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三田アナと前田さんのここだけの話「重なる日本代表とFC東京の課題」/365日FC東京モバイル

2013.07.01

365日FC東京モバイル

<6月25日>
三田:新潟県・十日町でのキャンプを終えて、チームが小平グランドに戻ってきましたね。きょう(25日)練習の様子を見てきましたが、キャンプ明けにもかかわらず、フィジカル、実戦と約2時間、きっちり取り組んでいましたよ。

前田:そうなんだ。チームのコンディションはどうなの?

三田:キャンプ中に体調を崩した森重選手はまだ喉の痛みがあるとのことで休んでいて、また、田辺選手も発熱のため不参加でした。他の選手たちは、概ね問題ないようですね。5月末に左足首の手術を受けた石川選手はもちろん別メニューですが、グラウンドを走るなど黙々とリハビリに取り組んでいました。

 それから、梶山選手もフィジカルトレーニングなどに参加していましたよ。セルビア人のムゴシャ選手は引き続きフルメニューで練習に参加していますが、正式加入となるかどうかはまだ決まっていないようですね。

前田:代表組はまだ戻ってきていないんだよね?

三田:代表組はきょう25日の夕方に帰国しました。ポポさんによると、少し休ませた後、来週から合流させる予定とのことでした。

前田:実戦練習はどんな感じだった?

三田:代表組の不在もあり、先発組はGKが塩田選手、DFラインは左から太田選手、張選手、加賀選手、徳永選手、ボランチはアーリア選手と米本選手、前線は渡辺選手の1トップに、東選手がトップ下、左サイドに三田選手、右サイドにルーカス選手という顔ぶれでした。

 張選手はW杯予選で韓国代表としてデビューを果たし、チームは負けてしまいましたが、不慣れなボランチでもきちんと役割を果たせたということで、自信をつけた様子でした。三田選手もキャンプから好調のようですね。

前田:やはり、メンバーは前半戦とほとんど変わらないんだね。でも、三田は攻撃的なプレースタイルで、試合に出ればチャレンジする選手だから、後半戦で起用が増えるといいね。公式戦での活躍がもっと見たいな。

三田:そうですね。実戦練習ではポポさんから、ボールを奪われたときは切り替えを早くして、しっかりプレッシャーを掛けにいくようにと指示が飛んでいました。

前田:東京もバルサのようなサッカーを目指しているだけに、そこは重要なところなんだよね。ポゼッションサッカーをする上では、ボールをしっかりつなぐだけでなく、攻守の切り替えを早くして、相手ボールのときに前からしっかりプレッシャーを掛けて奪いにいけば、相手はバランスを崩していて、陣形を固める前に攻められる。失点を防ぐだけでなく、もっとチャンスを演出していこうという狙いなんだろうね。

三田:その辺りはあさって(27日)のポポビッチ監督のトークライブ「ポポナイト」
でも詳しく聞きたいですね。前売りチケットはあすまで発売中で、当日券も出ますので、サポーターの皆さん、ぜひお越しください!

 さて、次に日本代表の話題ですが、コンフェデレーションズカップではブラジルに続き、イタリア、メキシコにも敗れ、3戦全敗という厳しい結果になりました。

前田:この結果を受けて、いろいろ言っている人もいるよね。サッカーや日本代表に対してどんな見方をしているかによると思うんだけど…。少し冷静になった方がいいと思う。日本は次で5大会連続のW杯出場になるけど、そのうち1回は開催国だったから、予選を戦って出場権を獲得したのは4回。Jリーグもできてまだ20年。それでも世界の強豪国と肩を並べることが現実的になってきたよね。

今回のコンフェデ杯も、こういう相手に日本が勝てるだろうと思って見ていた人もいるかもしれないけど、世界の強豪国と比べると、日本はまだまだそこまでのレベルじゃない。欧州や南米の各国のリーグがどれだけの歴史を持っているか。日本はプロ化してからまだ20年しか経っていない。それが歴史ある強豪国と同じ土俵に立っているんだから、すごいことだよね。

 今回のイタリア戦では、前半はある程度日本のサッカーを出すことができたし、それだけでもすごく進歩を感じた。後半は体力的な問題もあったし、世界との差を感じたよね。これからそういうところを縮めていくっていう段階だと思う。

