［ワールドサッカーキング 2012.03.01（No.208）掲載］
昨夏、リカルド・アルバレスにはアーセナル、ローマなど多くのクラブからオファーが殺到した。結局、彼が選んだのはインテル。幼少の頃からの憧れのチームに身を置くことになった。「青」と「黒」を愛してやまないアルゼンチンのヤングスターが、クラブと自身のポジティブな未来について語る。
2011年はリカルド・アルバレスにとって飛躍の年になった。幼少の頃からの憧れであった青と黒のユニフォームに袖を通し、念願のチャンピオンズ・リーグ（以下CL）に出場。夏からはアルゼンチン代表にも招集されるようになり、待望のA代表デビューを果たしている。CLでは彼のインテルにおける初ゴールによって、チームのベスト16進出が決定。大舞台での勝負強さを、国内外に証明することもできた。
アルバレスは昨夏、数々のビッグクラブからのオファーを断ってインテルを選んだ。彼は今、その決断が正しかったことを改めてかみしめている。幼少の頃から長年、恋い焦がれてきたインテルへの忠誠を誓い、ここでのプレーを最大限に楽しむつもりだ。
僕にとって青と黒はずっと特別なカラーなんだ。
君がミラノに来て約半年が経過した。憧れていたインテルのユニフォームを初めて身にまとった時のことを覚えている？
アルバレス もちろん、よく覚えているよ。幼い頃から憧れていたチームに入れたんだからね。もともとは僕の父親がインテルのファンで、その影響が大きかったんだ。アルゼンチンではテレビ放送があるからセリエAの人気はすごい。特にインテルには多くのアルゼンチン人選手が在籍しているし、ファンはとても多い。子供の頃からインテルのシャツを着て遊んでいたから、僕にとって青と黒はずっと特別なカラーなんだ。そして今、夢見ていたことが実現した。本当に信じられない気分だよ！
今を満喫しているんだね。
アルバレス 毎日が幸せだよ。他に表現しようがない。インテルのようなビッグクラブでプレーするチャンスをもらえるなんて、ラッキーと言う他ないだろう？
でも、イタリアサッカーに順応するのは難しかったんじゃない？
アルバレス 今僕が言えるのは、君たちはまだ「本当のアルバレス」を見ていないということさ（笑）。これから、もっと良いパフォーマンスを見せるつもりだから、ファンのみんなには期待してほしいな。今はこの国のサッカーに、必死に慣れようと努力している最中さ。
イタリアサッカーにフィットする上での難しさは何だと思う？
アルバレス アルゼンチンのスタイルとはかなり異なる部分が多い。とにかくイタリアサッカーは驚くほどプレーのテンポが速いんだ。じっくり考えてプレーする余裕なんて与えてくれないから、最初はその点にかなりてこずったよ。あとは、僕のようなオフェンシブなプレーヤーでも守備のタスクが多いことだね。イタリアの大半のチームが一発のカウンターを狙ってくるから、ボールを奪われた時には相手の速攻を防ぐ必要がある。その意味で、僕たち攻撃陣はすぐに守備モードへ切り替えて、前方からプレスを掛けなくちゃいけないんだ。それを頭では分かっていても、まだ体が反応しないことが多いんだよ。（クラウディオ）ラニエリ監督からは攻守の切り替えの部分をいつも言われているんだけどね……。
他にはどんなアドバイスを？
アルバレス 判断のスピードかな。パスを出すにしてもシュートを打つにしても、もっと早く決断するように言われている。要するに、プレーのスピードだけじゃなく、考えるスピードも速くしろってことさ。インテルのサッカーにはゆっくり考えている余裕なんてないんだ。
ラニエリとの関係は良好？
アルバレス 良い関係を築けていると思っている。彼は経験豊かな監督で、イタリアサッカーを熟知している。選手とのコミュニケーションを重視する点も僕には合っているね。いつも適切なアドバイスをくれるし、プレーヤーの言葉に耳を傾けてくれるんだ。特に、僕にはよく声を掛けてくれていると思う。ラニエリからいろんな知識を吸収しようとしている僕みたいな選手にとっては、すごくありがたいことだよ。
ワールドサッカーキング No.208【総力特集】4大リーグ「ラストスパート」診断
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