FOLLOW US

【なんでもベストイレブン】神に挑んだ90年代バスケ選手ベストイレブン

2014.07.12

 なんでもベストイレブンは、この世にあるありとあらゆるものの最強の11人(ときに人間ではなくモノも)を選び、サッカー風に語る実にくだらない企画であります。「こんなベストイレブンをやってほしい」とのリクエストは、コメント欄にいただけると幸いです。
 

第五回 神に挑んだ90年代バスケ選手ベストイレブン

 
文=田中リョウペー

 何年か前に発売された某総合スポーツ誌がバスケットボールを特集した際、ついた見出しは『90年代、バスケがいちばんカッコよかった。』だった。嘘つけオヤジ。という小学生男児の声が聞こえてきそうである。メッシやクリロナ、カガワにウッシーのプレーが一番かっけぇ! と思っているキミたちには信じられないかもしれない。しかし本当にあったのよ、バスケがいちばんカッコいいと言われていた時代が。
  
 全知全能の神様マイケル・ジョーダン(信じられないくらい神だった)と、その神に挑む名脇役たち。当時のNBAはドラマとスペクタクルに満ち、時を同じくして現れた『スラムダンク』はジャンプ世代の心を鷲掴みにした。バッシュを外履きにするのはイケてるヤツの嗜みだったし、エアマックスの360度エアーだって、もともと見慣れていたバスケ部的には別に驚かなかったんだぜ。
 
 というわけで、神に挑んだ90年代バスケ選手ベストイレブン(つまりマイケル・ジョーダンとシカゴ・ブルズの選手を除く)、いってみます。

Basket
FW/バークリー、マローン
MF/マーリー、ストックトン、ハーダウェイ、プライス
DF/マリン、ムトンボ、ロビンソン、ミラー
GK/オラジュワン
■GK
アキーム・オラジュワン
orajuwan

当時の選手の中でリアルにGKにふさわしい選手は誰かと考えた時に、真っ先に思いついたのがオラジュワンだ。超長身揃いのNBAの中でも、一際大きいセンタープレーヤーであるが、何よりその動きが実に柔らかい。ローポストからのステップワークは、まるでダンスを踊っているかのよう。デュデクのスパゲッティ・ダンス(04-05CL決勝)なんて目じゃない。オラジュワンが守るゴールにPKを蹴り込めるヤツは、ロッベンくらいじゃないか。
 

■CB(左)
ディケンベ・ムトンボ
mutonnbo

センターバックはやはり長身で固めたい(基本的にみんなデカいけど)。パトリック・ユーイングにシャキール・オニール、アロンゾ・モーニングらの顔がよぎるが、ここはディケンベ・ムトンボ・ンポロンド・ムカンバ・ジャン・ジャック・ワムトンボ(本名)を推したい。身の丈218センチ。最優秀守備選手賞を4度受賞のブロックマン。いくら華麗なドリブルでカットインしてインサイドに切れ込んでも、その努力をすべて無にする非情のブロックショットでメッシもお手上げよ。

■CB(右)
デビッド・ロビンソン
robinson

216センチの長身ににつかわしくない俊敏さと力強いポストワーク。2度の五輪金メダルと2度のNBA制覇。歴代センタープレーヤーの中でも1、2を争う実績を持つ、元海軍軍人。人呼んで「提督(ザ・アドミラル)」。一切の洒落を許してくれなそうな堅牢さ。それでいて仲間内にはきっと優しい頼れるビッグマン。年下でも敬語を使っちゃいそうだ。セットプレー時の攻め上がりは脅威以外の何物でもないだろう。
 

■左SB
クリス・マリン
marin

左サイドバックはこの左利きの名シューターで決まり。すげーいいクロス上げてくれそう。神様ジョーダンがいた時代ってのは特に、ジョーダンと近しいポジション(2番、3番/シューティングガード、スモールフォワード)に実力者がひしめいていて、このクリス・マリンもドリームチームの一員としてバルセロナ五輪で金メダルを獲っているのだけど、本家に比べれば影薄。「ジョーダンと違う時代に生まれていれば……」って死ぬまでに一度は言われてみたいセリフを浴びる漢なのである。

■右SB
レジー・ミラー
mira

左サイドがクリス・マリンなら右のロングレンジは3ポイントの鬼レジー・ミラーパイセンだ。ああもうこの4バック絶対強い。バスケにおいて勝負どころ(クラッチタイムって言います)で3ポイントシュートをパツっと入れるのはダンクに勝るとも劣らない花型プレー。レジー・ミラーがどんだけぶっ飛んでいたかっていうのは、このYoutubeでもご覧いただきたい。一度ノリだしたら止まらないミラータイム。「いけるのにあえて戻って打つ」は、当時のバスケ少年の中で最強のイケメンプレーだった(あの指サポーター、痛くもねぇのに買ったなあ……)。

