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三田アナと前田さんのここだけの話「太田の積極的な攻撃参加が勝利につながった大分戦」/365日FC東京モバイル

2013.08.16

365日FC東京モバイル

<8月6日>
三田:今週は2試合を振り返ります。まず、7月31日に行われた第18節の清水戦は、0-0のスコアレスドローに終わりました。

前田:この試合、特に前半はお互いにミスの連発で、シュート数も少なかった。決定機まで行く前にミスが出てしまうという感じで、結果としてゴール前での攻防もあまり見られない、寂しい内容だったね。清水がしっかり守備をしてきて、東京は相変わらず攻めの形がつくれなかった。

 主導権を握っているというかボールは保持していても、結局攻撃のチャンスは少なかった。そういった状態にもかかわらず、後半もベンチはなかなか動かなくて、ようやく動いてからはネマがシュートをポストに当てたりする場面はあったけど、点は取れなかったね。

三田:試合を通してのシュート数も、互いにわずか5本ずつでしたね。

前田:今はボールをつなぐサッカーが主流なのは分かるけど、リスクを冒してチャレンジする場面では、やはり個の力も出さないとなかなか突破もできない。あるいはもっとチーム全体的にボールを動かす、加えて人も動かなければ、引いて守る相手を崩せない。そのためにはもっと運動量を増やさないといけないよね。これでは観客にとっても面白くないゲームになってしまう。

 チームには波があって、出来の悪い試合もあるとは思うけど、ミスをしてカウンターをくらうのが怖いから、メンバーをあまり代えずにいけるところまでいくというやり方になっている。今年のポポさんはある程度結果にこだわっていて、シーズン終盤に優勝争いができるところまで行きたいという考えがあるだけに、思い切ったチャレンジはなかなかしにくい。そんな感じがするよね。

 試合後の会見ではよく、なぜチームは悪くない状態なのに選手交代をする必要があるのかという発言もしている。しかしそれでは、スタメンの選手が疲労で動けなくなっていても、コンディションの良いサブの選手の方が劣っていることになる。ある程度活性化した方が結果を出せると思うんだけど、かなり慎重になっているよね。

三田:シュートが少なく無得点に終わったのは残念でしたね。でも、アウェーで勝ち点1は獲得しました。

前田:相手の清水に決定力がないから助かったという部分もあったよね。東京のミスから清水も徐々にチャンスができ始めていたけど、清水の今の調子や、選手の個々の力の差という部分で助かった。東京は森重を中心とした守備陣がしっかり守っていたしね。

三田:やはり、引いて守る相手からなかなか点を取れないというのは課題ですが、ポポ監督も内容はあまり悲観していないという感じでしょうか。

前田:相手に研究されているだけに、なかなか決定的な仕事をできる選手がいないよね。でも、ポポさんにしてみれば相手にもシュートを5本しか打たせてないということで、そんなに悪い内容ではなかったという考えなんじゃないかな。

 ただ、やはり僕らとしては最低でも1点は取って勝たなきゃいけない試合だったと思うし、ちょっと納得いかない結果ではあるよね。それでもアウェーで勝ち点1ということで、最低限の結果は出したといえるかな。

三田:そして、中2日で迎えた第19節の大分戦は、ホームの味スタで2-0で勝利しました。

前田:内容的には清水戦と似たような感じの入り方だったけど、最終的には東京と大分のメンバーを比べたら、明らかに東京の力が上回っていたという結果だよね。

 6月の中断期間の後、東京はしっかり守備をしてボールを奪った後の速い攻撃ができるようになってきたけど、常にそれを試合で出せてはいない。大分戦でも、相手のペースに合わせるような感じで試合に入ってしまったよね。

三田:確かに、立ち上がりは内容が良くなかったですよね。でも、この試合では途中でシステムを3バックに変更し、その後チャンスが増えました。

前田:そうだね。相手の大分が3-4-2-1のシステムで、両サイドが必ず余ってしまうという状況だったから、前半30分あたりで東京はシステムを変えた。高橋を下げて、太田と徳永がウイングという3バックの形にして、がっぷり四つの状態になったよね。それで太田の攻撃力が発揮されて、東京のチャンスが生まれた。

 もちろん1点目もそこからの得点だったし、その前にも太田のクロスに千真(渡辺)がヘディングで合わせた場面があったよね。そのあたりから攻撃が活性化して、いい流れがつくれた。チームとしても攻撃のスイッチが入って、スピードも出てきて、それが千真の先制ゴールにつながったね。

三田:太田選手も試合後に、3バックにしてから前の選手と1対1の状況になり、自分が上がるチャンスが増えて得点につながったと話していました。清水戦ではあまり攻撃参加できなかったこともあり、大分戦は強い決意で臨んでいたそうです。

前田:特にこういう膠着したゲームでは、サイドの重要性が大きい。そうした中で太田の貢献度は非常に高いよね。

三田:ポポ監督からは、攻め上がってクロスというだけでなく、自ら中に入ってゴールを狙うようなプレーも求められているようです。

前田:縦に行くことに関しては相手も研究してくるから、中に切り込んで右足でのシュートというのも考えないといけないよね。先制点の場面も、流れをつくって中に入っていったところで、自ら狙うチャンスもあったけど、より確実にと千真にラストパスを送った。

 縦に行ってクロスを上げるというのは相手も予測できるから、中に入ってシュートを打つことが今後の課題だね。そこで自ら点が取れれば、日本代表も見えてくる。

 長友という強力なライバルはいるけれど、長友は左利きじゃないし、アーリークロスの精度は太田の方が上だから、切り込んで右足のシュートも打てるとなれば、太田も左SBとして十分に長友とポジション争いができるレベルになると思う。

三田:太田選手を代表でもぜひ見てみたいですね。さて、大分戦では後半獲得したPKで追加点を挙げて、2-0で勝利しましたが、渡辺選手はもっと点を取れるチャンスがあったのに決めきれなかったと反省も口にしていました。

前田:うん。大分も2点を取られたことで前に出てきていて、東京はますます攻めやすくなっていたから、3点目を取れるチャンスは十分にあったよね。

 でも、千真が3点目を取りたいというのがみんなも分かっていて、本当はパスした方がいい場面で千真が多少強引にシュートに行っても、他の選手たちも千真に打たせてあげよう、ハットトリックさせてあげようという雰囲気になっていたね。

三田:それは確かに感じましたね。得点ランキングでもトップ争いをしているだけに、渡辺選手に点を取らせてあげようという雰囲気がありました。

前田治(まえだ・おさむ) 昭和40(1965)年9月5日、福岡市出身。現役時代は横浜フリューゲルスのエースFWとして活躍し、Jリーグ通算103試合29得点、日本代表では40試合12得点の成績を残した。引退後はクラブチームのジュニアユースで監督を務める傍ら、各地のサッカー教室にも出向いて指導力、育成能力に磨きをかける。2004年から東京中日スポーツの評論記事「東京論」を執筆中。
三田涼子(みたりょうこ) 昭和53(1978)年6月20日 千葉県柏市出身。元TOKYO MXテレビアナウンサー。2003年から8年間にわたり、応援番組「FC東京ホットライン」のキャスターやJリーグ中継ピッチリポーターを務め、その後もFC東京の取材を継続中。現在はフリーアナウンサーとして、JFN(ジャパンエフエムネットワーク)及びTOKYOFMでニュースなどを担当。趣味はフットサル。

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