バルセロナのエルプラット国際空港。ここから数時間も飛行機に乗れば欧州各国へ容易に移動できる
文●アルビレックス新潟バルセロナ:門野聖流
「世界基準の、サッカー人になる」私たちアルビレックス新潟バルセロナの理念である。世界基準のサッカー人とはどんな人だろうか。1年間という限られた時間、与えられた環境のなかで私にできることは何か。考えに考えた末に着想したのは”世界のサッカーを観て、感じる”ことで世界基準を知ることができるのではないか、ということだった。私は自チームのリーグ戦がない週末や祝日を利用して、欧州各国のサッカーを観に行っている。今回はそこで観て感じたことを僅かながらお伝えしたい。
ミランとインテルミラノのホームスタジアム”サンシーロ”1980年より正式名称は”スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ”に変更
まず初めに訪れたのはACミランとインテルミラノという2つのビッグクラブをもつ街、イタリアのミラノ。この日はその2チームがぶつかり合う”ミラノダービー”だった。我こそがミラノのサッカーチームだと主張するかのように選手はもちろんサポーターの熱も湧き上がる。後半キックオフ直後にはスタンドで発煙筒が燃え始め、煙が立ちこめる。そして終いには爆発音がスタジアムを騒がしくさせる。そんな尋常じゃないサッカー熱で溢れかえったサンシーロの雰囲気は今でも脳裏に焼き付いている。
発煙筒によりピッチがほとんど見えないインテルミラノ側のゴール裏
ドイツの世界的金融都市フランクフルト。ここに長谷部誠選手や乾貴士選手も所属するアイントラハト・フランクフルトというクラブがある。この日は内田篤人選手の所属するFCシャルケ04との一戦。上位相手に気合いが入っていたのはまたも選手だけではなかった。スタジアムへ向かう電車の中は、ビール瓶を片手に興奮を抑えきれないサポーターでごった返しになっていた。そして車内にもかかわらず応援歌の大合唱が始まり、飛び跳ね、太鼓を叩く。目を瞑ればそこはスタジアム同然、試合1時間前から場所を選ばず盛り上がる彼らのサッカー熱にまたも衝撃を受けた。
アイントラハト・フランクフルトのゴール裏。圧倒の迫力と演出で選手たちを奮い立たせる
サッカーは国やクラブよって異なるカタチがあり、それぞれの面白さをもっている。世界中のサッカーを見続け、いつか「世界基準の、サッカー人」になれるようこれからも精進していきたい。
名物フランクフルト。サッカーと直接関係はないが、行く先々の文化に触れることもまた面白い