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ブンデスリーガのクラブで帝京大学の学生たちは何を学んできたのか…元ヴィッセル神戸の大学講師が、その狙いや効果を明かす

2016.06.01

[写真]H.I.S.

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 3月、帝京大学の学生10名がプロサッカーのブンデスリーガクラブにて研修を行った。日本代表の香川真司がプレーするドルトムントでは3つの講義を、川崎フロンターレの田坂祐介らが所属していたボーフムでは1つの講義を受け、見聞を広めてきた。
 このプログラムの企画立案、および引率を担当したのが、大山高(おおやま・たかし)さんだ。同大学の経済学部経営学科で、スポーツ経営コースの専任講師として教鞭を執る。かつて三洋電機株式会社では広報宣伝グループの一員として企業スポーツにかかわり、ヴィッセル神戸ではJクラブの営業や広報宣伝業務に参画した。株式会社博報堂DYメディアパートナーズと株式会社博報堂ではサッカービジネスに携わるなど、スポーツ事業には造詣が深い。
 現在、サッカービジネスや大学におけるスポーツのマネジメントの研究に励む大山さんはなぜ、学生たちにドイツでの学びの場を設けたのか。そして10名の若者たちはブンデスリーガのクラブから何を学んできたのか。新生活の意欲にあふれる八王子キャンパスで、帝京大学の新たな取り組みについて聞いてきた。

インタビュー・文=菅野浩二(サッカーキング・アカデミー事務局長)
写真提供=株式会社エイチ・アイ・エス

「私が帝京大学で担当している科目、『ヨーロッパ型スポーツ経営論』に絡めた集中講義を国外でできないかと思ったのが一つのきっかけです」

――帝京大学の学生さんたちが3月2日から8日間の海外スポーツマネジメント研修ドイツスタディプログラムを行いました。先生が引率されたわけですが、このプログラムが成立した経緯を教えていただけますか。

大山 ここ最近は、どこの大学も「国際人を育てよう!」といった取り組みに力を入れていますが、帝京大学にも同じように国際性にフォーカスを当てた活動をしたいという思いがあったんです。私が帝京大学で担当している科目は『ヨーロッパ型スポーツ経営論』というもので、それに絡めた集中講義を国外でできないかと思ったのが一つのきっかけですね。

――その計画をまずは学内で申請したわけですか?

大山 実は帝京大学とは専任教員になる前に勤めていた博報堂時代に付き合いがあって、その時にも似たような海外スポーツマネジメント研修のプログラムをプレゼンしていました。今回の研修はその時のアイデアを参考にしています。私自身も大学側も、ただ授業を聞いて「スポーツビジネスを勉強してます!」だけじゃ限界がある、と感じていた。「であれば、実務的なことをちゃんと学べる仕組みをやりましょう」ということで、単位取得が認められる海外研修の仕組みが出来上がりました。

――参加対象は先生が担当しているスポーツ経営コースの学生ですか?

大山 いえ、経済学部の全員を参加対象として応募を募りました。帝京大学の経済学部は一学年に1500人ほどいますので、数千人規模にドイツのブンデスリーガクラブで研修できるチャンスを提示したことになります。最終的に参加したのは10人で、新3年生が4人、新4年生が6人でした。うち2人が女性でしたね。

――ドイツを研修先に選んだ理由を教えてください。

大山 私自身、日本のスポーツ界における地域密着に関しては、考え方を変える必要がある時代になってきているのかなと思っているんです。地域の人とのかかわり方という考えが広がって来てるとは思いますが、Jリーグはもともと企業の実業団チームが母体となり「地域密着」を掲げながら活動を行っています。地域住民たちのスポーツクラブがトップチームになっているJクラブはまだ少ない。しかしドイツはそれが真逆の体制となっているので、ブンデスリーガのサッカークラブの親会社は地域住民たちが所属するスポーツクラブから成っています。日本はクラブを経営する親会社が民間企業のケースがほとんどです。ドイツは地域発で自分たちのサッカークラブが出来上がっていますし、そこに暮らす人たちとともに1部リーグに上がったりしてきた歴史があるので、絶対に揺らがない独自のフィロソフィーもあるんですよね。つまり、本当の意味での「地域密着とは何か?」を勉強してほしい思いがありました。