三田:選手たちが高い目標を掲げていただけに、騒がれてしまうところもありますが、現実的にはそうですよね。

前田:そうだね。「W杯優勝とかベスト4とか言っているのに、こんなことで大丈夫なのか」と思う人もいる。でも現実的に考えると今の日本代表は、Jリーグができたころにサッカーを始めた選手たち。まだまだ世界との差はあるし、海外に出ていっていない選手もいる。

 今は世界のレベルを見て、日本代表が今後どうしなきゃいけないかを考えるときじゃないかな。本当の意味で世界の強豪国と対等に戦えるようになるには、今の子どもたちの育成において個の能力を育てて、その選手たちが20年後くらいに海外に出ていって…。それくらい時間がかかると思う。

三田:今はまだ日本代表の全員が世界のトップレベルのリーグやチームでプレーしているわけではないですし、個人としてもまだまだレベルアップが必要ですよね。今回はザッケローニ監督の采配についても疑問の声があるようです。確かに、意図が分かりにくい交代策などもありましたが、どうご覧になりましたか?

前田:確かに今回のコンフェデ杯では、最初のブラジル戦から、試合の結果を重視した采配ではなかったよね。勝ちにこだわるなら違うやり方がある。それを分かった上で、海外組中心で今までやっていない組み合わせを試したり、意図の分かりにくい交代策もあったんだと思う。

 周りは結果に期待して見ているから、不可解に映るのかもしれない。人によって、求めている目標が違うからね。コンフェデ杯で3戦全敗したんだから、監督解任でもおかしくないと言う人もいるけど、W杯で優勝しているような強豪国だったら、それも分かる。

 でも日本は、僕らの現役時代はアジアでも勝てなかったのが、ようやく世界の土俵に立てるようになってきたところ。Jリーグの20年の歴史や、海外に出ていく選手も増えてきて、中田英寿のようにセリエAでレギュラーで出られるような選手が現れて、今では各国のリーグでバリバリ活躍する選手も出てきた。

 一方で、今回の対戦国は、ほとんどの選手が欧州などの強豪クラブで活躍している選手たち。日本の選手たちも確実にレベルは上がってきているけど、まだまだ差はあるよね。選手たちはプロだから、やるからには目標を高く設定する。そこに向かって頑張らないとね。メディアとかも常に厳しいことを言わないと、チームが強くならないというのももちろんある。

三田:さまざまな立場から意見を言ったり議論をすることは大事ですよね。世界のトップレベルにもっと近付くためには、特にどんなことが必要でしょうか。

前田:今大会を見ていても、やはり最後は個で負けている。イタリア戦の吉田のミスも、彼だけの責任ではないけれど、ああいう逃げておくべきところはしっかり逃げておく、体を入れておくということが大事。その隙を突かれてしまうのが世界だからね。

 メキシコ戦での2失点も、セットプレーだけど、相手はああいうところでしっかり決めてくる。逆に日本は、外からクロスを入れてもなかなか点で合わせられない。そういうところの差を縮めていきたいよね。

三田:監督解任論も出ていますが、それはあまり現実的ではないですよね。

前田:ここまで来たら、もう代えない方がいい。それに、他に誰がいるのか。今、監督交代しても、メリットよりもデメリットの方が大きいと思う。

前田治(まえだ・おさむ) 昭和40(1965)年9月5日、福岡市出身。現役時代は横浜フリューゲルスのエースFWとして活躍し、Jリーグ通算103試合29得点、日本代表では40試合12得点の成績を残した。引退後はクラブチームのジュニアユースで監督を務める傍ら、各地のサッカー教室にも出向いて指導力、育成能力に磨きをかける。2004年から東京中日スポーツの評論記事「東京論」を執筆中。
三田涼子(みたりょうこ) 昭和53(1978)年6月20日 千葉県柏市出身。元TOKYO MXテレビアナウンサー。2003年から8年間にわたり、応援番組「FC東京ホットライン」のキャスターやJリーグ中継ピッチリポーターを務め、その後もFC東京の取材を継続中。現在はフリーアナウンサーとして、JFN(ジャパンエフエムネットワーク)及びTOKYOFMでニュースなどを担当。趣味はフットサル。

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