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J美食倶楽部~すた飯をめぐる冒険~Jクラブグルメ大集合編

2015.03.06

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 少年だった頃――。玄関でズックをひっかけ、手には年に一度の祭りの時にだけもらえる小遣いが握り締められている。目指すは地元の神社。胸を躍らせ、夜道を駆けたあの頃を思い出す。

 息を切らせながら、人々で賑わう会場に辿り着く。所狭しと屋台が並び、どこからか香ばしい匂いが漂ってくる。

 焼きそばだろうか。甘辛ソースが焦げた香りを吸い込むと、鼓動はさらに早まる。当時の純粋さこそ、失ってしまったが、屋台を前にした高揚感は大人になった今も変わらない。

 2月28日、日産スタジアムでは、J1とJ2全40クラブのスタジアムグルメが勢揃いする富士ゼロックスグルメパークが開催された。「Jクラブグルメ大集合!」と銘打たれ、青空の下では全国の美食を求める人々が、屋台の前に長蛇の列を作っている。

 北は北海道、南は九州・熊本まで、全国津々浦々のご当地グルメたちが「おらが一番」とばかりに、それぞれの魅力を放っている。見るからにジューシーな仙台の牛たん焼き、米一粒一粒に脂の旨味がしっかりと染み込んだ新潟の牛すじ煮込みごはん。黒い煮汁と削り節にソソられる静岡おでん、テカテカに輝く愛媛産の鶏手羽甘酢揚げ等を前に、胸の高まりは抑えられない。

 口の中はヨダレに溢れ、あれもこれもと目は移る。ワイワイガヤガヤと喧騒に包まれながら、頭は大いに悩むばかり。迷いに迷った末、ついに足が止まる。

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 松本山雅の本拠地、長野県産の牛串。一口大にぶつ切りにされた牛肉には、鮮やかな焦げ目がつき、滲み出た脂は眩しく光る。塩とコショウというシンプルな味付けが、より一層肉の旨味を際立たせる。触感は柔らかい。そして、流れ出てくる肉汁や脂は甘い。やはり、豊かな自然で育った牛肉は旨い。

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 そして、松本の誇る郷土料理、山賊焼。にんにくダレにしっかりと漬け込まれた鶏のモモ肉は、ガツンとパンチが効いている。カラッとした揚げたてにかぶりつけば、パリッとした触感とともに、プッシュっとアツアツの汁が飛び出してきた。意地汚くがっついたことで、上あごを火傷しそうになったが、肉厚な鶏肉の前では気にもならない。

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 松本のソウルフードを平らげると、旺盛な食欲もさすがに満たされる。ところが、幸か不幸か、甲府の八ヶ岳ベーコンが目に入ったものだからいけない。満腹中枢は、溢れるグルメにすっかり破壊されてしまった。

 Jリーグもついに開幕。熱き戦いとともに、美食を求める旅も幕を開ける。

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