■ボランチ
ジョン・ストックトン
sutokkuton

パスうまい人って、才能だと思うんですよね。なんてことないパス一つとっても、あ、こいつのパスなんか受けやすいなとか、走ったところにピタッときて背筋がゾワッとしたとか、バスケでもサッカーでもありますよね。たぶん他人のことをすごく思いやれる人なんだろうなと思って、中学時代チームで一番パスうまいやつに水筒の中のポカリを一口あげたら全部飲みやがったよ!そんな話はどうでもいい。ストックトンのパスはマジで神。パスの質で言えばピルロ。味わい深さで言えばデ・ラ・ペーニャ。ちょい長めのソックスっていうあえてのダサさがより職人感を引き立ててました。ボランチに置いたらめちゃめちゃゲーム作ってくれるはず。そして、ストックトンがここにいるということは、FWの一人は必然的に決まりなのだ。

■トップ下
ペニー・ハーダウェイ
MF_ha-dawei

201センチの長身なのにポイントガード(主にチビがやる)。「あいつ、デカいのにうまい」ってこれも死ぬまでに一度は言われてみたいセリフを余すところなく享受するオールラウンダー。加えてルックスもいいってんだからもう。ケガの影響でトップフォームでのプレーは長くできなかったのに、いまだにナイキのバッシュでシグニチャーモデルが出続けているのよ(ほしい)。ハメス・ロドリゲス? 待て待て。キミはペニー・ハーダウェイを知っているのかい?

■左MF
ダン・マーリー
MF_danma-ri-

いやー、この企画楽しいわ。Youtube観まくりで筆が進まん。中盤のサイドに誰を置くか。これがまた悩ましい。快足でサイドラインをぶっちぎってもいいし、ロングレンジを持っているヤツでもいい。あるいは中に切れ込んでゲームメークに参加するタイプも悪くない。Youtubeが止まらん。ここはあの時のオレに聞いてみよう。胸に手をあてて、出てきた名前はほら、ダン・マーリー。中二のぼくが一番好きだった選手。渋いだろ。愛犬の名前にもしたんだ。もうそれだけで十分。いやいやただの私情だと思うことなかれ。3ポイントはめちゃめちゃうまいし、ダンクも力強い。神様ジョーダン全盛だったシカゴ・ブルズとの伝説の92-93シーズンファイナルでは、神様とマッチアップして勝ってた。嘘じゃない。完全に勝ってた。アダ名は「サンダー・ダン」。背番号9はフェニックス・サンズの永久欠番であり、オレの一番好きな数字である。

■右MF
マーク・プライス
ma-kupuraisu

ここまできて気付いたことがある。オレは3ポイントシューターが好きだったんだ。クロスオーバーで相手に尻もちつかせちゃう(アンクル・ブレイクと言う)ティム・ハーダウェイとか、カットインバカのアイバーソンとか、かっちょいいドライブをする、ベストイレブンにふさわしい選手もたくさんいるが、どうしてもシューターを選んでしまう。たぶん自分にまったくないものだから。やかましい。というわけで、右サイドはマーク・プライス大先生だ。大人になったマーティー・マクフライみたいな明らかに育ち良さそうなルックスから繰り出される、まるでコンピューターのように精密なシュート。生涯通算3ポイント成功率40パー超えって、どれだけのことか分かりますか奥さん! シュート打った後に手首が外側に向くのを真似しまくってたら捻挫したよ!

■FW
カール・マローン
ka-rumaro-n

中盤にストックトンがいたら、FWにカール・マローン。この予定調和感、嫌いじゃない。どう考えても外すって選択肢はないのだ。モリシ入れてニシザワ入れないみたいな、それはないでしょう。そう、ストックトンとカール・マローンはユタ・ジャズにおいて完璧なコンビプレーを構築していたのです。ストックトンの鬼いぶし銀パスを受けたマローンが、ただひたすらゴールを決め続ける。ピックアンドロール(2対2でスクリーン使うやつね、わかんねぇか)とか絶対止められない。お約束で確実に爆笑を起こす、息のあった漫才を見ているかのよう。あんまり次々にゴールを決め続けるもんだから、愛称は「メイルマン」。ゴールへの郵便配達員だってよ。アメリカのそういうところ好きだぜ。

■FW
チャールズ・バークリー
ba-kure-

さあ最後だ。神様ジョーダンに挑んだ名脇役というテーマで、この漢を外すわけにいかない。もうお分かりですね? NBA史上最高のパワーフォワードにして、キャラ立ちまくりの愛されまくり。通算20,000得点、10,000リバウンド、4,000アシスト超の変態(これ達成したのNBA史上5人しかいない)。人呼んで「豚キムチ」、違う「空飛ぶ冷蔵庫」ことサー・チャールズだ! もうね、カリスマ。見るからにおぼつかないドリブルなのになぜか誰も止められない。パスが上手い顔じゃないのに、ローポストで相手を背負いながらコート上のすべてを把握しちゃってる。最強のパワーフォワードなのに身長もそれほど大きくない。ジョーダンと一緒に日本にも来てくれた。とんねるずとのフリースロー対決で流石なところを見せてくれた。感情が顔とプレーに表れる人情プレーヤー。サッカー界にいても絶対おもしろかっただろうなぁ。

いやー、いい時代だった。この11人絶対強い。とりあえずセットプレーはマジで最強だから覚悟しな!

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

RANKING今、読まれている記事

  • Daily

  • Weekly

  • Monthly

SOCCERKING VIDEO