――近年のブンデスリーガは健全経営として知られています。

大山 ほとんどのクラブが黒字経営で、その根底にあるのがやはりサッカー文化をベースとする地域密着なんです。育成方法やSAP社による分析が結果的にドイツの強さとなっていると思いますが、根底にはクラブの地域密着型経営だからだと思います。彼らは「51パーセントルール」というものを経営の基本軸としています。「51パーセントルール」というものは、わかりやすく言うと「51パーセント以上の株式を地域住民やメンバーで構成される社団法人が持たなければいけない」という規則なんですよ。民間資本の導入もしていますが、民間企業一社、もしくは一人のオーナーが独占してそのクラブの経営権を持てないということですね。そのあたりも事前に学生たちには学ばせました。

――日本のクラブと比較させたわけですね。

大山 はい。「Jのクラブではどこが51パーセント以上の株式を保有しているのか?」と言ったら、やはり民間企業が一般的なんですよね。地域に暮らす人たちで構成された組織ではない。ただ、FC東京も調布市が出資していますし、自治体が株主になるクラブも増えてきて、そういう点は日本でJリーグが誕生した価値は間違いなくあります。世界一の健全経営を誇るドイツでは、企業ではなく地域が文字どおりクラブを支えている。そうした事実を学んでこそ、新しいホームタウン活動が発展していく、と私は考えています。

海外スポーツマネジメント研修で学生を引率した大山さん。「世界一の健全経営を誇るドイツでは、企業ではなく地域が文字どおりクラブを支えている」と話す

海外スポーツマネジメント研修で学生を引率した大山さん。「世界一の健全経営を誇るドイツでは、企業ではなく地域が文字どおりクラブを支えている」と話す

「ドルトムントの講義では『ドルトムントはアジアもマーケットとしてしっかりと考えている』ということを教わってきました」

――ドルトムントで学生たちが受けた講義はどういった内容だったのでしょうか?

大山 マーケティング部門、新規メディア部門、事業開発部門のトップの3人にそれぞれ講義を行ってもらいました。ゲッツェやロイスなどユースから上がってきたサッカー選手の話やチームの戦術など、どうしても現場寄りの情報を聞きたがる学生が多いんですが、ビジネス寄りの話をしてもらいました。「ドルトムントのブランドステートメントはどんな意図で作られたのか」や、「制作物を作る際のそれぞれに共通するルールは何か?」といった部分、それによってセールスを国内外問わず整えていけるブランド性などを、クラブのオフィスで、英語でみっちり4時間ほど叩き込んでもらいました。

――というと、参加した学生さんはみんな英語ができるわけですか?

大山 いえ、選抜の際に英語がある程度わかるかどうかの確認はしましたが、いざ本気で英語の授業になるとハードルは高いですよね。今回の研修が初の海外という学生もいましたし、講義はところどころ通訳の方に日本語で説明してもらいました。ただ、ドイツ人がきれいな英語を話すとか、ドイツ人はほとんど英語がしゃべれるんだなとか、そういうことの気づきだけでも学生たちにとっては財産になります。

――確かにそうですね。

大山 ドルトムントの講義では「ドルトムントはアジアもマーケットとしてしっかりと考えている」ということも教わってきました。ボーフムでは財政絡みの話というか、「胸スポンサーにいくらぐらい支払ってもらっているのか?」「年間チケットはいくらぐらい売れているのか?」、あるいは「シーズンシートやホスピタリティールームはいくらくらいの金額設定なのか?」といった細かい部分をしっかり教えてくれるような講義でしたね。

――なるほど。Jリーグの運営にも参考になりそうな話ですね。

大山 日本との比較を事前に学習して生かした点で言うと、スタジアムの在り方も勉強になりましたね。日本のスタジアムは地方自治体で管理しているものがほとんどで、クラブのものではない。じゃあドイツではどうなんだろう? というと、ボーフムも自治体のスタジアムらしいんですが、まったくお金は払っていないそうです。お金を払うのではなく、ボーフム市の市章をユニフォームの背中部分の首もとに入れているという話も聞いてきました。

