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2014.02.18

酒井高徳が語るブラジルW杯「日本の印象を大きく覆せるチャンス」

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インタビュー・文 = 中野亮介
写真 = 今井卓

まずは代表メンバーに選ばれることが第一
──ブラジル・ワールドカップのグループステージの組み合わせが決定しました。日本はグループCでコロンビア、ギリシャ、コートジボワールと同組ですが、率直な感想を教えてください。

酒井 難しいグループなのかなと思いましたね。コロンビアやコートジボワールも力のあるチームですし、ギリシャは欧州選手権の優勝経験があって、プレーオフで《負けたら終わり》というところをしっかりとかいくぐってきたチームですから。みんなが言うほど楽なグループだとは思っていないです。

──コートジボワールにはシュトゥットガルトで一緒にプレーしているアルトゥール・ボカ選手がいます。決まった後、何かお話はされましたか?

酒井 彼は前回の南アフリカW杯直前の親善試合で日本と対戦した時にも出場していて、その時の印象が強かったみたいです。「日本戦は楽勝だよ。日本なんか倒せるよ」みたいなことを言われました(笑)。「まあ見てれば」とは言っておきました。特に対抗はしなかったですけど、昨年11月の欧州遠征でベルギーに勝っても(3─ 2で逆転勝利)、やっぱり他の国から見たら日本のレベルってまだそこなのかなって感じました。でも、代表のみんなも口を合わせて言っているように、ブラジルW杯は日本の印象を大きく覆せるチャンスなのかなとは思っています。

──「日本の印象を覆す」という意味で、どこまで勝ち進みたいか目標はありますか?

酒井 僕自身は日本代表に選ばれることが一番なので、まずはそこに集中したいです。

──W杯のメンバーに入るために、あと半年でやっていきたいことはどういうことですか?

酒井 自分がこれまでの試合で素直に感じたこと、ヨーロッパや世界各国のリーグの選手たちを見ていて思うところが、今の自分と一流選手との差だと思っています。そういった点をしっかり課題にして、お手本としたい部分を自分の中にしっかりと吸収することで、少しずつスキルアップしていくことしかできないと思いますね。ただ、それが急に大きなものになるかというと、そうではないところもあるので、今できることを常に考えながらやっていくことが大事かなと思います。

代表チーム内に生まれた競争意識と危機感
──昨年11月の欧州遠征ではメンバーも大きく変わったりと、日本代表の雰囲気は10月までとはまた少し違ってきているように見えます。チームの状況をどう感じていますか?

酒井 本当にそのとおりで、選手はどんどん入れ替わってくると思います。出場機会の少ない選手たちが、どんどん下からレギュラーの選手たちを脅かしていく存在になった時に、はじめて日本の層は厚くなると思いますし、そうやってチームは進化していくと思います。そういう意味でも自分がいつでも代表メンバーでいられると思ったことはないですし、常に危機感を持ってやっています。

──メンバーに選ばれるために自分が勝負していきたい部分、ストロングポイントを教えてください。

酒井 やっぱり攻撃が好きなので、攻撃のところでどんどんチャレンジしていきたいと思っています。ドイツでも攻撃面をすごく意識しているところがあって、もっとチャレンジしていかなくては、と思っているところです。攻撃面を残りの期間でしっかり自分のプレーとして確立できるように意識してやっていきたいと思いますね。

──今シーズンを通して、自分の中でベースアップできたところはありますか?

酒井 それは難しいところで、そんなに簡単にできることではないなと感じます。攻撃が好きでも、自分がディフェンスの選手であることも常に頭に置いてやらなくてはいけないことも改めて感じました。DFとして失点に絡んでしまうのは絶対に避けたいですし、自分の中で攻撃か守備かで優先順位を付けることも好きではないので、どちらもしっかりとやっていきたいですね。

──今の日本代表について、ご自身で感じる長所と短所をそれぞれ挙げてもらえますか?

酒井 長所は攻撃陣だと思います。テクニックのある選手や想像性、決定力のある選手がいて、攻撃に関してはしっかりと世界と対等に戦える選手がそろっていると思います。ただ、ヨーロッパ遠征に2回帯同させてもらった立場から言わせてもらうと、球際の部分でハードにくるスタイルのチームが相手だと少し苦労していると感じました。ボールを回して攻めてくるチームよりは、カウンターやフィジカルを前面に出してくるチームのほうが日本は苦手ですね。

──ギリシャもそういう色の濃いチームですよね。

酒井 そうですね。恐らくグループCは3チームともそうだと思います。だからより簡単なグループではないなと。逆にボールを回すようなチームのほうが対等にやれると感じています。欧州遠征で対戦したオランダやベルギーも、基本的にはカウンターのチームでしたが、意識的にボールを回そうというところがありましたから。

──苦手なスタイルのチームに対しても自分たちが主導権を持ちたいですね。

酒井 理想はそうだと思います。でも、サッカーは相手ありきなので、当然うまくいかないところも出てくる。そこでいかに我慢しながら自分たちのプレーを貫き通すかが大事だと思います。攻撃陣にはそれを凌ぐ想像性やテクニックがある選手が多いので、そこは躍進するための一つのカギになると思います。

ビッグクラブでプレーするという目標に向かって
──W杯はステップアップのチャンスの場でもあると思います。シュトゥットガルトから更に上のクラブへ行く、そういう気持ちはありますか?

