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高橋秀人が語る『JPFAチャリティーサッカー2014』への想い「ありのままの姿勢でこのイベントを成功させたい」

2014.11.28

JPFAチャリティーサッカー2014
FC東京 高橋秀人選手が語る『JPFAチャリティーサッカー2014』への想い

高橋秀人

――震災から3年半が経過しましたが、個人的に復興について考えていることはありますか?

高橋秀人 当時はチームメイトだった今野(泰幸)さんが、ボールや練習着を集めてダンボールに詰めて、それを塩田(仁史)さんと一緒に運んでいるのをただ見ているだけでした。その時は表立って何かやらなくてもいいのかなという思いでした。僕の場合、親族や親しい人が被害に遭っていなかったので、その被害の大きさを受け入れづらかったということもあります。それが日に日に「俺、このまま何もしなくていいのかな」という思いが強くなっていきました。それが今、3年半という時が経って、震災復興への意識が風化しているのではないかと感じ、最近では自分がやらないといけないという使命感や責任感が沸いてきました。サッカー選手としてメディアに露出する機会もありますし、影響力がある存在ということを理解しているからです。実際に南相馬を訪れた時も、自分がサッカー選手だからたくさんの人とのつながりができましたし、響くものもありました。

――今年9月15日の被災地での活動について聞かせてください。

高橋秀人 南相馬市には手倉森浩コーチ、福島ユナイテッドFCの全選手、INAC神戸の田中陽子選手とFC東京の塩田さん、石川直宏さんと一緒に行きました。午前は小学生が対象で、リフティング、シュート、一対一などセクションに分かれて子供たちに教えました。午後が中学生とテクニック練習とゲームするという内容でした。

――実際に、被災地の子供たちとふれあってみてどうでしたか?

高橋秀人 最初は心を閉ざしてしまう子供が多いという印象でした。それを父兄やスタッフの方に聞いたところ、震災や津波の影響で外で遊んだり、知らない人とオープンな関係になることに対して少し抵抗があるということを知りました。建物が壊れたとか、仮設住宅に住んでいて不便であるとかはイメージしていましたが、体を使って遊ぶことやサッカーをすることにまで影響を受けているとは知りませんでした。もちろん全員ではありませんが、ちょっと心を閉ざしている子もいたので、それは現地へ実際に行ってみないと分からなかったことです。ただ、ふれあっていく中で、結構仲良くなりますが、心の扉を開いてくれるという感じではありませんでした。中学生のほうがしっかりしていて、乗り越える力があるんだと感じました。

――FC東京前選手会長で、現在は富山に期限付き移籍している廣永遼太郎選手も、以前から震災の復興支援について考えていましたね。

高橋秀人 ヒロ(廣永)は前から何かしらの活動をしたいと言っていて、今シーズン途中に移籍する際に「ヒデくん、絶対やってください」と思いを託されました。クラブと交渉して、11月3日にFC東京の選手会でサッカー教室を開催しました。FC東京の選手会としては3年半何もできていなかったので、これをいいきっかけにしたいと思っています。

――今回のチャリティーサッカーには、チームからは太田宏介選手と武藤嘉紀選手、さらに廣永選手が出場しますが、彼らに期待することは?

高橋秀人 今のところ出場が決まっている3人ともひたむきなプレーで何か自分の思いを発せられるプレーヤーです。僕はあまりそういう感じではないかも知れませんが、よっち(武藤)や宏介(太田)は泥臭いプレーで見ている人に伝わりやすいと思います。ヒロ(廣永)も感情型なので、見る側も熱くなれます。FC東京の選手を代表してではなくて、純粋にこのイベントを成功させてほしいと思います。

――最後に今回のチャリティーサッカーに向けての抱負をお願いします。

高橋秀人 出場選手発表の記者会見後にナオさん(石川)が「メディアの数が増えた」と言っていました。それはこれまで佐藤寿人さんや小笠原満男さんが続けてきた積み重ねがいろいろな人に影響を与えているということで、それはすごくいいことだと思いましたね。みんなが復興支援は大事なことですと言いますが、自分としては誇張せずに当たり前のことをしているという感覚です。それに純粋に一つのボールで、一つのゴールを目指していくというのは、それだけでもこのチャリティーサッカーの魅力になると思います。もちろん当日、ユアテックスタジアムには多くの人に足を運んでいただきたいですが、ありのままの姿勢でこのイベントを成功させたいと思います。そのために裏方として力を惜しまず最大限の協力をしていきます。

「JPFAチャリティーサッカー2014」公式HP

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