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バイエルン移籍を振り返るチアーゴ「僕の背中を押してくれたのはペップ」

2013.08.19

バイエルン移籍を振り返ったチアゴ・アルカンタラ

[ワールドサッカーキング0905号掲載]

名選手の血を引き、バルセロナの下部組織で育ち、同世代の誰よりも将来を期待される若き天才。チアーゴ・アルカンタラはこの夏、国外への挑戦を決断した。敬愛する指揮官の下で、もっと成長したい――。その言葉は、これから始まる冒険への期待感に満ちている。
Friendly - Bayern Munich v Manchester City
インタビュー=トーマス・ツェー Interview by Thomas ZEH
翻訳=阿部 浩 アレクサンダー Translation by Alexander Hiroshi ABE
写真=ゲッティ イメージズ Photo by Getty Images

新しいチャレンジを求めていた

――まずは誰もが気になるバイエルン入団の経緯から聞きたい。バルセロナで活躍し始めた大事な時期に、なぜ移籍を選択したのだろう?

チアーゴ それは言うまでもない。僕の背中を押してくれたのはペップ(ジョゼップ・グアルディオラ監督)だよ。バルサでは彼のおかげでとても素晴らしい時期を過ごした。たくさんのことを学び、最高のチームでプレーできたんだ。その彼が僕を必要としているなら、断る理由なんてない。しかも、ここ数年のバイエルンは間違いなく世界最高のチームだ。勝利と美学を両立するのは難しいはずだけど、バイエルンは見事にそれを実践している。そう、バルサのようにね。

――君はバルセロナの有名な下部組織「マシア」で育った。バルセロナを離れるのはつらかったのでは?

チアーゴ そうだね。バルサには友人も多いし、居心地も良かった。バルサを離れたかったわけじゃないよ。だけど同時に、僕は新しいチャレンジを求めていた。こんなに魅力的なオファーを逃したら後悔すると思ったんだ。

――なるほど。グアルディオラの存在はそれほど大きかったということか。

チアーゴ ペップと僕はずっと一緒にやってきた。監督は僕を信頼してくれて、Bチームからトップチームへ引き上げてくれた。僕はペップのフットボールの信奉者さ。彼は世界で最も優秀な監督だ。疑いの余地はない。

――数カ月前、バルサはバイエルンとチャンピオンズリーグで対戦し、2戦合計0-7で大敗した。その結果も今回の決断に影響したのだろうか?

チアーゴ いや、そんなことはない。結果はただの結果だよ。

――入団会見はとても冷静だったね。どんな心境だったの?

チアーゴ 緊張してたんだよ! ものすごい数の記者やカメラが僕に注目していたからね。そんな状況でヘラヘラするわけにはいかないよ(笑)。

――スペインとドイツはフットボールのスタイルがかなり違うけど、不安はない?

チアーゴ むしろ違うことが重要なんだ。ドイツのチームはフィジカルが強くて、どんどんプレッシャーを掛けてくる。戦術的にもしっかりしていて攻撃的だ。僕はそういうスタイルにも対応できると思っているし、それによって自分がもっと成長できるとも思っている。だから、不安より期待のほうが大きいかな。

仕掛けるべき時は大胆にプレーしたい

――バイエルンでのデビューはプレシーズンのトーナメント、テレコムカップのハンブルガーSV戦だった。君はゼクサー(背番号6。アンカー役を指す)としてパスの起点になっていたけど、自分のパフォーマンスへの手応えは?

チアーゴ 満足しているよ。まだチームメートのプレーを完璧につかめていないから、パスのタイミングが遅すぎるけどね。それにしては結構やれたんじゃないかな。

――トーナメントの決勝ではボルシアMGを5-1で破って優勝した。君は初ゴールを決めている。

チアーゴ あれは(ジェローム)ボアテングのクロスが良かったんだ。高さが微妙だったけど、DFと競り合いながらうまく胸に当ててコースを変えることができた。でも、形にはこだわらないよ。ゴールはいつだってうれしいものさ。

――入団して間もないというのに、チームメートとうまく息が合っているように見える。何か秘密があるの?

チアーゴ それは僕じゃなく、チームメートのレベルが高いからだよ。僕みたいな若い新人が入ると、一流選手はうまく合わせようとしてくれる。僕がリラックスできるようにね。バルサでもそうだったけど、一流の集団は性格も一流なんだ。だから、チームのフィーリングはとてもいい。

――君にとってグアルディオラはどんな存在? バルセロナ時代はどんな指導を受けていたのだろうか?

チアーゴ フットボールの先生、かな。戦術的なことはもちろん、それ以外の部分でもプロとしてどうあるべきか、いろんなアドバイスをもらった。彼はレギュラーだろうが控えだろうが、チームのプレーヤーを一人残らずしっかり観察していて、必要な時に必要なことを言ってくれるんだ。

――バルセロナ時代はゴールした後に喜びすぎて怒られたことがあるそうだね。

チアーゴ そう(苦笑)。あの時は調子に乗りすぎていた。今では絶対にそんなことはしないよ。「結果がどうあれ、相手へのリスペクトを欠いてはならない」って、ペップに厳しく言われたからね。

――君のテクニックは相当なものだけど、ボールスキルを誇示しすぎて挑発的に見えることがある。そういった指摘をどう思う?

チアーゴ まあ、そうかもしれない。ただ、それが僕の強みでもあると思っているんだ。無駄なボールロストは避けるべきだけど、勇気をもって仕掛けるべき時は、僕は大胆にプレーしたい。それが僕のプレーだし、別に相手を挑発したいわけじゃないよ。テクニックを存分に使ってファンを楽しませる、そういうプレーが好きなだけなんだ。

バルセロナの下部組織出身で“チャビの後継者”との呼び声も高かったチアーゴが、大先輩に言及。新シーズンの目標など、チアーゴのインタビューの続きは、ワールドサッカーキング0905号でチェック!

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