2012.03.27

阿部勇樹インタビュー「期待に応えたい。だから浦和に帰ってきた」

浦和レッズマガジン2012年4月号掲載】
 
 開幕戦こそ黒星を喫したものの、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の攻撃的サッカーが徐々に浸透してきた浦和レッズ。王者・柏戦でつかんだ今季初白星を皮切りに、公式戦3連勝と波に乗っている。
 
 思えば、この男が本職のボランチでプレーするようになってからチームは波に乗り出した。イングランドのレスターから愛するクラブに復帰し、キャプテンを務める阿部勇樹の、シーズンに当たる意気込みを振り返ろう。
(文:SK編集部)



インタビュー・文●島崎英純 [写真]=足立雅史

 
——今回、レスターから浦和レッズへの移籍を決めました。もう一度、どのような思いで決断をしたのか、お聞かせください。
 
阿部——理由はひとつではないのですが、まずは浦和のために何かの力になれればと思っています。浦和でサッカーがしたいとも。いろいろなビジョンを考えて、今、浦和に帰ってプレーをすることが最も良いことだとも思いました。
 
 そして、かつて浦和に在籍していた時に、何かを達成したのか、という思いがありました。ACLは別物。2007年のACLは前年にチームがリーグ優勝を達成して出場権を勝ち取った大会でしたから、07年に千葉から浦和に移籍した僕は、そこに貢献できていません。
 
 そう考えると、僕はまだレッズで何も達成していない。また、イングランドで得た成果を、できるだけ早いうちにレッズのサポーターに見せたかったんです。僕も30歳になりました。年齢的なことを考えると、これからどうしてもパフォーマンスが落ちてくるでしょう。
 
 だから今、良い状態を保てている時に、僕のプレーをレッズのサポーターに観て頂きたかった。だから今回のタイミングがベストなのかなと。そのような、いろいろな要素が重なって移籍を決断したんです。
 
——ここ数年、浦和レッズが苦しんでいることは阿部選手が移籍を決断した要素になったのでしょうか。
 
阿部——もちろん。去年のシーズンの試合結果は映像を含めてチェックしていました。そして気になっていました。う~ん、何とかできないかなと……。でも、イングランドでのプレーも充実していたんですよね。それに僕だけじゃなく、移籍は家族の問題でもあるので、よく相談をして、最終的には家族も僕の移籍を了承してくれました。相当な決断ではありましたけど……。

[写真]=野口岳彦

 
——阿部選手は浦和に帰ってきてから常々言っています。『サッカーは、チームは、ひとりの力では変えられない。皆が同じ方向を向いて目標に向かなくてはならない』と。
 
阿部——もちろん、ひとりの力の影響もありますが、何かを勝ち獲るためには個人の力では無理だと思うんです。ミシャ監督が掲げるサッカー、そして目標を理解して、皆が同じ方向に進まないといけない。特にミシャ監督のスタイルは、そうでなければ成り立たないものだと思うし、結果も付いてこないと思うんです。ここ何年かのレッズは、僕が在籍していた1年半前もそうでしたが、その部分がどこか足りなかったのではないでしょうか。だから、団結することは非常に大切なことだと思うんです。
 
 昨季の他のJリーグチームの映像も観ましたが、優勝するチームは何か、そのような一致団結した部分が垣間見える。1点取られても取り返して、試合をひっくり返して勝つ。そこに強さが見えるんです。プレーしている当人たちが『そうやっている』と言っても説得力がないと思うんです。スタンドから観戦している方々がそれを感じ取れないのであれば、それをやっていないも同然です。
 
 ひとつの試合で90分間全力を出し切るのは、簡単なようで非常に難しいことです。それは自分でも分かっていることですが、最後まで全力で戦う姿勢を感じてもらえるよう、僕たちは何かを変えていかないといけないと思っています。
 
——チームだけでなく、クラブ、スタッフ、サポーターが一致団結することが大事なのかもしれないですね。もちろん私たちメディアも含まれるのですが。
 
阿部——そうですね。勝ってみんなで喜ぶ。あれだけ大勢の方々が勝った後に歌を歌ってくれるクラブなんてなかなかないと思うんです。自分がそのチームのファン・サポーターで、試合を観に行った時に、負けたら当然『なんだよー』っていう感情になると思うんです。レッズのサポーターには埼玉スタジアムから気持ち良く帰ってもらいたい。そのためには今までのままではダメなんです。それは僕も含めて、決意を込めて戦わなくてはならない。
 
——ミシャ監督の下で約1か月トレーニングを重ねたわけですが、監督のサッカーに対する印象はいかがですか。
 
阿部——楽しいですよ。サッカーで起こり得るシチュエーションを考えてトレーニングが組まれています。もちろん厳しいんですけども、その厳しい練習をこなしていく中でタフさが身に付くと思いますし、チーム全体の団結心が芽生えると思うんです。何とか監督が理想とするサッカーを早く実践できるように取り組んでいきたいです。サポーターの方々も楽しみにしていると思いますので。まだ時間が足りないと感じていますが、監督が課すトレーニングを重ねていけば良い方向に向かえるという確信も得ています。

※イングランドでの経験や、今季へ向けた思いについて語った阿部勇樹のインタビューの続きは、浦和レッズマガジン2012年4月号にて!

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浦和レッズマガジン 4月号
さあ、始めよう!
▼[本誌独占インタビュー]阿部勇樹『皆と共に』
▼[ペトロヴィッチ監督]『私はロマンチストだから』
▼[浦和論究]『今は見つめる時』
▼[都築龍太の『一刀両断!』]
▼[浦和レッズ再建委員会]
▼[スペシャル]堀之内聖『このままでは、終われない。』

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