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バルセロナ留学生便り 第2回「バルセロナの底辺のサッカー」

2014.10.30


文●アルビレックス新潟バルセロナ:本間 敬

 私はバルセロナに来る前の6年弱の期間、小学生年代のサッカー指導を職業としていた。バルセロナに来た理由は、サッカー先進国の環境を見る事で、自分自身の指導力の向上に繋げたいと思ったからである。

 ここでのサッカーを知る為には、まず自分がプレーして経験する事が一番だと考えた。所属チームは、一番下のカテゴリーにあたるカタルーニャ4部リーグ。レベルこそ高くはないが、バルセロナの底辺を知る事が出来るという魅力もある。実際に1カ月程プレーして感じた事は、勝負に対してとにかく貪欲であるという事だ。

 私の考えでは「どこのチームも、あの“バルサ”のようなボールを保持して綺麗なサッカー目指すのだろう」という勝手な思い込みがあったが、どうやら底辺のレベルでは、何をしてでも勝てれば良いという考えが当たり前のようである。徹底してロングボールを放り込むチームも多い。また、審判の見えないところでのファールや審判に対する抗議の数は、日本で行われているそれとは比べ物にならない程だ。私の所属チームにおいても、日本で聞いた事はなかった“戦術的ファール”という言葉が使われている。ファールをした後には「ごめん、ごめん」というわざと行ったことではない演技を入れながらボールを拾い、味方を自陣に下げる為に時間を作る事が、チームの約束事の一つにもなっている。

 プロ等のトップレベルであれば、日本でも当たり前の事かもしれないが、カタルーニャ4部という底辺のレベルにおいて、プロさながらの勝負に対する拘りがあるのは日本との大きな違いかもしれない。

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