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三田アナと前田さんのここだけの話「最終節勝利も8位で終了。課題の残るリーグ戦」

2013.12.17

365日FC東京モバイル

<12月10日>
三田:ホームの味の素スタジアムで迎えたリーグ最終節は、仙台に2-0で勝利。いい形でリーグ戦を締めくくることができましたね。

前田:前半は東京がボールを動かそうとするのに対し、仙台はしっかりブロックをつくってボールを奪うという形で、内容的には仙台ペースだった。この日の東京は、GKは権田に代えて塩田、DFは張が出場停止とあって加賀を先発で起用し、今季限りでの退団が発表されたネマもスタメン入りした。

 結構メンバーを入れ替えたことで、前半は少しバランスが悪くなったのもあるかもしれない。逆に仙台は、長いボールを前線に入れて、柳沢とウィルソンのところに収めて周りがフォローするという攻撃の形ができていた。それに対して東京のプレッシャーが甘くなっていたよね。

三田:仙台に決定的なシュートを打たれる場面もありましたが、塩田選手の落ち着いたセーブでピンチを免れましたね。

前田:そうだね。かなりチャンスはつくられたけど、最後のところでは、塩田の好セーブで何とか失点を防いだ。結果的にはそこで踏ん張れたことが後半の2得点につながったと思う。

三田:それにしても、最終節にしてGKを入れ替えるというのはなかなか思い切った決断ですよね。塩田選手は今季、カップ戦には出場してチームに貢献していますが、リーグ戦では初先発でした。

前田:ポポさん自身も、権田と塩田に力の差はほとんどないにもかかわらず、塩田にリーグ戦で出番がないのはおかしいとコメントしていたけど、まさにその通りなんだよね。柏戦では権田のキックミスもあったし、ここでちょっとチームの流れを変えたいというのもあったのかもしれない。

 また、これが最終節で、ポポさんが指揮を執る最後のリーグ戦だった。ネマのスタメン起用もそうだけど、ポポさんは外国人監督でありながら、意外とそういう日本的な情のようなものがあるのかもしれないね。

 ただ、さっきも言ったように、メンバーを入れ替えたことで、守備の面ではうまく機能しない部分もあった。高橋もこの試合はボランチでスタメン出場したけど、なかなか中盤でボールを奪えなかったよね。前半に関しては、やはり塩田の活躍が大きかったと思う。

三田:塩田選手、とにかくチームの勝利だけを考えてプレーしたと試合後に話していました。いつもながら安定感は抜群でしたね。

前田:塩田は天皇杯でもそうだけど、久しぶりに試合に出てもあれだけのパフォーマンスを出せるというのは、日ごろの努力の成果だと思うし、これまで経験を積んできているからこそ、メンタル面でも自分自身をコントロールして、常にベストなコンディションを維持して高いパフォーマンスを出せるんだろうね。

三田:前半は0-0で折り返しましたが、後半は次第に東京がチャンスをつくり始めましたね。

前田:後半に入ってから仙台の運動量が明らかに落ちてきて、前半のように中盤でブロックをつくり、プレスを掛けてボールを奪いにくる守備もだんだん緩くなってきた。そこから東京がペースをつかみ出したよね。

三田:そして後半8分、ついにルーカス選手が先制ゴールを決めてくれましたね。

前田:一瞬の隙に、アーリアからのクロスをダイレクトで合わせたのはさすがだったね。ルーカスは味スタでの最後のリーグ戦で、何とか自分自身でゴールを決めようと、再三チャンスを狙っていたよね。

 本人のそうした意欲と、周りの選手もそれを意識していたのもあって、それまでもかなりチャンスがあった。クロスに対してダイレクトでインサイドボレーのシュートを打てたのも、常に狙っていたからだよね。

三田:その後も東京は選手交代などで追加点を狙っていきましたね。

前田:東京は1点リードしたことによって主導権を握り、カウンターで追加点を狙う感じになった。でも、仙台も手倉森監督が最後というのもあったし、最後まで戦う姿勢を見せていたよね。本当に監督と選手たちの信頼関係もすごくできている、いいチームだなと思ったね。

三田:確かに、1点差ということもあり、まだどうなるか分からない状況でもありました。でも、試合終盤、途中出場した平山選手が2点目を決めてくれましたね。

前田:後半アディショナルタイムだったけど、平山の得意な形からの得点で、本当に良かったね。平山はこれまでも途中出場で結果を出していたけど、それでも先発で使われることがなかった。今回も本当に短い時間だったけど、しっかり結果を出してくれたね。

三田:結果的には2-0と、ホームでの最終戦を完封勝利で飾ることができました。試合後にはセレモニーがあり、まず、ポポ監督からあいさつがありましたね。

前田:ポポさんもいろんな思いがあると思うんだけど、2年目のシーズンを8位という成績で終えたのは、ちょっと残念だったね。就任1年目はなかなか難しいと思うんだけど、クラブはこの2年間で選手補強もして、それなりのメンバーをそろえて、優勝争いができるチームを目指してきた。

 東京は他のチームと比べて、サブの選手も豪華な顔ぶれがそろっているし、そこをうまく使いこなせなかったということになるよね。ある程度の結果は出すことができたけど、そこからさらに上、優勝争いをするためにはあと一歩の力が足りなかった。

前田治(まえだ・おさむ) 昭和40(1965)年9月5日、福岡市出身。現役時代は横浜フリューゲルスのエースFWとして活躍し、Jリーグ通算103試合29得点、日本代表では40試合12得点の成績を残した。引退後はクラブチームのジュニアユースで監督を務める傍ら、各地のサッカー教室にも出向いて指導力、育成能力に磨きをかける。2004年から東京中日スポーツの評論記事「東京論」を執筆中。
三田涼子(みたりょうこ) 昭和53(1978)年6月20日 千葉県柏市出身。元TOKYO MXテレビアナウンサー。2003年から8年間にわたり、応援番組「FC東京ホットライン」のキャスターやJリーグ中継ピッチリポーターを務め、その後もFC東京の取材を継続中。現在はフリーアナウンサーとして、JFN(ジャパンエフエムネットワーク)及びTOKYOFMでニュースなどを担当。趣味はフットサル。

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