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浦和論究「よみがえった高揚感と団結心。浦和らしさを取り戻しつつある理由」

2012.04.16

島崎英純の浦和論究「チャレンジは続く」

浦和レッズマガジン2012年5月号掲載】
 
 
昨季王者・柏レイソルをホーム開幕戦で撃破、最後は9人となった川崎戦では耐えしのんで貴重なドロー。今季の浦和レッズは、序盤戦はファンの心をとらえるゲームを繰り広げている。そんな順回転を作り上げているのは、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督だ。主力でも手を抜けば叱咤し、バックアップメンバーに対しては新たなポジションで起用するなど、可能性を模索している。チーム全体で取り組むチャレンジは、加速度を上げていく。



文●島崎英純 [写真]=足立雅史

 

『言い続けることによって身になっていくんだ』

 新生レッズが船出した。

 Jリーグ開幕戦。サンフレッチェ広島と対戦した浦和レッズは熟達した相手に動きを封じられて零敗を喫した。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督、柏木陽介、槙野智章ら、広島にゆかりのある者たちは忸怩たる思いだったろうが、同じチームスタイルを有するチーム同士の激突は“山陽の雄”に一日の長があった。ミシャ監督も試合後に「今の時期に広島と当たることは我々にとって少し厳しかったかもしれない」と述べ、自らのチームが発展途上の段階であることを暗に認めた。

 浦和は創立から20年の間に過ちを繰り返し、常に現場サイドに刷新を求めてきた。今季もまた、前任のゼリコ・ペトロヴィッチ体制とはかなり毛色の異なるサッカー観を持つミシャ監督を指揮官に招聘し、チームスタイルの変革に着手している。
そんな中、ミシャ監督は約6年に渡る広島での指導を通して日本の文化、Jリーグの潮流、そして何より浦和の事情を理解していた。このクラブが過渡期を迎えていること。危機に瀕していること。復活を期していること。様々な事情を鑑みながら今、指揮官は正しい道筋を歩む意志を備え、迷いなく改革を進めている。

 浦和は広島とのゲームこそ完敗したが、その後は昨季Jリーグチャンピオン・柏レイソルに勝利し、アウェー・札幌でコンサドーレを下して連勝を遂げた。またミシャ監督はナビスコカップの舞台でバックアッププレーヤーにアピールの機会を設けて難敵・ベガルタ仙台をホームで打ち破ってもいる。残念ながらリーグ第4節の川崎フロンターレとのホーム戦はドローに終わったが、阿部勇樹、槙野智章という二大看板が退場処分となった中で相手の猛攻に耐え、執念の勝ち点1奪取を果たした意義は大きかった。

 何よりも、チームが死地に直面した中で湧き起こったサポーターの『We are Reds』コールは素晴らしかった。川崎戦の観客動員数は当日の天候悪化もあって25,743人と少なかったが、数の問題を全く感じさせない大声援は圧巻だった。このサポーターは皆の想いがシンクロした時、四方のスタンド全体から轟音のような大コールが発現する。怒涛の嵐のように声が響き、胸を叩かれるような衝撃が発せられる。これによってアウェーチームは委縮し、ホームチームは勇気を与えられる。川崎戦のドローは間違いなく監督、選手、サポーターが三位一体になったことが起因になっている。

 この高揚感、団結心は昨今の浦和になかったものだ。かつては備えていたはずなのに、どこかに置き忘れてしまったもの。ではなぜ今季、まだ数試合ながらも、浦和は浦和らしさを取り戻しつつあるのか。

 一端はミシャ監督が取り組むサッカースタイルにある。……………

※浦和が浦和らしさを取り戻した要因とは? ペトロヴィッチ監督の指導の真意や、ファンが選ぶべき”浦和との接し方”とは? 続きは、浦和レッズマガジン2012年5月号にて!

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浦和レッズマガジン 5月号
いくぜぇ~
▼[本誌独占インタビュー]槙野智章『新たな浦和を築く』
▼[槙野智章が語る]『愉快な仲間たち28人』
▼[浦和論究]『チャレンジは続く』
▼[山田直輝]『浦和のハート――King of Reds』
▼[浦和レッズ再建委員会]『ノーテンキのすすめ』
▼[スペシャル]『ミシャレッズ序盤戦序列』

定価:780円(税込)   >>誌面の詳しい内容はこちら

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