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三田アナと前田さんのここだけの話「2度の劣勢も粘り強さを見せた多摩川クラシコ」/365日FC東京モバイル

2013.08.21

365日FC東京モバイル

<8月13日>
三田:10日は川崎フロンターレとの対戦、「多摩川クラシコ」でした。結果は2-2の引き分けでしたが、クラシコらしい見ごたえあるゲームでしたね。

前田:いいゲームだったね。でも特に面白かったのは、どちらかというと川崎の攻撃だった。相手の攻撃に勢いがあるから、東京がそれを阻止しようとして、その攻防は見ごたえがあった。攻撃の川崎、守りの東京という感じだったけど、2度リードされてよく追い付いたよね。

 東京の1点目の千真(渡辺)のゴールは、ヨネ(米本)のクロスに抜け出てうまくチャンスをものにしたね。もちろん太田のFKも素晴らしかったし、なかなか崩せない、点が取れないというところでの得点は評価できると思う。

三田:川崎に先行される形にはなってしまいましたが、東京も粘り強さを見せましたよね。

前田:そうだね。とにかく川崎の攻撃が見事だった。3トップは両サイドの外国人と真ん中の大久保で迫力があるし、それに加えて中盤には中村憲剛もいる。それだけで何かを起こせるチームだよね。レナトは途中交代したけど、東京としてはこれですごく助かったんじゃないかな。

三田:確かに川崎の攻撃陣は強烈でしたね。

前田:東京のDF陣が珍しく消極的に下がってしまった感があったよね。川崎は本当にしっかりボールをつないでいるし、それに加えて最後は個の力で突破してくる。その組み合わせを、状況に応じてうまく使い分けているのかなという感じだった。1点目も見事で、東京は人数がいるのに簡単にワンツーでやられてしまったよね。大久保の個の力、状況判断が素晴らしかった。

三田:そんな中でも、東京も一時は追い上げムードになりましたよね。

前田:2回も追い付いたから、川崎としてはすごく嫌なムードになったはずだよね。ただ東京も選手交代などを含めて、あそこでひっくり返すほどの勢いはいまひとつ足りなかった。さらに3点目という雰囲気にはならなかったよね。

 ちょっとおかしいなと思ったのは、ヨネがけがをしてピッチの外に出たときに、高橋を下げてアーリアをボランチにしたけど、ヨネが戻っても高橋を下げたまま3バックにしていた。相手は3トップのピニェイロと大久保とレナトがいるから、なかなか両サイドの太田と徳永が出ていけず、5バックみたいになってしまった。

 ラインが下がって押し込まれるシーンが増えて、リズムを壊してしまったよね。でも、その後はすぐに4バックに戻す指示を出していた。後半には三田やネマ、平山を投入して反撃したけど、あの暑さもあって引き分けでよしというムードも少しあったかな。でも、2度リードされてよく追い付いた、よく勝ち点1を取れたというゲームでもあったね。

三田:やはり川崎の好調ぶりがうかがえましたね。前回の対戦とは見違えていました。

前田:大久保の好調さもあるし、両サイドのレナトとピニェイロもスピードとテクニックがあるからね。彼らがフィットしてきたことが大きいんじゃないかな。3トップがすごいから、後ろはしっかり守っていればいいという感じだよね。

 両サイドバックとかもあまり上がらないし、前の3人と憲剛がいれば、十分チャンスをつくれちゃう。それにしても、徳永がレナトを後ろからマークして、レナトが徳永を背負った状態でぶっちぎってしまう場面があったのは驚いた。

 徳永でも、自分が前を向いた状態で相手に抜かれてしまうなんてことがあるんだね。徳永は体も強いし、ボールを奪うことが多いから、これはかなり珍しい。

 やはり、途中でレナトがいなくなって助かった。その後のピニェイロも、チームプレーに徹していて、無理やりいくのではなく、大久保や憲剛と役割分担しながら、自分でいくところはいく、簡単にやるところは簡単にやるというのがうまくできていた。

三田:この日は非常に暑い中のゲームでしたが、両チームとも集中を切らすことなく、クラシコらしい好ゲームとなりましたね。

前田:球際の攻防も激しかったし、中盤でお互いにボールを奪い合っているところからのチャンスが多かったよね。お互い中盤でも激しかったし、その辺はやはりクラシコを意識してのことなのかな。

 太田のFKも、最初は徳永が右サイドに抜けてもらおうとしたけど、ちょっとトリッキーなプレーをしたのが良かった。もちろんキックの精度も素晴らしかったしね。ゲーム中でのいつもの太田らしさはいまひとつなかったけど、彼の好調さがまた違った形で表れていたね。

前田治(まえだ・おさむ) 昭和40(1965)年9月5日、福岡市出身。現役時代は横浜フリューゲルスのエースFWとして活躍し、Jリーグ通算103試合29得点、日本代表では40試合12得点の成績を残した。引退後はクラブチームのジュニアユースで監督を務める傍ら、各地のサッカー教室にも出向いて指導力、育成能力に磨きをかける。2004年から東京中日スポーツの評論記事「東京論」を執筆中。
三田涼子(みたりょうこ) 昭和53(1978)年6月20日 千葉県柏市出身。元TOKYO MXテレビアナウンサー。2003年から8年間にわたり、応援番組「FC東京ホットライン」のキャスターやJリーグ中継ピッチリポーターを務め、その後もFC東京の取材を継続中。現在はフリーアナウンサーとして、JFN(ジャパンエフエムネットワーク)及びTOKYOFMでニュースなどを担当。趣味はフットサル。

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