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開幕ダッシュの原動力となった清武弘嗣、ニュルンベルク全試合採点付き通信簿

2012.12.27

写真=原田亮太
清武弘嗣
 2012-13シーズン前半戦、リーグ全17試合のうち16試合で先発。欠場した試合は、発熱による第16節のフォルトゥナ・デュッセルドルフのみ。ドイツ1年目、清武弘嗣は新天地で好スタートを切った。

 開幕戦のハンブルガーSV戦では、CKから決勝点の起点となり、続くドルトムント戦では移籍初アシストを記録。リーグ2連覇中の強豪を相手に勝ち点1を奪う活躍を見せた。第3節のボルシアMG戦では初ゴールに加えて、2アシストをマーク。試合のMOMに選出されるとともに、リーグベスト11にも選ばれ、地元紙では「魔法使いのネズミ」や「秘密兵器」と高い評価を受けた。

 ニュルンベルクは、開幕3試合で2勝1分無敗。清武の活躍もあり、開幕ダッシュに成功した。しかし、その後10試合で手にした白星は一つだけ。低迷の時期が長く続き、チームとともに清武も苦しい時期を過ごした。ブンデスリーガは約1カ月のウインターブレイクに突入。1月19日のリーグ再開を前に、清武の2012-13シーズン、リーグ前半戦出場記録をドイツメディアの寸評とともに振り返ってみよう。

▼2012-13シーズン前半戦 清武弘嗣 出場記録
ブンデスリーガ:16試合・3得点・5アシスト

【8月】
■8月25日|ブンデスリーガ第1節 vsハンブルガーSV(A)1○0
出場時間:先発フル出場
『Sportal.de』採点:2.5
『Sportal.de』寸評
「この日本人選手には、大いに楽しませてもらうことになるだろう。絶えずハンブルガーSV守備陣をかき回していた。彼がその能力を証明したのは、47分のフランツへのものの見事なパスの場面だけではない」

【9月】
■9月1日|ブンデスリーガ第2節 vsドルトムント(H)1△1
出場時間:先発フル出場(1アシスト)
『Sportal.de』採点:3
『Sportal.de』寸評
「パスを出す度に驚きの瞬間を与えてくれる。ボールの扱いに天性のものがある。ペクハルトやマクへの縦パスは非常に良かった。セットプレーも心得たもので、先制点の場面ではペクハルトに完璧なボールを上げた」

■9月15日|ブンデスリーガ第3節 vsボルシアMG(A)3○2
出場時間:88分間(先発途中交代、1得点・2アシスト)
『Sportal.de』採点:1
『Sportal.de』寸評
「ヘキング監督が優れた選手をニュルンベルクに呼び寄せ、絶え間ない主力選手の退団にも関わらず自分のスタイルを貫いていることには感心するばかりだ。清武の登場のおかげでギュンドアンやエキチの退団をいつまでも嘆かなくてすんだ」

『kicker』採点:1
『kicker』寸評
「火曜日はまだ日本の埼玉、水曜日からはニュルンベルク、そして土曜日はボルシアMG戦。清武はピッチの内外を問わず動き回っている。ニュルンベルクの172センチ、63キロの小柄な選手にとっては、日本代表招集による旅も、オリンピック参加による短い夏休みも、素晴らしいプレーを妨げるほどのものではないようだ。チームのベテラン、ハンノ・バリッチュは彼を“素晴らしく、素早い動きに相手選手は非常に苦戦する”と評している。今季ニュルンベルクが挙げた全5ゴールの全てに、このセレッソ大阪からの新加入選手が絡んでいる。今節では、最初の2ゴールをセットプレーからもたらし、今度はテンポよい個人技で自らゴールを決めた。小さな選手だが大きな能力を持っている」

『Frankfurter allgemeine』寸評
「ニュルンベルクは今シーズンのサプライズチームのひとつ。この試合では日本人の清武が抜けた存在だった」

■9月21日|ブンデスリーガ第4節 vsフランクフルト(H)1●2
出場時間:先発フル出場(1アシスト)
『Sportal.de』採点:2.5
『Sportal.de』寸評
「試合を通じて、前節のボルシアMG戦ほど目立つプレーを見せることはできなかったが、それでもニュルンベルクの選手の中では最も強力な選手であった。ほぼ全てのセットプレーで、相手ゴール前に脅威を与えた。その結果、80分に唯一の得点であるポルターのゴールをFKでアシストしたのは、必然だった」

■9月26日|ブンデスリーガ第5節 vsハノーファー(A)1●4
出場時間:先発フル出場
『Sportal.de』採点:5
『Sportal.de』寸評
「何試合かの素晴らしいパフォーマンスの後だったが、この試合は完全に低調なプレーに終始した。試合の中でアクセントをつけることができず。一対一の競り合いでも、パス成功率でも、ニュルンベルクの結果(4-1で敗戦)に即したものとなった」

■9月29日|ブンデスリーガ第6節 vsシュトゥットガルト(H)0●2
出場時間:先発フル出場
『Sportal.de』採点:4
『Sportal.de』寸評
「シュトゥットガルトは自陣ペナルティーエリアの前で度々FKを許し、それを清武がまずはいつも通りにこなすものの、0-2となった後は精度を欠くようになった。同じことがCKについても言える。試合の中で何本かの良いパスはあったものの、試合全体で見ると期待されたゲームメイクではなかった」

