2016.09.15

中村憲剛×又吉直樹『僕たち、ちゃんと考えてます。』第8回:やっぱりさんまさんはボランチ

中村憲剛×又吉直樹『僕たち、ちゃんと考えてます。』

二人の頭の中は、一体どうなっているのか?
二人が醸し出す独特の雰囲気、その化学反応を見てみたい。
そんな発想がきっかけで、
中村憲剛選手(川崎フロンターレ)と
又吉直樹さん(ピース)との対談が実現しました。

今回は『マエストロ×作家の“創造力”』というテーマをぶつけてみましたが、
会話が弾みすぎて、自由気ままな展開に。
ゆるい話から、深い話まで。
中村選手と又吉さん、二人のトークをお楽しみください。
全10回の連載です。

やっぱりさんまさんはボランチ

「この人の才能はすごい」と思った芸人さんはいますか?

僕はもともとお笑いファンやから、先輩はみんなすごいんですよ。みんな特徴があるし、パワーもすごいなあって思うからこそ、自分の芸風みたいなものができていったんやと思います。

ああ。確かに又吉さんのスタイルは唯一無二ですからね。

すごい先輩はいっぱいいますよ。さんまさんもそうやし、ダウンタウンさんもそうやし。

24時間ずっとお笑いのことは考えてないですよね?

いや、考えてるんじゃないですかね。

あ、考えてるんだ。

すごいっすよ。

「すごいっすよ」って(笑)。

さんまさんが、たまに若手をクラブに連れて行ってくれるんですけど、ずっと笑かしてるんですよ。

頭の回転、めちゃくちゃ早いでしょうね。

だいぶ席が離れてんのに、僕が何か言ったら「なんや、又吉!」って聞こえてて。「うわ、聞こえてんねや。こわっ!」みたいな(笑)。

すべて自分で把握していないと気が済まないんでしょうね。じゃないと、あんなにさばけないし。よく見てますよね。

そうですね。

全部拾うって。

一見、FWっぽいんですけど、やっぱり僕は、さんまさんはボランチなんじゃないかなって思いますね。

なんかそういう話を聞くと、そう思いますよね。ボランチから駆け上がって決めるタイプです。

怖い先輩とかいます?

怖いというか、僕もサッカーファンだったんで、俊さん(中村俊輔/横浜F・マリノス)や川口能活さん(SC相模原)、ボンバーさん(中澤佑二/横浜FM)とか、先にテレビで見ていた人の中に大卒で後から入っていったんで、そこに対して引け目はすごく感じていました。劣等感じゃないですけどね。ヤットさん(遠藤保仁/ガンバ大阪)とかもそうだけど、彼らは高校時代からスターだったし。

確かに。

でも、意外とボールを蹴ると話さなくても分かるんですよ。すごい人たちなんだけど、一度ボール蹴った後に話をするとすごく打ち解けられたり。俊さんもヤットさんもそんなにしゃべるタイプではないんですけど、「何をしたいか」とか、「何が求められてるのか」がすっごく分かったんです。一言、二言話せばだいたいOKみたいな。あれはなかなか今はない。特別な感覚でしたね。

へえー。

「ああ、代表ってこういうところなんだな」ってめっちゃ感じました。

ああ。

全然別のチームなのに、阿吽の呼吸に近くなるっていう。まあ、シンジ(香川真司/ドルトムント)とかもそうでしたけど。それがすごく刺激的だったし、そういう刺激に触れてグンと階段を上れたから、普段からお笑いの大先輩の刺激に触れるってすごくうらやましい。業種は違うんですけど、すっごくうらやましいです。

そうかもしれないですね。

刺激を受け続けられるのはいいですよ。僕の先輩はあとちょっとしかいないから。そういう意味では、若い時はすっごく楽しかった。

そうか。今は憲剛さんを見ていた人が出てきてる。

逆にね。それは寂しくもあり、しょうがないのもある。若い選手にも刺激は受けていますし。

いいなあ、サッカー選手。永遠の憧れですね。サッカー、お笑い、文学と音楽、全部好きなんですけど、サッカー選手とのインタビューってやっぱり一番緊張します。

それはたぶんサッカーをやってたからですよね。

(笑)。

でも、緊張するっていう気持ちは逆も然りだから。お笑い芸人さんにどこまで話していいのか分からないし、すごくかしこまっちゃうというか。こっちも真面目にやらなきゃなって思います。

ジャンルが違うとそうかもしれないですね。

そうなんですよね。リスペクトしてるからこそ、緊張するっていうのはありますね。

でも、お話を聞いていると、結構共通点はありますね。

多いですよね。

団体競技というか、チームプレーの関係性というか。でも、自分でちゃんと作っていかなあかんとこもあって。

だから、サッカー選手は特にお笑い大好きですよ。どこか根底に通じるものを感じていると思うんですよ。みなさんは何もないところから笑いを生み出して、僕らはプレーで生み出して。そういう生みの苦しみも分かる気がします。お笑い芸人さんのほうが大変だと思いますけど。

どうなんでしょうねえ。僕らがまだまだ若いという意味で言うと、世に出られるチャンスはあるかもしれないですけどね。サッカー選手は限られた10年くらいで。たぶん現代だったら10年とも言ってられないですよね。

そうですね。3~5年くらいかもしれない。

もし、サッカーと同じサイクルだったら、僕も世に出られてないですもん。僕は10年目、30歳の時にテレビに出始めたので。

そっか。

って考えると……。

サッカー界では遅咲きの部類に入りますよ。

かなりでしょ(笑)。

30歳のルーキーはなかなかいないから(笑)。

でも、お笑い芸人がテレビに出るのは30代ばかりですもんね。

 

つづきます(第9回は16日7時公開)

 

取材・構成=高尾太恵子/写真=岩本良介

 

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中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ、東京都出身。東京都立久留米高から中央大を経て、2003年に川崎フロンターレへ加入。初年度から出場機会を得ると、2年目からはボランチへとコンバートされて主力に定着。2006年から2010年まで5年連続でJリーグベストイレブンに選出された。また、2012年から川崎の主将に就任してチームをけん引。視野の広さとパスセンスはリーグ屈指で、35歳となった今もなお強烈な存在感を放つ。
又吉直樹(またよし・なおき)
1980年6月2日生まれ、大阪府出身。お笑い芸人、脚本家、小説家、俳人といった様々な顔を持つ。2003年に綾部祐二と「ピース」を結成し、ボケを担当。キングオブコント2010で準優勝、同年のM-1グランプリで4位に入り、一躍脚光を浴びる。趣味の読書が高じて書評やコラムなどの執筆活動を行うと、2015年に自身が書いた純文学小説『火花』で第153回芥川龍之介賞を受賞。個性的なファッションからオシャレ芸人との呼び声も高い。

プレゼント

中村憲剛選手と又吉直樹さんの直筆サイン入り色紙を3名様にプレゼント!
応募期間
:2016年9月8日(木)〜2016年9月18日(日)23:59まで

たくさんのご応募ありがとうございました!

 

INFORMATION
スポーツニュース番組『追跡 LIVE! Sports ウォッチャー』(テレビ東京系)
(月~金 23:58~24:12/土 23:00~23:55/日 22:54~23:30)
MC:ピース
コメンテーター:中畑清、セルジオ越後、緒方耕一(日曜のみ)、秋田豊

 

今回の撮影で利用したお店
BLUE BOOKS café
〒152-0035 東京都目黒区自由が丘2-9-15 ユレカビル B1F

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