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三田アナと前田さんのここだけの話「攻撃に厚みが期待できる4-3-3の新布陣」

2014.02.17

<2月11日>
三田:今日(11日)は前田さんと小平グランドへ取材に来ています。チームは香港で行われたAETカップを終えて帰国しました。AETカップではオルハネンセ(ポルトガル)、クリリヤ・ソヴェトフ(ロシア)と対戦し、いずれも勝利することはできませんでしたが、いろいろと収穫はあったようですね。

前田:AETカップに出たのは結果が目的というわけではなく、今年最初の実戦ということで、監督が選手たちのパフォーマンスを確かめる機会になったよね。チームとしては、沖縄キャンプから短期間で、今季目指すサッカーがどの程度浸透して、今の課題は何なのかを見極めるゲームだったと思う。

 クリリヤとの3位決定戦の映像を見た印象としては、守備の意識が高くなっているよね。相手ボールに対して、しっかりファーストディフェンダーがチェイシングにいって、前後の出入りがすごく激しかった。その中で、特に米本が高い位置で守備力を発揮する場面があって、魅力的だったね。

 高い位置でボールを奪うことは攻撃に直結するし、面白い。そういう狙いもあって4-3-3のシステムを採用しているのが、今季の新しいところだね。攻撃においては、両サイドが高い位置を取って、サイドから何とか形をつくろうという意識が感じられた。

三田:そうですね。いずれの試合も4-3-3のシステムを採用していました。この形は既に定着しつつあるようですね。

前田:システムは決まってきていて、各ポジションがどういう役割かも具体的になってきているよね。相手のカウンターに備えて、アンカーとセンターバック(CB)の2人はしっかり真ん中に残っている。攻撃に移ったときは、それ以外の選手がかなり絡んでいるイメージだね。

 米本は高い位置にしているだけに、守備力が発揮できればそこからチャンスが生まれる可能性も非常に感じられる。ただ厳しいことを言えば、チームとして守備になったときに、チェイシングにいってはいるんだけど、ボールを取れるのに見てしまっている場面もあった。もっとファーストディフェンダーが激しく奪いにいかないと、細かくポゼッションしてくるチームに対応できないよね。

三田:なるほど。その辺りは今後の課題でしょうか。今日の練習では、攻撃の確認が中心でしたね。

前田:そうだね。1タッチ、2タッチでボールをつなぎ、3人目、4人目が連動する攻撃を念入りにやっていた。縦パスが攻撃のスイッチになり、最後の突破のところで周りの選手が2、3人絡んでくるような形で、監督が非常に細かく指示をしていたよね。

 今日の練習は相手DF役がいない状態だから、実戦でこの通りにできるとは限らないけど、サイドに振って、そこからクロスを入れて、しかも中に2、3人が詰めるという、かなり厚みのある攻撃を意識したトレーニングをしていたよね。

 これはそんなに特別なことではないんだけど、ポポビッチ前監督はあまりそういう点で細かい指示はしていなかったから、かなり期待は持てる感じがする。特に攻撃においては面白くなりそうだね。

三田:それが得点につながることを期待したいですね。AETカップではなかなかゴールを決めきれませんでしたが、まだまだこれからですよね。

前田:守備の意識が高くなっているのもあるけど、ボールを奪ってからの攻撃がちょっと遅いよね。後ろからの飛び出しも遅れ気味な印象だった。どうしても去年までのボールを失わないようにという意識が強くて、止めて出すというイメージがまだ残っているから、ダイナミックなチャレンジが少ないんじゃないかな。

 そういうことを踏まえて、今日のトレーニングではフィニッシュのところの1タッチでの突破、3、4人目の連動を意識していたんだと思う。

三田:ただ、練習の中でもなかなかシュートが決まっていませんでしたね。そこは監督からも厳しい声が飛んでいました。

前田:フリーでのパターン練習で、相手DFがいるわけじゃないんだから、確実に決めてほしいよね。トレーニングからそういう癖をつけることは大事。シュートだけでなくサイドからのクロスも精度を高めないと。その辺はこれからもっとクオリティを上げていってほしいね。

三田:気になるのは今後の選手起用ですが、ある程度ベースとなるメンバーは見えてきたものの、新加入や若手選手のアピールも期待したいところですよね。

前田:練習を見ていると、右サイドバック(SB)の松田なんかも面白いね。河野も相変わらずこの時期は調子がいい。去年も出だしは絶好調だったけど、開幕してからだんだんチャンスを得られなくなってしまったから、今年こそはレギュラーに定着してほしいね。

 三田も今年は一回り成長したのを感じるし、チームにすごくなじんできている。まだ開幕のメンバーがはっきり決まったわけではないから、選手たちもまだまだ自分にもチャンスがあるという気持ちだろうね。

 ただ、新しい監督になって、どういう評価をされるか分からない部分も多いだけに、まずは監督に言われたことを確実にやらなくてはという感じもあると思う。思い切ったアピールは、ある程度の評価を得てからというところもあるだろうね。

 明日(12日)からは都城での2次キャンプが始まり、そこではある程度メンバーが固まってくる段階になる。選手たちの競争もかなり本格的になって、ピリピリしたムードになってくるだろうね。

三田:新外国人の2人はどんな印象ですか。

前田:FWのエドゥーはまだ体も絞り切れていないし、コンディションもこれから上げていくところだろうね。今のところ、強引なプレーとか、絶対的なストライカーという感じはまだ見えてこない。CBのマテウスは、クロスへの対応も非常に高さがあるし、守備での落ち着いた対応は見られるね。

 ただ実際にJリーグのチームと試合をしたときに、相手のストライカーがスピードのあるタイプで、スペースに入ってきたときに対応できるのかといったところは、やってみないと分からない。そういう細かいところが、実際に森重とコンビを組んだときにどうなのか、連係の面でもまだまだこれからだよね。

前田治(まえだ・おさむ) 昭和40(1965)年9月5日、福岡市出身。現役時代は横浜フリューゲルスのエースFWとして活躍し、Jリーグ通算103試合29得点、日本代表では40試合12得点の成績を残した。引退後はクラブチームのジュニアユースで監督を務める傍ら、各地のサッカー教室にも出向いて指導力、育成能力に磨きをかける。2004年から東京中日スポーツの評論記事「東京論」を執筆中。
三田涼子(みたりょうこ) 昭和53(1978)年6月20日 千葉県柏市出身。元TOKYO MXテレビアナウンサー。2003年から8年間にわたり、応援番組「FC東京ホットライン」のキャスターやJリーグ中継ピッチリポーターを務め、その後もFC東京の取材を継続中。現在はフリーアナウンサーとして、JFN(ジャパンエフエムネットワーク)及びTOKYOFMでニュースなどを担当。趣味はフットサル。

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