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【ユーロ開幕直前インタビュー】ロナウド「ポルトガルの欧州制覇は決して夢じゃない」

2012.06.08

EURO2012 完全ガイド 全16カ国選手名鑑 掲載]
クリスチアーノ・ロナウドはレアル・マドリーでの好調ぶりをポルトガル代表に持ち込み、ユーロ2012でもタイトルを狙う。初出場のユーロ2004から8年が経過し、あらゆる面で成長した彼には「優勝するのは自分たちだ!」と信じる心も備わっている。
ロナウド

インタビュー・文=ピーター・スジネーター 翻訳=石橋佳奈

 バルセロナを打ち破ること。今シーズンのリーガ・エスパニョーラで、レアル・マドリーは“ミッション・インポッシブル”を成し遂げた。その原動力となったのが、チームトップの46得点を挙げたクリスチアーノ・ロナウドである。

 北大西洋上に浮かぶマデイラ島に生まれたクリスチアーノは、その華やかなルックスやプレースタイルとは裏腹に、不断の努力を続けてサッカー選手としての自分を鍛え続けてきた。「努力は嘘をつかない」という格言がこれほど当てはまる選手もそう多くない。

 ポルトガル代表は予選での失速もあり、決して高評価を得ているとは言えない。しかし、クリスチアーノは「チームの実力に100パーセントの確信を持っている」と断言する。それは常に準備を怠らない者だけが持つことのできる自信なのだろう。

 もっとも、今のクリスチアーノであれば、何をやり遂げても不思議ではない。“ミッション・インポッシブル”を既にクリアしたのだ。2度目がないと誰が言い切れるのだろうか?

個人のタイトルよりチームのタイトル

リーガ・エスパニョーラでの優勝おめでとう。まずはシーズンを振り返ってもらえるかな?

ロナウド ありがとう。長い戦いの末に目標を達成して、みんなが笑顔でシーズンを終えられた。そのことに満足しているよ。僕にとってリーガ制覇は初めてのことだから、とてもうれしいよ。2試合を残してリーグ優勝を決めるというのは特別なことだしね。

リーグ戦での得点数は昨シーズンの40を上回る46。ただ、得点王のタイトルはリオネル・メッシが手に入れた。今シーズンの得点王争いはハイレベルだったし、相手はライバルのメッシだ。得点王を逃したのは悔やまれるのでは?

ロナウド 僕にとっては全く問題ないことさ。何度も言っているように、個人のタイトルよりチームのタイトルだからね。当然、記録を更新できたことはうれしいよ。でも、記録は破られるためにある。メインの目標であるチームのタイトルに比べれば、個人賞はボーナスみたいなものに過ぎない。自分が得点できなくても問題じゃないしね。改めて言うけど、重要なのは良いプレーをしてチームが優勝することだ。自分自身の数字について言うなら、38試合すべてに出場したことのほうがうれしいよ。

では、君にとっての得点することの意味を説明してもらえるかな。

ロナウド ゴールはすごく重要だよ。点を取らなきゃ勝てないんだから。僕だってゴールを決めるのは大好きだ。良いプレーをして得点を奪えばファンは信頼してくれる。それがまたモチベーションを高めてくれるのさ。

どんなゴールが好き?

ロナウド 昔はこだわりがあったけど、今はゴールなら何だってうれしいよ。そういう意味では、決勝ゴールを決めた時が最も気分がいいね(笑)。だから、昨シーズンのコパ・デル・レイ決勝でのゴールはうれしかった。バルサを倒したからというわけじゃない。チームにタイトルをもたらす決定打となったからさ。

自分のゴールにはこだわらないと言うけど、マドリーにしても代表にしても、君がゴールを奪うのが勝利への一番の近道であるはずだ。エースとして、得点しなきゃならないというプレッシャーを感じるのでは?

ロナウド マドリーでは「常に勝たなければならない」というプレッシャーがある。だけど、僕はプレッシャーを気にしないタイプだから、どうってことないよ。

一歩ずつ階段を上るように試合をこなしてい

ポルトガル代表チームに話を移そう。ユーロでは、いわゆる「死のグループ」に入った。自信家の君でも、この抽選結果には驚いたのでは?

ロナウド 否定はしないよ。ドイツ、デンマーク、オランダだからね。ドイツとオランダは優勝候補だし、デンマークは予選で苦しめられた相手だ。いきなり難敵ぞろいだ。強敵と当たるなら大会の最終段階がいい、というのが本音だよ。でも、ユーロの本大会に出てくるようなチームはどこも強敵だから、仕方ないね。

君にとっては3度目のヨーロッパ選手権ということになるけど、今回のユーロ2012で君たちポルトガル代表は何を目標としているのかな?

ロナウド まずはグループリーグを通過することだ。大変だけど、僕たちならできると思ってる。選手も監督も優秀だからね。決勝トーナメントに進んだら、「やれるだけやってみる」だね。

やれるだけやってみた結果、優勝の可能性はあるだろうか?

ロナウド 可能性を論じることに意味はないよ。だけど、僕自身はその野心を持っている。人生でもサッカーでも野心は最高のモチベーションだ。僕は優勝するつもりでウクライナに向かうんだ。優勝までは長い道のりだし、立ちはだかるのは強敵ばかりだ。でも、一歩ずつ階段を上るようにして試合をこなしていけば、不可能は何もないはずさ。結局のところ、開幕を控えたこの時点で最も大事なのは、「優勝するのは自分たちだ!」って信じる心だよ。大きなことを言うつもりはないけど、何かを怖がることもない。そう、ポルトガルのユーロ初優勝は決して夢じゃないんだ。

ユーロ優勝という目標を実現すれば、バロン・ドール受賞という可能性も出てくるんじゃないかな? モウリーニョは先日、「公平な判断が下されれば、バロン・ドールはクリスチアーノの手に渡るだろう」と発言した。

ロナウド さあ、どうなんだろうね(笑)。ポルトガル代表の優勝があるとしたら、それはチームワークの成果だ。バロン・ドールを受賞するために頑張ろうとは思わないよ。僕が全力を尽くすのは、仲間とファンのためだ。そう、僕が優先するのはいつだって、自分のことよりマドリーとポルトガル代表なんだ。もしバロン・ドールをユーロのタイトルと交換できるとしたら、すぐにでもそうするよ。

最後に改めて聞きたいんだけど、ユーロで優勝する自信はある?

ロナウド サッカーはピッチ上で戦ってみなければ何も分からない。だけど、僕自身としてはポルトガル代表の実力に100パーセントの確信を持っているよ!

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