――8日間の研修で、大山さん自身の気づきはどのあたりにあったのでしょうか。

大山 公益の団体がスポーツにかかわれるんだなという部分ですね。先ほども言ったように、日本では今まで企業が中心となってJクラブの株主になっていた。ただ、ブンデスリーガを見て、我々のような大学法人を含む公益・非営利法人がスポーツ経営に乗り出して、Jクラブの株主になることにこそ社会的かつ地域的意義があるんだと、改めて気づかされましたね。たとえば、ドイツのスポーツクラブは「雇用を生んでいる」とか「社交の場を創出する」と言っています。大学が解決したいテーマと同じでした。スポーツって公共性の高いものだから、商品としても“パブリック”なものである必要があると思うんです。じゃあ「“パブリック”ってなんなんだろう?」というと、企業のセールスメインじゃなくて、ファンの人たちや地域の人たちに役に立っているのかどうかというところがすごく大事になってくる。となると、日本ではやはり公共性の高い団体がスポーツに積極的にかかわっていくべきかなと思いますね。

――“企業のスポーツ”だと限界があるということですね。

大山 そうです。たとえば企業がつぶれた時、あるいは企業が「支援をやめる」と言った時、クラブそのものがなくなってしまう危険性があるわけですよね? 実は私は大学を卒業してから三洋電機株式会社に就職していて、当時、そういった経験をしているんです。広報宣伝グループではバドミントン部の小椋久美子さんと潮田玲子さんのペアを“オグシオ”と名づけたり、スポーツ選手という枠を超えた女子二人の価値を作っていくような活動に取り組んでいました。実業団スポーツとしては相応の注目を集めるようになったと思いますが、企業の事情で休部になってしまったんですよね。

――確かに一時期、実業団チームの休部や廃部が相次ぎました。

大山 実業団スポーツは地域貢献の部分が手薄だったと思うんですよね。“オグシオ”の頃に印象的だったのは、「“オグシオ”って、あそこの体育館で練習してるの?」と地域の人たちが驚いていたこと。三洋電機はどこの実業団チームよりも地域貢献活動をやっていたはずなんですけどね。

――そういう意味でのブンデスリーガの「51パーセントルール」なんですね。

大山 バイエルン・ミュンヘンの親会社は、FCバイエルンという社団法人です。サッカーだけではなく、体操、バスケ、チェス、卓球などをする「クラブの会員」で地域の人たちによる組織が“支えている”形なんですよ。それが日本のスポーツも目指すべきところで、地域に暮らす人たちを巻き込んでこそ、「地域密着」だとか「Jリーグ百年構想」というものに本当に近い構造になっていくんじゃないかと思っています。

ドルトムントのクラブオフィスでは、マーケティング部門、新規メディア部門、事業開発部門のトップの3人から講義を受けてきた [写真]H.I.S.

ドルトムントのクラブオフィスでは、マーケティング部門、新規メディア部門、事業開発部門のトップの3人から講義を受けてきた [写真]H.I.S.

「今後、より地域密着が理解できる講義を向こうで行うなら、やはりJクラブのホームタウン事業部の方などの話を聞いていきたいですね」

――学校法人である帝京大学も今、東京ヴェルディのスポンサーをしています。

大山 学校法人も公益法人の一つで、大学がクラブの株主やトップスポンサーになることによって、大学が抱えている問題も解決できる部分があると考えています。実際にJクラブの株主やスポンサーになっている大学は既にありますが、私が特に今後考えていきたいことは大学で活躍したスポーツ選手たちを「社会人になってもスポーツが続けられて仕事もできる環境づくり」に対してJクラブと一緒に解決できるかどうかです。日本の私立大学はスポーツに力を入れていますが、部員のほとんどが卒業後はスポーツにかかわらず、一般企業に就職しているんですよ。帝京大学にはラグビー部もあるし、駅伝部もあるし、チアもあるし、硬式野球部もある。私はドイツで見たスポーツ文化を通じて「スポーツを選べる」ことや「生涯ずっとスポーツができる」環境づくりに魅力を感じていますが、いきなりドイツのような文化を日本で定着させるには時間もかかると思っています。だから、大学が広告目的でJクラブをスポンサーするのではなく、地元にあるJクラブが強くなるように強化費を支援しつつ、チームが強くなることでローカルスポンサーが増えて大学生アスリートの雇用まで支えていく、そんな仕組みづくりを想像しているんです。

