膨大なJリーグの過去映像を収録しているJリーグ動画アーカイブの中から、サッカーキング編集部が厳選した5つのカテゴリーに分けて、5本の映像をお届けすることとなった。ここでは過去に開催された「チャンピオンシップの記憶」を振り返り、その中から一つを選んでみた。
1993年から2004年まで行われていたJリーグのチャンピオンシップ(1996年は1ステージ制。両ステージ制覇のチームが出た年は行われず)。今年から同名の大会が最大5チームによるトーナメント制で復活したが、当時は1stステージの優勝チームと2ndステージの優勝が一騎打ちで対戦するシンプルな方式だった。
この大会を彩るゴールとなると枚挙に暇がない。勝利を決定付けたものに限っても、甲乙付けがたいものがあるだろう。チャンピオンシップのハイライトシーンをセレクトすると、必ずピックアップされるのは現FC岐阜監督のラモス瑠偉がサンフレッチェ広島と対戦した1994年に決めたゴール。ワンタッチループシュートの軌道は改めて見ても、溜息が出るほどに美しい。
ただ、これは第1戦ですでに勝利していたヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)が第2戦で奪った得点で、180分トータルで考えると“追加点”となるゴールだった。純粋な決勝点に絞って考えていくと、2001年のチャンピオンシップ第2戦で鹿島アントラーズの小笠原満男がジュビロ磐田相手に決めた一発が最も印象的だ。
この年は第1戦が2-2の引き分け。カシマスタジアムで行われた第2戦は4万人を超える観衆が詰め掛け、まさに頂上決戦と呼ぶべき一戦となった。だが、この第2戦も0-0のドローとなり、決着は延長戦へ。均衡した流れを突き崩し、鹿島にVゴール勝ちをもたらしたのは、小笠原の右足から繰り出された見事というほかないFKだった。
「Jリーグ史上最高のチーム」と評される当時の磐田を突き崩した22歳の一撃は、今なお語り草となっている。
Jリーグ動画アーカイブ
Windows8.1もしくはXbox Oneで視聴できるJリーグの過去映像を収録したアプリ。通常のハイライトとは異なり、スーパーゴールや名場面などをピンポイントで視聴していくことができる。1993年の開幕から20年余りの蓄積を体感可能だ。