【10月】
■10月6日|ブンデスリーガ第7節 vsフライブルク(A)0●3
出場時間:先発フル出場
『Sportal.de』採点:3.5
『Sportal.de』寸評
「セットプレーで役割を果たす。チームメイトが相手ペナルティーエリア内で活発な動きと集中力があったなら、清武のクロスとFKを生かすことができただろう。しかし、それが出来なかったため、ハーフタイム直前の直接FKがこの試合のベストプレーかつ最高の見せ場になってしまった。前線のプレーヤーや近くの選手との連係もあまり見ることができなかった」

■10月21日|ブンデスリーガ第8節 vsアウクスブルク(H)0△0
出場時間:63分間(先発途中交代)
『Sportal.de』採点:4.5
『Sportal.de』寸評
「ゲームメーカーの役割は果たせず。パスミスは殆どなかったものの、相手に脅威を与えるようなプレーができなかった。セットプレーにおいても、とにかく物足りない。試合開始から1時間が経過したところで、試合は終わった(※63分に交代)」

■10月27日|ブンデスリーガ第9節 vsシャルケ(A)0●1
出場時間:先発フル出場
『Sportal.de』採点:4
『Sportal.de』寸評
「一対一の競り合いを仕掛ることは少なかった。試合開始18秒後にはシュートを撃ったが、ウンナーシュタルによってゴールの外はかき出された。残念なことに、この一撃が22歳の選手にとって1番のプレーになってしまった。セットプレーから好機を創出しかける場面もあったが……」


写真=原田亮太
清武弘嗣
【11月】
■11月3日|ブンデスリーガ第10節 vsヴォルフスブルク(H)1●0
出場時間:先発フル出場
『Sportal.de』採点:3.5
『Sportal.de』寸評
「この試合ではゲブハルトが本来のポジションである中央でプレー。そのため日本人選手はエスバインとともにサイドを攻めることになった。試合序盤、ペクハルトの2度のチャンスではともに絡んでいた。その後は消えてしまう時間帯もあったが、ニュルンベルクのチャンスの場面では絡んでいた。その一方、セットプレーでは不調」

■11月9日|ブンデスリーガ第11節 vsマインツ(A)1●2
出場時間:先発フル出場
『Sportal.de』採点:2.5
『Sportal.de』寸評
「この日本人選手は自身のプレーによって、ニュルンベルクを試合に引き戻した。特に前半の最後の15分はまさにニュルンベルクの攻撃の全てに絡んでいた。彼のフリーキックが1点差となるニルソンのゴールを導いた。上手く狙ったミドルシュートを(相手GK)ヴェトクロがファインセーブでゴール隅からかき出したのはツキがなかった。後半もクロスとセットプレーで常に目立っていた」

■11月17日|ブンデスリーガ第12節 vsバイエルン(H)1△1
出場時間:80分間(先発途中交代)
『Sportal.de』採点:4
『Sportal.de』寸評
「ニュルンベルクにとってセットプレーの切り札。67分の(セバスティアン)ポルターとの見事な連携は相手ペナルティエリア内で脅威となった。彼のプレーには、決定力と正確性が欠けることがしばしば。滅多にないことゆえに、なおさら驚いてしまうようなテクニックミスをすることがある」

■11月24日|ブンデスリーガ第13節 vsグロイター・フュルト(A)0△0
出場時間:46分間(先発途中交代)
『Sportal.de』採点:4
『Sportal.de』寸評
「セットプレーではよいものを見せたが、結果に結びつかなかった。時折、競り合いでどことなく手ぬるいところがあった。(退場者を出し)1人少なくなり、まずはディフェンスに手をかけなければならない状況になったとき、このことが理由でディーター・ヘッキング監督は彼をベンチに下げたのだろう。言うまでもなく、素晴らしいテクニシャンにとっての試合ではなかった」

■11月28日|ブンデスリーガ第14節 vsホッフェンハイム(H)4○2
出場時間:先発
『kicker』採点:2.5
『kicker』寸評
「素晴らしいアイデアを発揮し、素早く、そして力強く走った。常に危険な存在で得点を奪った」

『Sportal.de』採点:1.5
『Sportal.de』寸評
「清武がこの試合でもファンを魅了した。相手にとって脅威となるフリーキックでチームに勝利をもたらした。その勝利も、彼自らが正確なシュートを決めて決定づけたものだ。その間にも、セットプレーで見せ場をつくり、前半には絶好機や見事な独走もあった」

【12月】
■12月1日|ブンデスリーガ第15節 vsレヴァークーゼン(A)0●1
出場時間:87分間(先発途中交代)
『Sportal.de』採点:3.5
『Sportal.de』寸評
「セバスティアン・ポルターの後ろのセンターでプレー。ある時はニュルンベルクFWの隣で、またある時はそのFWの前やサイドでもプレーしていた。清武はレヴァークーゼンで精力的に動いていたが、彼のプレーはそれほど効果的ではなかった。彼のベストプレーは28分のティモ・ゲプハルトとのパス回しで、あと少しで先制ゴールにつながるものだった。幾度となく周りの味方やポルターにつなぐことを試みたが、1対1の場面でレヴァークーゼンDF陣にしばしばフィジカル面で負けてしまっていた」

■12月16日|ブンデスリーガ第17節 vsブレーメン(A)1△1
出場時間:46分間(先発途中交代)
『Sportal.de』採点:4
『Sportal.de』寸評
「この日本人選手にとっては、平凡な出来の一戦となった。度々競り合いで負けた。パスミスは多くなかったものの、前半で下がらねばならなかった」

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