――広がりがありますね。

大山 地域住民や自治体、クラブのローカルスポンサーから大学の存在価値を理解していただき、なぜ大学がJクラブのスポンサーになるのかまで一緒に描いていければいいですね。そこの問題をJクラブと一緒に解決できたらJリーグも新しい「百年構想」になるはずです。Jリーグはドイツをモデルにしてできたプロサッカーリーグで、スポーツ振興活動においてはサッカーだけではありません。その点で言うと、日本の大学がタッグを組む相手としてはJクラブが理想とするパートナーではないでしょうか。大学がJクラブの経営に貢献できればスポーツマネジメントを勉強している学生たちにOJT(職場研修)に参加できるチャンスができますし、Jクラブにラグビーチームやチアやラクロスのチームを作って、社会人としてもアスリートとしても活躍できる場を提供したりできるんじゃないでしょうか。ヴェルディにはすでにサッカー以外にバレーボールチームとトライアスロンのチームがあります。あと、大学が直接できないことで言えば指定管理者制度の申請です。Jクラブと連携していれば、クラブが指定管理者として施設を運営し、幅広い分野の人材提供を大学が行うこともできますよね。

――大学にとってもクラブにとっても利益が生まれるわけですね。

大山 そうです。学生たちの受け皿をJリーグと大学で一緒になって作るのは誰にとっても良いことなんじゃないか。そう思ったのは、三洋電機の後に転職したヴィッセル神戸時代です。当時はまだ大学法人がクラブの包括的パートナーシップを締結するという発想は一般的ではなかったんですが、我々が神戸親和女子大学、神戸学院大学や甲南大学とクラブをつなげたりして、それ以降はどのクラブも学校法人とかかわりを深化させるようになってきています。

――今回のドイツでの研修では、講義以外にも、スタジアム見学やスタジアムでの試合観戦などを実施しています。今後、この海外研修をどのように発展させていきたいですか。

大山 大学がブンデスリーガのクラブでスポーツマネジメント研修に学生を参加させて、履修科目単位を認定しているのはめずらしい取り組みだと思うんですよ。現に帝京大学ではドイツ以外に夏のプログラムとして同じ海外スポーツマネジメント研修にアメリカスタディプログラムがあります。この研修プログラムは私一人の力ではなく、多くの方々からいただいたご協力が大きかったんですが、この仕組みを作り上げるまで結構ハードルが高かったのは事実です。まずはこの海外研修がどれだけ貴重なものなのかを、我々がきちんと学生たちに伝えていかないといけないと思います。

――参加できるのは10名前後と、枠も少ないですもんね。

大山 そうですね。今回の研修でいうと、「なぜエイチ・アイ・エスさんが協力してくれているのか」という部分をもう少し学生たちに学ばせても良かったかと思っています。エイチ・アイ・エスさんは、単に旅行会社としてツアーコンダクター的な働きをしていたわけではない。我々の世代からすれば「スポーツ=スポーツメーカー」という発想になってしまいますが、いまや多くの企業が多様な方向性を探る時代に来ています。旅行会社ならエイチ・アイ・エスさんが取り組んでいるように“旅行×スポーツ”など、業界をまたいだ掛け算で発展させていかないといけない時代になってきたんです。エイチ・アイ・エスさんはなぜドルトムントというサッカークラブとパートナー契約を結んだのか、あるいはスポーツに特化した部署を作り始めたのか。そういった部分を理解することで、スポーツ経営に関して幅広い知見を得られるんじゃないかと思います。

――現地での講義内容についてはいかがですか。

大山 今後は、より地域密着の仕組みがわかるような講義を用意するかもしれません。今回はマーケティング部門、新規メディア部門、事業開発部門のスタッフに話を聞きましたが、Jで言うホームタウン事業部のスタッフなど、そういった方の講義も有意義だと思います。先ほど、ボーフムは市の市章をユニフォームの首もとに入れているとお話ししましたよね? ボーフムのスタッフで市の関係者と向き合っている人に話を聞けば、学生たちは「ドイツの地域密着ってこういう仕組みなんだ!」という本質をより実感できると思うんです。

