FOLLOW US

名良橋晃「仙台はフィールドにいる選手・ベンチとサポーターが一つになっている」

2012.04.23

USTREAM「波乱の幕開け! 今シーズン、Jのポイントはここだ! powered by まるごとJリーグ動画
(主催:フロムワン、共催:TVバンク、後援:totoONEサッカージャーナリスト養成講座)より抜粋
TVバンク

名良橋晃――昨シーズンの川崎フロンターレは最初すごく調子が良かったんですけど、夏場に入って苦しみました。シーズンって長いから、どうなるか分からない。
早野宏史――長いよね。
名良橋――ホント長いですよ!
加藤理恵――長くプレーされた方の言葉って感じがしました(笑)。今、10位以下にいるチームって底力がありそうですよね。ハマりだしたらどうなるのか。
早野――昨シーズン、柏レイソルのネルシーニョ監督も言ってたけど、J2から上がったレイソルが優勝したことで、どこのチームが勝ってもおかしくないということが証明された。今シーズンはFC東京やサガン鳥栖も健闘しているし、ジュビロ磐田の森下(仁志)やサンフレッチェ広島の森保(一)も新監督として頑張っている……。「森」が結構いいね。
加藤――本当ですね(笑)
早野――今、気がついた。
名良橋――そこっすか(笑)
加藤――よく思いつきますねぇ。
早野――イタリアの「森」本(貴幸)はケガが多いけどね。
加藤――海外まで行っちゃいましたか(笑)
早野――新人監督といえば、松波(正信)がガンバ大阪を率いることになったよね。苦労すると思うけど、頑張っている印象は強い。FC東京は昨シーズンからルーカスを戻して、新シーズンになってからも10人ぐらい補強をしている。疲れているときにどんどん選手を投入してエネルギーを落とさないようなポジティブなサッカーをしているよね。
名良橋――選手の使い方がいい。
早野――とにかく攻撃陣がいっぱいいるから。
名良橋――すごい武器を持った選手がいますよね。
加藤――すごく個性的な選手がいっぱいいるイメージです。
早野――石川(直宏)のスピード、羽生(直剛)の運動量、ルーカスのうまさ……ACLとの兼ね合いの中で渡邉千真を併用したり、あの辺は大変だと思うけど、これだけ選手がいるから大丈夫。アーリア(長谷川アーリアジャスール)は退場し過ぎだけどね。
名良橋――でも、アーリアが退場しても高橋(秀人)がいますから。
早野――いい! 高橋はいいよね。「1970年代カット」みたいな髪型が。
名良橋――(笑)
加藤――そんな感じでしたっけ(笑)。試合後のインタビューでは知的な感じですよね。試合で起こった出来事を冷静に見ているイメージがあります。名良橋さんが気になるチームはありますか?
名良橋――首位にいるベガルタ仙台は、昨シーズンの成績(4位)がうそじゃないことを証明していますし、“守備の戦術”がチームに浸透しています。サポーターと一つになっていて、ホームでは圧倒的に強い。ジュビロ戦では引き離されて、もうダメだと思ったら、ウイルソンが……(第5節、2-2)。
加藤――本当に最後の最後でしたよね。
早野――タイプなんでしょ?
加藤――それ、本番前の話じゃないですか(笑)。タイプというか、ああいうタイプのブラジル人選手が久しぶりに来てくれたなって感じがしたので。
早野――力強いというか、もう何でもシュートを打っちゃうからね。
名良橋――頑張りますよね。攻撃だけではなく守備でも頑張りますし。すごいですよ、ウイルソンは。
加藤――ブラジル人選手って日本になじむまでに時間がかかるイメージがあるんですけど、ウイルソン選手に関してはいかがですか?
早野――タイプによると思います。なじみにくい選手とポッと入っちゃう選手がいるよね。
名良橋――ブラジルから直接Jリーグに来る選手は結構苦労しているけど、ウイルソンは中国でプレーしているじゃないですか。そこでアジアのサッカーを経験したことは大きいと思うんです。
加藤――そういうのがあるんですね。
名良橋――あると思いますよ。いきなりだと苦しみますから。
早野――だいたいは苦しむからね。文化も違うし、言葉も違う。ブラジルで月に1回ぐらい日本食を食べておいしいって感じていても、日本に来て毎日食べていたら飽きるんじゃないかな。食事は選手にとって毎日のことだし、かといって食べなかったら動けない。食べることはものすごく大事なことだよね。周りの人とちゃんとコミュニケーションを取れるか、夜はぐっすり眠れるか、日本の気候になじめるか、チームの雰囲気に合うか、そういうのもやっぱり大切だよね。
名良橋――つまり私生活が大事ってことですね。
早野――そう。12時間も練習するチームはないよね。8時間寝たら、あとの16時間は起きて何かをしているはず。練習は2~3時間しかないし、残りの時間の過ごし方はとても大事。ずっと独りぼっちだったらどうする?
加藤――独りぼっちかぁ(笑)
早野――もちろん通訳はいるけどね。厳密にいえば独りぼっちには絶対にならない。
名良橋――若い選手や結婚していない選手は、やっぱり寂しいですよね。結婚している選手は家族がいるから大丈夫ですけど。
早野――部屋にこもって独りでブラジルのテレビを見て、時間が逆になるから寝不足になることもある。そんな選手ばかりではないと思うけど。
加藤――では仙台はウイルソン選手がカギになりそうですね。
早野――仙台は、地元の人たちを元気づけるために、一生懸命プレーするという気持ちをずっと持ち続けていると思うんです。仙台にあるチームとしてできることをひたむきに続けて、2時間という限られた時間でどれだけ勇気を与えられるか、という使命感を持って戦っている。粘り強いよね。
名良橋――本当にあきらめないですからね。
加藤――最後のところが全然違うなって思うんです。
名良橋――ユアテック(スタジアム仙台)ってすごく一体感がありますよね。フィールドにいる選手・ベンチとサポーターが一つになっている。アウェイのチームはやりづらいですよ。

<続く>

この座談会は、4月13日にUSTREAMで配信した「波乱の幕開け! 今シーズン、Jのポイントはここだ! powered by まるごとJリーグ動画」の内容を『サッカーキング』掲載用に再構成したものです。

取材協力:鈴木真輝(サッカージャーナリスト養成講座 受講生)
写真:山中尚一


「まるごとJリーグ動画」とは?
 
2012シーズン、全試合ハイライト見放題
「まるごとJリーグ動画」は、2012年J1全試合のハイライト動画が見られるJリーグ動画スマートフォンアプリです。全試合ハイライトに加え、ゴール/アシスト動画や試合情報、チーム情報、動画付き選手情報も配信! Android端末では月額350円、iPhoneでは350円/1カ月で全動画、全情報が見放題です。Wi-Fi環境では、高画質動画をお楽しみ頂くこともできます。毎週数本無料動画も配信していますので、ぜひダウンロードしてみてください!
 

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

RANKING今、読まれている記事

  • Daily

  • Weekly

  • Monthly

SOCCERKING VIDEO