FOLLOW US

新シーズンへの意気込みを語る酒井高徳「自分を犠牲にせず、より積極的に」

2013.07.22

[ワールドサッカーキング0801号掲載]

ブンデスリーガに挑戦してから1年半。彼は急速に、その存在感を増してきた。シュトゥットガルト、そして日本代表でつかんだ確かな自信と、新たな課題。酒井高徳が新シーズンへの決意を語る。
酒井高徳
インタビュー・文=坂本 聡 Interview and text by Satoshi SAKAMOTO

昨シーズンは考えすぎてしまった

――シュトゥットガルトでの2シーズン目を終えたわけですが、酒井選手にとって昨シーズンはどんな1年でしたか?

酒井高徳 だいぶドイツのサッカーに慣れてきて、自分にできるところ、できないところがはっきりしてきましたね。その中で「もっとこうしたい」とか、チーム状況も含めて少し考えすぎてしまったのかなと。パフォーマンスに波があったというのが率直な感想です。

――とはいえ、リーグ戦で27試合に先発出場というのは、チームから信頼されている証拠ですよね。

酒井高徳 でも、サイドバックに強力なライバルがいなかったという事情もあるし、調子が悪くても監督は使い続けるしかなかったと思うんです。そういう状態だからこそ、常に良いプレーを見せたかったという気持ちがあります。

――シュトゥットガルトでは、どんなイメージでプレーしているのですか?

酒井高徳 外国人選手はチーム全体を考えずにプレーすることが多いので、自分が周囲を見ながらサポートしたり、カバーする意識が強いですね。試合中のチームのバランスを見極めながらプレーしている感じです。

――なるほど。そのせいか、昨シーズンは持ち味である大胆な攻撃参加が少し影を潜めたような印象がありました。

酒井高徳 そうですね。そういう(バランスを取る)部分で自分を犠牲にしてしまったのかな、と思います。なので、そこはあまり気にせず、自分のタイミングで行けるところは行ってもいいんじゃないかと。新シーズンは、バランスはもちろん大事ですけど、そこで自分を犠牲にせず、より積極的にプレーしていく意識が大事になると思います。

――昨シーズンは12位。チームとしても、もっと上位を狙えるポテンシャルはあると思いますが、いかがですか?

酒井高徳 正直、チームのパフォーマンスは良くなかったですね。チームとして機能していなかった。でも、個々のクオリティーを見ると、「もっとできるはず」と思います。新シーズンは一つでも順位を上げたいし、個人的にも、具体的な数字はなかなか言えないですが、一つでも多く結果を残したいです。

日本人サイドバックは評価されている

――昨シーズンはヨーロッパリーグ(EL)にも出場しました。欧州カップ戦を体験した感想を聞かせてください。

酒井高徳 いろんな国のクラブと対戦して、プレーのバリエーションはすごく増えたと思います。自分のサッカーに対する選択肢がすごく広がった。雰囲気もブンデスリーガと全く違うし、すごくいい大会だったなあと思いますね。

――ELではステアウア・ブカレスト戦で初ゴールも記録しました(グループリーグ第5節。5-1で勝利)。

酒井高徳 本当にうれしかったし、もっと強豪のチームとやりたい気持ちになりました。ブカレスト戦は結果を残せたし、(岡崎)慎司さんのゴールにも絡めたので、自分にとってはベストゲームでしたね。

――その岡崎選手は新シーズンからマインツに加入します。どう感じましたか?

酒井高徳 「頑張ってほしい」の一言です。慎司さんはずっと良いプレーをしていたにもかかわらず、結果がついてこなかった。それを間近で見ていて、自分のことのように残念に思っていました。チームを変えればいろんな状況が変わってくるし、いつもの、ゴールを取る慎司さんに早く戻ってほしいと思います。

――話は変わりますが、最近の日本人選手の活躍によって「日本人はブンデスリーガに向いている」という意見が多く聞かれますよね。実際にドイツでプレーしている中で、そう感じますか?

酒井高徳 難しいですね……ポジションにもよるし、一概にこう、とは言えないと思います。日本のサイドバックは世界的に見ても良い位置にいると思いますけど……。

――なるほど。サイドバックの評価は高い、と。

酒井高徳 それは「日本人の良さ」とも言えますが、いろんな部分に気を遣える、器用に幅広いプレーができる、ということですよね。向こうのサイドバックだと攻撃だけで守備ができないとか、全体的にプレーが荒削りな選手が多い。その点、日本人のサイドバックは攻守のバランスが良くて、プレーがしっかりしているイメージですね。だから、サイドバックに限れば、日本人は確実にブンデスリーガに向いていると思います。

酒井高徳のW杯への思いとは? サッカー選手としての哲学とは? インタビューの続きは、ワールドサッカーキング0801号でチェック!

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

RANKING今、読まれている記事

  • Daily

  • Weekly

  • Monthly

SOCCERKING VIDEO