――ドイツに行く前にJクラブで同じような講義を受けると、よりわかりやすいかもしれませんね。

大山 まさにおっしゃるとおりで、今回は浦和レッズさんが協力してくれたんですよ。学生たちが日本のスタジアムについて事前に勉強する機会をいただきました。セールスの方だったんですが、今後、より地域密着が理解できる講義を向こうで行うなら、やはり日本のJクラブのホームタウン事業部の方などの話を聞いていきたいですね。比較対象を持つと理解も早まりますからね。

――確かにそのとおりです。そして海外の取り組みを早くから知った若者たちが、日本のスポーツをさらに発展させてくれる気がします。

大山 そういう意味でも、大学がスポーツ経営の研究分野にかかわる意義は決して小さくないと思っています。その土地に根ざす大学は地域密着との相性もいいですし、帝京大学では今回の海外研修はもちろん、Jリーグクラブのスポンサーになったり、読売ジャイアンツの社会貢献活動に協力したりしているんです。私立大学はこれから、日本のスポーツ産業に手を差し伸べていく必要があると思いますよ。私は日本のスポーツ界における大学の存在価値を高めていきたいですし、帝京大学をリーディング組織にしていきたいなと考えています。

海外スポーツマネジメント研修ドイツスタディプログラムに参加した一部の学生と大山さん。帝京大学はドイツ以外に海外スポーツマネジメント研修としてアメリカスタディプログラムも設けている

海外スポーツマネジメント研修ドイツスタディプログラムに参加した一部の学生と大山さん。帝京大学はドイツ以外に海外スポーツマネジメント研修としてアメリカスタディプログラムも設けている

参加者の声
■髙橋駿介さん(たかはし・しゅんすけ/新4年生)
「サッカーといえばドイツ」と思っていましたし、向こうでクラブスタッフの方から直接講義が受けられるという貴重な機会なので、迷わず参加を決めました。
 ドルトムントの講義ではクラブのロゴを統一した話が印象に残っています。2008年まではイベントごとにロゴを作っていたらしいんですが、2008年以降はロゴをすべて統一して、ブランド価値を一つにまとめてきたそうです。
 ドイツではエンターテインメントというより、クラブを応援するためにスタジアムに行く人が多いような気がしました。将来は日本でもスタジアムに行く人を増やすような仕事をしたいです。

■千頭和健太さん(ちずわ・けんた/新3年生)
「ドルトムントの講義では、スタッフの3人ともドイツ語の“エヒテリーベ(真実の愛)”を訴えることの重要性を話していました。クラブ側の人間がこのスローガンを絶えず言い続けることで、クラブが成績を残せない時でもファンが離れなかったり、地域の住民がサポートを続けてくれたりしているそうです。
 試合の日は、街全体がドルトムント一色になっていたのも感動しました。たとえば18時にキックオフなのに、昼間から駅の中のパン屋さんがユニフォームを着ているんです。一日の流れがドルトムントのサッカーを中心にして回っていることは強く印象に残っています。

■松丸裕太朗さん(まつまる・ゆうたろう/新3年生)
 講義を受けて、ドルトムントがなぜスタジアムに7万人も集められるのか、その理由がわかりました。ドルトムントは、「Intensity(情熱)」「Authenticity(信頼性)」「Bonding Force(結びつく力)」「Ambition(野心)」の4つを重視してファンに向けていろいろとアプローチしているという話がありました。
 自由行動でデュイスブルクにあるスポーツシューレ「ヴェーダウ・スポーツシューレ」を訪れた時のことも印象に残っています。サッカーコートが6面、フットサルコートもたくさんある上に、宿泊施設や会議室もそろっていて、スポーツをとことん楽しめる環境が整っていました。日本にもああいった施設があるといいなと思います。

ドイツスタディプログラムに参加した3名。左から高橋さん、千頭和さん、松丸さん

ドイツスタディプログラムに参加した3名。左から高橋さん、千頭和さん、松丸さん

By サッカーキング編集部

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