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<インタビュー>コンパニ「日本代表は世界を驚かせるだけのポテンシャルは持っている」

2014.05.19

サッカーゲームキング Vol.024掲載]
ワールドクラスのDFであることは間違いない。28歳にしてプロ10年のキャリアを誇り、心身ともに充実した今、バンサン・コンパニは高い目標に挑んでいる。自身2度目のプレミアリーグ制覇を達成し、そしてワールドカップでの飛躍。頼れるキャプテンが、自信と意気込みを語る。

インタビュー・文=トーマス・ツェー
翻訳=阿部 浩 アレクサンダー
写真=ゲッティ イメージズ

ポテンシャルを出し切れば、W杯ベスト16も通過点

――ブラジル大会はベルギー代表にとって02年以来、久しぶりのW杯出場になるね。

コンパニ ベルギーは小さな国だけど、選手のクオリティーは驚くほど高い。前回の2010年大会の時だって素晴らしいチームだったと思うけど、あの時はチームが若すぎたし、あまりにも経験不足だった。そこに経験値が加わって、今回はすべてが順調に進んだ。W杯出場が決まった時は最高の気分だったよ。

――今のベルギー代表は“黄金世代”と呼ばれている。86年W杯で3位になった、かつての黄金時代の復活を夢見るファンも多い。

コンパニ 夢はあるさ。僕らだってブラジルに遊びに行くわけじゃない。だけど、成功したいなら2歩目じゃなくて、最初の1歩目に集中するべきだ。とにかく、グループリーグを突破することが最優先だよ。

――本大会ではアルジェリア、韓国、ロシアと同じグループHに入った。さほど難しいグループではないようだ。

コンパニ もし、チームの誰か一人でもそんな考えを持っていたら、僕らは早めに帰りの飛行機を予約しておくべきだろうね(笑)。ロシアは国際舞台の経験がベルギーよりずっと豊富だし、国内リーグも強い。アルジェリアについては情報が少ないせいで、どんな戦い方をしてくるか予想がつかない。僕のようなDFにとって、予測できない相手ほど厄介なものはないんだ。韓国はW杯の常連で、大会の戦い方を分かっているだろう。ベルギーは昨年末に日本と親善試合を戦って、2-3で敗れている。アジアのチームが苦手なんだよ。

――なるほど。ちなみに日本の印象はどうだった? 彼らはW杯でどこまで行けるだろうか。

コンパニ 日本は確実に成長している。02年大会を開催してから、国際的に通用するハイレベルな選手を常に送り出している印象がある。もちろん、スペインやブラジル、アルゼンチン、ドイツのような優勝候補とは言えないだろうけど、侮ってはいけない。世界を驚かせるだけのポテンシャルは持っていると思う。

――前回出場した02年大会では、ベルギーはベスト16でブラジルに0-2と敗れている。あの時はクジ運の悪さを恨んだ?

コンパニ そりゃそうさ。だけど、現監督のヴィルモッツがキャプテンを務めていた当時のチームは、今でも心に残っている。それから長年を掛けて、ベルギーはチームを強化してきた。ユース育成に力を注ぎ、ハイレベルなプレーヤーが出てきた。エデン・アザール、ロメル・ルカク、ケヴィン・デ・ブルイネといった若手がそうだ。僕らがポテンシャルを出し切れば、W杯ベスト16だって通過点にできるはずだ。

成功したいなら徹底的に自分の道を進め

成功したいなら徹底的に自分の道を進め

――子供時代に憧れていた選手は?

コンパニ 小さい頃だけど、ジョルジュ・グリュンとマルセル・デサイーが好きだった。2人ともフィジカルが強いのに、どこか優雅な雰囲気があったんだ。

――サッカー少年に何かアドバイスを送るなら、何と言う?

コンパニ 「自分を信じろ」かな。成功したいなら、徹底的に自分の道を進むべきだ。他のことに惑わされないで、夢を追い求めることが大切だと思う。

――ちなみに、これはゲーム雑誌のインタビューなんだけど、プレイステーションでサッカーゲームをプレイすることはある?

コンパニ もちろんさ! 17歳でプロになった頃は自由な時間があったから、かなりやり込んでいたよ。だけど今は家庭があるし、子供もいるし、僕自身も政治やビジネスを学んだりで忙しい。プレイステーションで遊ぶ時間はあまりないね。昔は得意だったよ(笑)。

――チームメートでサッカーゲームが強いのは?

コンパニ シティーではアグエロだね。誰に聞いてもそう言うはずだ。アイツはダントツさ。

――では、ゲームで理想のチームを作れるとして、控え5人を含むベストイレブンを教えてほしい。引退した選手を入れても構わないよ。

コンパニ オーケー。GKはベルギー伝説の名手ジャン・マリー・パフ。DFはさっき言ったグリュンとデサイーに、フランツ・ベッケンバウアー、ビセンテ・リザラズ。MFはベルギーの英雄エリック・ゲレツとエンツォ・シーフォのコンビに、ジネディーヌ・ジダンを加えよう。

――なかなか面白いチーム構成だね。となると、FWは3トップ?

コンパニ FWはペレ、ディエゴ・マラドーナ、リオネル・メッシ。これは間違いなく最強だろう。控え選手はファビアン・バルテズ、ヨハン・クライフ、クリスティアーノ・ロナウド、ゲルト・ミュラー。名選手ばかりになったね(笑)。それから、最後の1人は以前ベルギー代表を指揮していたファンデレイケン。僕が若い頃からベルギー代表として国際経験を積めたのは、彼のおかげだと思っているんだ。

コンパニが自身のWCCFカードについて語る

コンパニが自身のWCCFカードについて語る

[オフェンス/11]
まあ、僕はDFだしね。セットプレーからゴールを狙うのは好きだし、もっとシュートを決められるとも思っている。だけど、僕にとっては相手のゴールを防ぐほうが重要な任務だよ。

[ディフェンス/20]
満点? それはうれしいね! どこにも弱点がないってことじゃないか。満足だけど、個人的には自分のプレーをもっと改善できると思っているよ。課題がなくなったら成長も止まるんだ。

[テクニック/15]
これはボールスキルってこと? まずまずじゃないか。僕はDFにしてはボールをさばけるほうだと思うよ。最近はあまりやっていないけど、ボランチやサイドでプレーするのも好きだ。

[パワー/18]
いい数字だね。まあ、プレミアリーグでプレーするなら、パワーは不可欠だろう。

[スピード/13]
低い評価だな。僕は結構スピードもあると思うけど……それに「13」はちょっと不吉な数字じゃないか。少しポイントを上げてくれよ。とにかく「13」じゃない数字がいいね(笑)。

[スタミナ/16]
オーケー。まあまあの数字だし、いいだろう。

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トマス・ベルメーレン「”黄金世代”の中核となる堅牢な最終ラインの壁」

86年生まれのコンパニと、85年生まれのベルメーレン。同世代の2人はアンダー世代から長くベルギー代表の守備を支え、連携を成熟させてきた。08年の北京五輪では最終ラインの中央を2人で固め、ベルギー代表のベスト4入りに大きく貢献。ともにフィジカルバトルに強く、闘志を前面に押し出してボールを奪うファイタータイプだけに、両者がそろえば相手攻撃陣にとっては悪夢だろう。左足から繰り出される、精度の高いロングフィードも魅力だ。

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