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三田アナと前田さんのここだけの話「交代選手の持ち味が出た劇的な逆転勝利!」

2013.12.30

365日FC東京モバイル

<12月24日>
三田:22日にユアテックスタジアム仙台で行われた天皇杯準々決勝は、東京が2-1で仙台に逆転勝利。本当に劇的な展開となりましたね。

前田:こんなに劇的な勝利があるのかというくらい、すごいゲームだったね。仙台からしてみれば、ほぼ勝利を手中に収めていただけに、本当に悔しい結果だと思う。この試合はリーグ最終節と同じカードだったけど、相手はメンバーもちょっと変わっていたし、本来の仙台のサッカーがとてもよく出ていた。

 仙台が早々に先制して、後半途中まではいつ2点目を入れてもおかしくないという場面が何度もあったよね。仙台はブロックをつくる守備からカウンターで攻めるというお家芸がしっかりできていて、東京はそれにやられてしまったという感じ。先に1点を取ればますます仙台のやり方が生きてしまうから、先制点の後の波状攻撃もすごくて、東京はなかなか点を取り返すことができなかった。

三田:両チームにとって、ここで負ければシーズン終了という試合。どちらも監督の今季限りでの退任が決まっていて、東京はルーカス選手や平松選手の負傷離脱もあっただけに、両サポーターや選手の気持ちが高まった、緊迫感ある試合となりましたね。

前田:どちらもこのメンバーで戦えるのは天皇杯が最後だし、試合前からスタジアムの雰囲気がすごかったよね。東京サポーターはいつもこの時期の天皇杯はクリスマス気分で楽しもうというのもあるから、サンタ帽をかぶって盛り上げていたね。

三田:そんな中、東京は立ち上がりに先制点を奪われて、出ばなをくじかれる展開となってしまいました。

前田:早い時間帯だったし、その後すぐに追い付くチャンスもなかったわけじゃないけど、明らかに仙台の方が、2点目を取れそうなビッグチャンスがあったよね。ゴール前で1対1になる場面もあったけど、何とか追加点は許さなかった。

 そこで2点目を取られていたらかなり厳しかったけど、塩田がしっかりと防いでくれたよね。塩田の相変わらずの好セーブで2点目を与えなかったことが、逆転勝利につながった。

 でも試合を通して見ると、基本的には戦う姿勢でも仙台の方が上回っていたと思う。球際での競り合いとか、そういうところに差が出ていた。でも東京はそれがいつものパターンでもあって、スロースターターというか、前半は1失点くらいで抑えればというのもあったのかもしれないね。

三田:負ければここで終わりという試合ですからちょっと心配にはなりましたが、ペース配分も考えていたようですね。それに、相手はホームスタジアムということで最初から勢いに乗りやすかったというのもありそうです。

前田:そうだね。相手は慣れ親しんだスタジアムだし、東京にリーグ戦で負けていたのもあって、戦い方を徹底的に研究していたのもあると思う。仙台がブロックをつくって守備をしてくるから、東京はミスをしてボールを奪われるのを怖がっていた。

 相手のDFラインとボランチの間のところに全然ボールを入れられないし、受けようとする選手もいなかった。サイドも効果的に使えず、たまにサイドから攻撃しても、中の選手が全然それを感じていなかった。精度の問題もあるし、引き出すタイミングも全く合わなかったよね。一方の仙台は、ことごとく外からのクロスをチャンスにつなげていた。そこの差はかなり大きかったね。

三田:確かに、特に前半は東京がなかなかチャンスをつくれませんでしたね。でも、ポポさんは相手が後半になると運動量が落ちてくることはリーグ最終節で分かっていたので、後半、選手交代で勝負をかけようという狙いがあったようです。

前田:うん。相手は前半から激しいプレッシャーをかけ続けていただけに、後半20分くらいなると運動量が落ちてきた。そこからは結構東京ペースになりつつあったけど、なかなか攻め切れなかった。

 選手交代で何とかしようというのはあったと思うけど、一発勝負なだけに、展開的にあのまま逃げ切られてもおかしくなかった。交代はもっと早くてもよかったくらいだよね。リーグ戦とあまり変わらないくらい、ポポさんは相変わらず慎重だった。

三田:石川選手は後半7分と早めに投入しましたが、その後は21分に平山選手、そして40分に林選手を入れました。

前田:途中から出た3人は、それぞれが自分の役割をきちんと果たしていたよね。ナオ(石川)は裏への飛び出しとかスピードのあるドリブルで、相手が疲れてきたところでかく乱する働きをしていたし、平山も競り合いの場面で高さを生かしてことごとく勝っていた。

 そういうところから東京も徐々にリズムが出てきて、ペースが仙台から東京に移ってきた。直接チャンスにつながらなくても、一つ一つの場面で競り勝つことによって、主導権を握り、流れを自分たちに引き寄せることができるんだよね。

 最後に投入された林も、とにかくボールに絡もうとする姿勢が出ていて、味方の選手とかぶってしまう場面もあったけど、その姿勢が相手のファウルにもつながったと思う。それであのFKを獲得することができた。交代で出た3人がそれぞれ持ち味を発揮したということだよね。

三田:そして、そのFKを太田選手がゴール右隅に直接決めました。本当に見事でしたね。

前田:太田のFKは今季の東京の新しい武器になっていて、まさにそれが発揮された場面だった。ここで負けたら終わりという試合で、本当にラストチャンスというプレッシャーの中で決められるのは本物だね。そのくらい精度と決定力があって、FKがしっかりと自分のものになっているんだと思う。

三田:重要な場面でFKを決められるというのは、チームにとって本当に大きな武器ですね。これで試合は延長戦に突入しましたが、東京は土壇場で追い付いただけに、勢いを持って延長戦に臨むことができましたよね。

前田治(まえだ・おさむ) 昭和40(1965)年9月5日、福岡市出身。現役時代は横浜フリューゲルスのエースFWとして活躍し、Jリーグ通算103試合29得点、日本代表では40試合12得点の成績を残した。引退後はクラブチームのジュニアユースで監督を務める傍ら、各地のサッカー教室にも出向いて指導力、育成能力に磨きをかける。2004年から東京中日スポーツの評論記事「東京論」を執筆中。
三田涼子(みたりょうこ) 昭和53(1978)年6月20日 千葉県柏市出身。元TOKYO MXテレビアナウンサー。2003年から8年間にわたり、応援番組「FC東京ホットライン」のキャスターやJリーグ中継ピッチリポーターを務め、その後もFC東京の取材を継続中。現在はフリーアナウンサーとして、JFN(ジャパンエフエムネットワーク)及びTOKYOFMでニュースなどを担当。趣味はフットサル。

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