マレーシアプロサッカー選手協会(PFAM)は2月9日、マレーシアリーグで選手への給与未払い問題があることを公表した。給与未払いがあるとされたのは、スーパーリーグ(1部相当)のクランタンFAとフェルダ・ユナイテッドFC、プレミアリーグ(2部相当)のATM FAに昨季所属した計21選手で、未払い額の総計は439万リンギット(約1億2000万円)。
PFAMのハイルディン・オマル会長は、自らもATMから6カ月分の給与を受け取っておらず、「いつまで待っても問題が解決しないことに失望しており、トンネルの出口が見えない気分だ。我々の我慢も限界にきている」と話した。また、ATMが昨季のスーパーリーグで低迷して最終的にプレミアリーグへ降格したのは、給与の未払いが選手のパフォーマンスに影響したことも原因の1つになったとしている。
PFAMによれば今回の給与未払い問題は、すでにマレーシアサッカー協会(FAM)にも報告されているが、現在まで有効な対策は打たれていない。PFAMのイズハム・イスマイルCEOは、「この問題をFAMの委員会にかけるだけで100日間かかった。現在に至っても各クラブは問題解決のための努力をする気配すら見せておらず、FAMはこの種の問題を解決するには時間がかかり過ぎる」と協会とクラブを批判した。
さらにイズハムCEOは、各クラブが選手たちに2種類の契約書にサインをさせ、給与の額面が低いものをFAMに提出していた疑いがあることも明らかにした。2種類の契約書が作られた理由は明らかではないが、所得税と退職積立金(EPF)の徴収額を抑えるのが目的だったのではないかと推測されている。
イズハムCEOは、FAMや各クラブが問題解決のために動かない場合は、PFAMによるストライキを実施する可能性もあることを示唆している。「ストライキはオプションのひとつだが、あくまでもすべての道が閉ざされた場合に限る。各クラブと選手たちの交渉がうまくいくと信じている」
2016年のマレーシア・スーパーリーグは今月13日、プレミアリーグは今月12日の開幕を予定している。
(アジアサッカー研究所/安藤)
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