに励む横浜FCのチームメートたち。一番近くでカズさんを知る彼らに、その知られざる素顔を語ってもらった。

kazu03_gettyインタビュー・文=出口夏奈子、青柳舞子 写真=Getty Images

内田智也「やっぱり人とは違う。“キング”だなあって!」

 カズさんとは2006年に初めてチームメートになったんですが、オーラが違うというか、いい匂いがしましたね。子供の頃から見ていた人だし、まさか一緒にプレーできるなんて思ってもいなかったので、最初はパス一つ出すにしてもすごく緊張しました。今年はグアムでの自主トレにも同行して、一緒にトレーニングをさせてもらいましたけど、やっぱり今でもカズさんはサッカーに対する意識が高いし、勉強になる部分が多くてすごく充実したキャンプになりましたね。

 カズさんは今でも、練習の時は一番初めにクラブハウスに来てマッサージを欠かさないんです。昨年プレーオフで負けた後に1週間ぐらい練習の期間があったんですけど、各自20分ぐらい走るつなぎの練習で、みんなは軽くジョギングする感じだったんですが、カズさんだけは真剣に走っていました。その時点で、もう切り替えができていたんですよね。次の年に向けたスタートを切っていたんです。良いことも悪いことも引きずらないというか、ドンドン切り替えて次に向かっていく、あの姿勢は本当に勉強になっています。

 一番学んだことは、プロサッカー選手としてどれだけサッカーに対して時間を割けるか、真摯に向き合えるかということ。僕の中でも随分と意識は変わりましたし、身体のケアだったり、自分の身体を守ることもプロとしてのあり方なんだと学ぶことができましたね。

 素顔のカズさんは若干天然です(笑)。カズさんが若い頃の話なんですけど、銀行でウン千万円をおろして車のトランクに積んでご飯を食べに行った、という伝説を聞いたことがあります。やっぱり人とは違うんですよね。“キング”だなあって思いますね!

 僕は昨年、横浜FCに戻ってきて、これでカズさんとは2度目のチームメートになりました。「もう一回みんなで昇格しよう」、「06年の再現をしたいね」という話をよくしていますけど、カズさんもうすぐ50歳なんですよね(笑)。カズさんは日本サッカーを引っ張っていってくれる先駆者というか、常にそういう“キング”であってほしいと思っていますし、絶対に50歳まではプレーしてほしいですよね。そしてもう一度、一緒に優勝してJ1昇格したいです。一緒に試合に出て、カズさんにゴールを決めてほしいですし、一緒に喜びたいですね。

寺田紳一「サッカーに対する姿勢がすごい!」

 カズさんって、僕がサッカーを始めたきっかけの選手やったんで、横浜FCに移籍してきて初めて会った時は、ただ単にミーハーな気持ちで、「わあ、カズやー!」って感じでした。小学3年生の時にJリーグが開幕して、僕、カズダンスとかをよく真似していたんです。プレーだったらシザースをしまくっていたし、だからホンマにミーハーな感じでしたね。

 最初は緊張して話なんて全くできなかったけど、練習が終わってみんなでお風呂に入っている時とかにすごく話をしてくれて。本当にいろいろな経験をしている人なんですよ。実は僕、ロベルト・バッジョも好きなんですけど、カズさんってバッジョと仲が良いらしくて。その時の話をいろいろ聞かせてもらったんです。なんやったっけな。あのカズさんが、バッジョにあることをされて「やっぱかっこいいな〜と思った」っていう話があってんけど……忘れちゃいました(笑)。シャンパンかワインをどうかしたとか……すごくかっこいい話だったんやけどな。でも、男から見てもカズさんってかっこいいんですよね。ああいう年の取り方ができたら、かっこいいなって思います。真似できないですけど(苦笑)、振る舞いがかっこいいんです。

 チームメートになって初めて知ったのは、「サッカーに対してこんなに真面目に取り組んでいるのか」ってことでした。皆さんと一緒で、僕もテレビでしか見たことがなかったんでね。サッカーが上手い人って、意外と適当にやっているイメージがあったんですけど、カズさんが今も現役で続けられている理由が分かるくらい、サッカーに対して真面目に取り組んでいるんやなと。そういうサッカーに対する姿勢が、カズさんのすごさだと思います。それは多分、世界で一番ですね。サッカーに向き合っている人たちの中で、カズさんのサッカーに対する姿勢が一番すごいと思いますし、一番サッカーを愛していると思います。

 でも、カズさんは天然なんでね(笑)。同じ話を何回もするんですよ。「これ前も言ってたんやけどなー」っていう話を次の日にもまた言ってたりとか。自分の興味のない話は聞いてないんやろうなと感じたり(笑)。例えば風呂で話をして、その後の食堂でまた同じ話をする。「あれ???」って。ホンマ天然なんやなーって思いましたね。あと、これは聞いた話なんですけど、新品のシャンプーを使い始める時って、一度、押すところを何回か回してからポン!ってやらないとシャンプーが出ないじゃないですか。それを、回さずに何度も何度も押しながら「これ出ないなー」って言っていたらしいんです(笑)。それぐらい天然だっていう話を聞いていたんで、本当に見ているだけで楽しい人ですね。

 昨シーズン、僕がガンバに戻った時にPKを蹴る機会があって、外しちゃったんですよ。たまたま僕がファウルをもらったので「いかせてください!」って言って、PKを蹴って外した。試合にも負けたので、本当に申し訳ないなという気持ちが強かったんです。そうしたらカズさんが「誰でもPKを外すことはあるけど、蹴りにいったということが、お前が成長した証だから、外したことはどうでもいいんだよ」って言ってくれたんです。正直、落ち込んでいたんで、すごく励みになりました。ありがたかったですね。

 僕にとってカズさんは今でも憧れの選手なので、いつまでも僕が憧れていられるように、今までどおりかっこいいカズさんでいてほしいですね。今年で僕も28歳。あと何年サッカーができるか分からないですけど、カズさんよりも僕が先に引退したいです。サッカーをやめてからも、カズさんをテレビで応援したいですからね。

野崎陽介「オーラがあって器の大きい人!」

 カズさんは、本当にサッカーに対してストイックですね。練習から常に100パーセントでやっていますし、みんながその姿を見習っていると思います。

 僕が一番ストイックだなと感じているのは、プライベートでもサッカーをするための行動や立ち居振る舞いをしていること。それが行動に出ているので、近くで見ていて本当に勉強になりますし、みんなにも良い刺激を与えていると思います。

 それにカズさんのすごいところは、こんなにキャリアがあって、しかも有名な人なのに、僕たち若手に対しても、プレーの指示など「(遠慮せずに)ドンドン言ってこい」って言ってくれるんですよ。チームのために「どう動いたらいいか」とか、「自分にどうしてほしいか」などの指示を言ってくれと声を掛けてくれるので、僕は遠慮なく言っていますし、試合中も「カズ!」って呼び捨てにしています(笑)。

 そういうところも含めて器の大きい人ですよね。僕だけじゃなく、チームのみんなにもいろいろなことを伝えていると思いますよ。それにカズさんは、年齢やサッカー歴などに関係なく、常に新しいものを吸収しよう、日々成長しようという気持ちがあって、それがすごく感じられる人。そういう部分は僕も見習っていきたいですし、やっぱり勉強になります。

 そういえば、初めてカズさんに会った時、めっちゃオーラがあって、ロッカールームではガウンやったんです。すごいなって思って(笑)。基本的にガウンは白を着ていることが多いですよ!

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