酒井 もちろんあります。世界中が注目している大会で、世界の一流選手が集まる舞台ですからね。現に(長友)佑都君は前回大会での活躍が認められてあそこまで行っているわけですから。そういう選手がたくさん出てきてもおかしくない大会です。個人的にも、今大会の経験で自分がステップアップすることをすごく楽しみにしています。

──ブラジルの先を見据えた上で、酒井選手が叶えたい夢は何でしょうか。どんな野望を持っていますか?

酒井 香川(真司)君だったり佑都君だったり、(本田)圭佑君もそうですが、ビッグクラブでプレーしている選手が身近にいることは自分にとって大きなモチベーションになっています。ビッグクラブで試合に出て、チャンピオンズリーグなどのビッグトーナメントに出場する、というのはすごく憧れます。今の夢は、そういうクラブでプレーすること。身近な選手たちが叶えているからこそ、強く思っています。

── 11月の欧州遠征ではトップクラブでプレーする選手たちとも対戦しました。個人として得た収穫はどんな部分にありますか?

酒井 オランダと対戦した時は(アルイェン)ロッベンもいましたが、相手チームの状態がそんなに良いわけではないのかなと思いながらプレーしました。自分の特長や自分のプレーが通用すると感じたところもありましたし、少なくとも自信は付いたと感じています。一方で、ベルギー戦の失点など、試合全体をとおしてというより細かいシーンでの課題はすごく感じたところです。課題を持って帰れたことが収穫かなと思います。「まだまだなんだぞ」というのを改めて痛感させられましたから。

──アルベルト・ザッケローニ監督は攻守のバランスをとても重視する監督でもあります。攻撃から守備、守備から攻撃への切り替えは、ご自身の中でどんな意識を持って行っていますか?

酒井 現代サッカーは攻守のバランスがないとダメだと思います。後ろの選手だけでなく前線の選手もそうだし、攻守の切り替えの部分は、少し前の時代のサッカーから大きく変わったところだと思います。強いチームほどその切り替えが早いと感じるし、攻守の切り替えの早さは現代のサッカーにおいてとても重要なところだと思っていて、そこはすごく意識してプレーしています。

──同じポジションを争っているのは長友選手ですが、長友選手は酒井選手にとってどんな存在ですか?

酒井 自分としてはライバルというか、ポジションに割って入りたいと思っています。もちろん、そのために自分に何が足りないのかも分かっています。佑都君には佑都君にしかできないプレーがあって、でもそうじゃないところはすべて学びたいと思っていますし、佑都君をお手本にしているところはありますね。先生みたいなものですね。僕が勝手に思っているだけですけど(笑)。

──本田選手もミランに加入して、ミラノタービーでの日本人対決も楽しみですね。

酒井 そうですね。個人的には佑都君が圭佑君からボールを奪うところを見てみたいですけど(笑)。やっぱり自分はディフェンスの選手なのかなっていうのはそういう時に思いますね。オフェンスよりそっちのほうを応援してしまうというか。もちろん、2人とも活躍してほしいですよ。圭佑君が点を取ったりアシストして、「やっぱ違うなあ」って思うのもいいですし、佑都君にはそれを防いで、ダービーで圭佑君が全然ダメだった、みたいな展開も見てみたいです(笑)。これを圭佑君が見たら怒りそうですけど(笑)。ただ、そこで日本人が2人出るということは、同じ日本人として誇りなので、どっちにも良い結果が出てほしいですね。

新しい武器とともに
──最後に、新しいモデルのスパイクF50についても聞かせてください。サンバの国ブラジルで開かれるW杯も見据え、かなりヴィヴィッドなカラーリングですが、印象としてはいかがでしょうか?

酒井 青は代表カラーということで、非常になじみやすいスパイクかなと思います。ユニフォームをとおして上から下まで青というのは、僕自身良いフィーリングを持っています。でも、一番はこのスパイクのフィット感ですね。本当に気に入っています。

──F50はスピードを追求したモデルで、酒井選手もスピードが大きな武器かと思いますが、自身のストロングポイントを発揮する上で、このスパイクはどのような後押しとなっていますか?

酒井 これはスピードの出やすいスパイクだと思います。軽さもそうですし、しっかり足の動きをサポートしてくれます。サイドを駆け上がる時だったり、あるいは守備で対応する時にスピードは重要になるので、そういう意味でも非常に役立っています。

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