写真●The FA via Getty Images
ワールドカップ予選を無敗で乗り切り、5大会連続14回目の本大会出場権を獲得したイングランド。ここからは本番に向けた戦力の選定と戦術の確立が必要となり、そのための親善試合として同じく本大会出場を決めているチリ、ドイツと対戦することとなった。W杯本大会でも激突する可能性があるだけに、この上ないマッチメークと言える。
大エースのルーニー(マンチェスター・ユナイテッド)を筆頭に、ジェラード(リヴァプール)、ランパード(チェルシー)らキャップ数が100を超えるベテランが軒並みメンバー入りし、一方ではサウサンプトンで好パフォーマンスを見せるロドリゲスが初招集され、ジョーンズ(マンチェスター・U)やタウンゼント(トッテナム)、バークリー(エヴァートン)といったキャップ数1桁の若手が名を連ねるなど、フレッシュな顔触れも目立つ。彼らがW杯に出場する強豪国に対してどのようなプレーを見せるかは、本大会に向けた重要な試金石となるだろう。
チリはハイプレスと素早いパス回しを武器に超攻撃的なサッカーを展開するチームで、イングランド戦の後にブラジルとの親善試合が控えていることもあり、A・サンチェス(バルセロナ)やビダル(ユヴェントス)など本気度の高いメンバーを揃えている。 一方のドイツはクローゼ(ラツィオ)が右肩の脱臼で離脱することとなり、前線に不安を抱えているとは言え、エジル(アーセナル)やミュラー、ゲッツェ(ともにバイエルン)ら、中盤のタレント力はイングランドをしのぐほど。ポゼッションサッカーを得意とする両チームの攻撃を、守備に重きを置くイングランドがどのように受け止め、反撃に転じるか。
この2試合はFA(イングランドサッカー協会)創設150周年記念行事の一環として、いずれも“聖地”ウェンブリーで開催される。ホームゲームで攻め込まれ、失点を重ねるという無様な試合を見せるようだと監督の進退問題にも発展しかねないだけに、本大会さながらの真剣勝負を演じる必要がある。