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飽くなき追求心を持つ名門・前橋育英の主将、鈴木徳真

2014.12.26

 4度のベスト4を経験しながらも、全国高校サッカー選手権大会の決勝の芝を未だ踏むことができていない名門、前橋育英高等学校。2年ぶり18回目の出場となる今大会では、世代別の日本代表でもある主将の鈴木徳真や渡邊凌磨らを擁し、悲願の初優勝を目指す。

 各年代で日本代表に選出されている鈴木徳真は、高校年代屈指のタレントと、高い評価を受けている。前橋育英のキャプテンを担う将来の日本代表候補が、3年間の集大成として臨む選手権への思いを語った。

[ワールドサッカーキング2015年1月号付録 サッカーキング・フリー フォー・プレーヤーズ掲載]

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―――前橋育英で3年間、サッカーに打ち込んできたわけですが、振り返って今どんな心境ですか?

鈴木徳真 自分の中では毎年印象的な出来事がありました。1年生の頃はU-16日本代表でAFC U-16選手権イラン2012に参加することができました。1年生ながら全国高校サッカー選手権に出場させてもらえたこともいい経験になっています。2年生の時はUAEで開催されたU-17ワールドカップに参加できて、3年生になって全国高等学校総合体育大会、そしてまた選手権に出場できる。とても濃い3年間になったと思います。

―――一番印象に残っている思い出は?

鈴木徳真 今年のインターハイでベスト4に進出したことです。個人個人が役割をしっかり果たすことが確実にできて、チームの特長をしっかりと出せていた大会でした。

―――一番つらかったことは?

鈴木徳真 やっぱり3年間、毎週火曜日の10キロ走ですね。陸上部じゃないんだからと(笑)。

―――そんな時はどんなことをモチベーションにしていましたか?

鈴木徳真 必ず目標を設定して走るようにしていました。例えば、1年生の時はAFC U-16日本代表のメンバーに選ばれるためにがんばっていました。目標を立てるとしっかり足も前に出る。

―――そうした姿勢は、高校入学前から持っていたのですか?

鈴木徳真 いや、そんなことはありません。高校に入学してから考え方が大きく変わりました。それは山田耕介監督の影響がとても強いです。監督から「一流になる選手はしっかりとサッカーに取り組んでいる」と言われ、真面目にサッカーに向き合うようになりました。

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―――普段はどういう姿勢で練習に取り組んでいますか?

鈴木徳真 僕は練習がすごく好きなんです。なぜなら、毎回いろんな発見があるから。自分に納得のいかないプレーがあったら、自分の中でその問題を解決して、自主練習で補っています。

―――鈴木選手自身は自分をどういうプレーヤーだと思っていますか?

鈴木徳真 僕は相手のボールを奪うプレーや、ゲームをコントロールするプレーが得意だと思っています。スルーパスが得意だったので、以前は前線の選手だと思っていました。ただ周囲からボールを奪う能力が高いと評価されてボランチになったんです。

―――各年代の代表に選ばれていますが、代表ではどんな収穫を得られましたか?

鈴木徳真 まずは基本の大切さが身にしみて分かりました。加えて、ゲームの戦術やメカニズムを学べました。後は、自分がやったことのないようなプレーを、みんなが当たり前にプレーしていることがあるので刺激を受けます。

―――代表で学んだ技や技術を、帰ってから練習するんですか?

鈴木徳真 すごく練習しますね。それを習得しないと彼らには勝てないじゃないですか。

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―――各年代の代表には、チームメートの渡邊凌磨選手も選ばれています。彼の存在が助けになっていると感じることはありますか?

鈴木徳真 それはすごく感じます。戦術で分からないことがあったらすぐに凌磨に聞ける。育英に帰ってきてからも、凌磨とは代表で学んだ価値観でプレーができる安心感があります。決して育英のみんなと価値観が違うというわけではなくて、チームとしてレベルを高め合っていくために、そのベースを僕らが代表から持ち帰ってこられる。それは1人だと伝えきれない部分があるので、凌磨がいて良かったと思っています。

―――今年のチームはどのようなチームだと感じていますか?

鈴木徳真 すごくチームワークがいいと思います。助け合いの精神が、今のチームの持ち味の一つだと思っています。

―――将来の夢を聞かせてください。

鈴木徳真 A代表に入って、ワールドカップで優勝することです。ただそれは、夢ではなくて目標ですね。そのためにもプロ選手になって、いずれは海外に出てプレーしたいです。

―――いよいよ最後の高校選手権です。意気込みを聞かせてください。

鈴木徳真 高校3年間の集大成として、より多く勝つ。今まで自分たちに関わってきてくれた人たちに恩返しができたらなと思っています。仲間たちも強い思いがあって、ピッチの外から応援してくれる。試合に出られない選手の分も、僕らがピッチの上で躍動したいです。

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