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クラブ創設15周年にJ1昇格に挑む横浜FC開幕直前展望

2014.03.01

本日1日、2014シーズンのJリーグが開幕。ブラジルイヤーの日本サッカーがいよいよ幕を開けた。ヒュンメルがサポートするJリーグ所属のチームは、過去最多の4チーム。開幕直前展望として、各チームの今を聞いた。第二回は今年クラブ創設15周年の記念のシーズンを迎えるJ2の横浜FC。

電撃の監督就任

一昨年の2012シーズン、開幕4戦で2敗2分。横浜FCは窮地に立たされていた。その状況を打破すべく、監督として白羽の矢を立てられたのが2006年のJ2優勝メンバーでもあるOBの山口素弘氏だった。それまで監督の経験がなかった山口監督、就任当初は苦しみ、第9節でようやく初勝利を上げた。その後は山口監督の狙いとするサッカーが徐々に浸透し、チームは勢いに乗る。アウェー8連勝というJ2新記録も樹立し一時は最下位に沈んだチームを蘇らせ、そのままの勢いで最終的に4位となりプレーオフに進出。結果的にはプレーオフで敗れたが、指揮官・チーム共に大きな可能性を感じさせる1年となった。そして、周囲からの大きな期待を背負う中スタートした2013年シーズン。アウェーで挑んだ開幕戦に勝利するものの、その後6戦勝ち星なし。苦しいシーズン序盤となり、これが最後まで影響したのか成績は思うように伸びず、最終的に15勝14敗13分で11位と前年を上回ることはできなかった。

単純に弱かった

「結果的にはそんなにというのもありますけど、チームにとっても、自分にとっても、色々なことを考えさせられる良い一年だったかなと思います」。今年で3年目を迎える山口監督は静かに口を開き、昨シーズンを振り返った。チーム在籍4年目のMF・佐藤謙介選手は、「開幕序盤で勝てなかったことが、最終的に響いた部分も大きかったですね。プレーオフに出られなかったっていうのもありますし、最初のつまずきが2年間続いたっていうので、いかに開幕からのスタートが大事なのかを教えられました。開幕から5戦くらいを落とさないことが後々響いてくるのかなって思っています」と振り返る。一方、山口監督は、「勝てなかったのは、単純に弱かったから。弱かったから勝てなかった。プレーもそうだし、メンタル的にももっともっとタフにならなきゃいけない。今年は単純に強くなるというところで、キャンプでもハードにトレーニングを重ねてきた。選手たちに大きなケガもなくここまで来られたし、特にメンタル面も鍛えられたと思う」と昨シーズンの課題とここまで準備してきたことを語ってくれた。また、佐藤選手に今のチーム状態を聞くと、「今シーズンはいける気がしています。新しい選手がたくさん入ってきて課題は出てきていますが、ベテラン・若手関係なく、うまく話し合いができている。それがウチの一番の強みかなと思っています」とコメント。今年、新加入したMF・野村直輝選手もチームの雰囲気の良さを感じているようで、横浜FCの印象を聞くと、「選手、スタッフ含めて、チームの仲がすごく良い」とのこと。

「夢は逃げない」

1月の新体制発表会見後に開催されたファン向けイベントで書き初めを行った野村選手。そこには、「夢は逃げない」の力強い文字があった。その意味を聞くと、「僕みたいな誰も知らない選手が田舎からでもサッカー選手になれるっていうのを実現できて、実績とか肩書きがなくてもこういう世界に入れる、頑張ればサッカー選手になれるっていうのを伝えたくて書きました。まずは試合に出て点を取って、チームの勝利に貢献できるように頑張りたいと思います」と語ってくれた。また、「開幕とかまだ実感がないのでなんとも言えないですけど、純粋にプロでサッカーをしていく中で、大学の時からずっと楽しむことは意識してきたので、真面目にやりつつ硬くなりすぎないように色々な緊張感を楽しみたい」と、加入1ヶ月とは思えない、落ち着いたしっかりとした言葉でそう答えた。一方、佐藤選手は、「監督とやるのも3年目ですし、3年というくくりがサッカーにはあるので、J1昇格という結果をしっかり残すことと、個人的にも4年目なので得点・アシストっていう結果にもこだわりたいし、90分間を通して存在感を出していきたい」と今シーズンの目標を述べた。

三ツ沢を良い空間に

ルーキー、大ベテラン、そして、これからチームを担っていく選手達に支えられる山口監督。開幕にあたってのキーポイントを聞くと、「開幕ダッシュをしたいっていうのはありますけど、どのチームもそうだろうし、気負わずいきたいですね。目指すところは昨年とあまり変わらないと思います」と語った。不言実行型を自称する山口監督。決して口数は多くないが、その言葉にはこれまでの調整がうまくいっている自信が伺える。加えて、「我々選手、スタッフもそうだし、見に来ていただくサポーターの方たちも含めて、三ツ沢っていう場所をもっともっと良い空間にしたいっていうのを今年最初の新体制発表会見で伝えました。我々はアツいプレーを見せて勝つ、サポーターの方たちには良い雰囲気を作ってもらう、それが一体感っていうものだと思います。それを狙っていきたいですね。」
選手、そして監督として、その多くを三ツ沢で過ごし、人一倍三ツ沢に対しての思い入れが強い山口監督ならではの言葉だろう。

クラブ創設15周年を迎えた横浜FC。J1昇格への強い決心を表す造語「蹴心(けっしん)」をスローガンに掲げ、3月2日の開幕戦に挑む。

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