2016.09.14

中村憲剛×又吉直樹『僕たち、ちゃんと考えてます。』第7回:サッカーに絡めてくれるなあ。

中村憲剛×又吉直樹『僕たち、ちゃんと考えてます。』

二人の頭の中は、一体どうなっているのか?
二人が醸し出す独特の雰囲気、その化学反応を見てみたい。
そんな発想がきっかけで、
中村憲剛選手(川崎フロンターレ)と
又吉直樹さん(ピース)との対談が実現しました。

今回は『マエストロ×作家の“創造力”』というテーマをぶつけてみましたが、
会話が弾みすぎて、自由気ままな展開に。
ゆるい話から、深い話まで。
中村選手と又吉さん、二人のトークをお楽しみください。
全10回の連載です。

サッカーに絡めてくれるなあ。

意外と仲が悪いコンビって多いんですか?

まあ、仲が悪いってこともないんですけど(苦笑)。

一緒にいすぎる?

「俺が、俺が」タイプは芸人には多いから、それぞれがFWの動きをするみたいな(笑)。

全然お互いを見てない?

パス出すほうがおらへんから、そもそもボールが回ってこないことは多いです。仲が悪いとかじゃなくて、僕らでもそうなりがちというか。綾部は意外と前線に張り続ける時があるので(苦笑)。だんだん歳を取って、30代になってからはお互いの意見を言うようになりましたね。若い時は綾部さえも驚かせたいと思っていたんで。

なるほどねえ。

それもあまり相方には言いたくないというか。

ほお。

でも、30歳くらいになったら“対お客さん”になってきましたね。

へえ。最初は相方すら驚かせたいと。超意外。

いかにわけ分からんことを言うかみたいな。

お笑いコンビって、みんなそんな感じなんですか?

そうですね。サッカーもそうじゃないですか。憲剛さんがこう思ったら、FWの大久保さんがこう動くっていうのが完全に決まりきってたらDFも対応しやすい。

そうですね、はい。

で、基本的な決まりがあった上で、どれだけバリエーションを持てるかみたいな。

うんうん。

要は発射台みたいなものがちゃんとあるから、そこから打ち分けていけると思うんですけど。芸人の場合は発射台がないから(笑)。その決まりがなさすぎて、まとまってない。そういう基本的なルールを決めた上で、そこから崩していくかってしたほうがうまくいくとは思いますけど。

けど、発射台はいないんですよね?

あんまり(笑)。

大きな番組でMCがいる場合は、その人や誰かがまとめるからいいけど。

そうですね。

けど、それって意外と気付かないもんなんですか?

まあ、気付いているんでしょうけど。

うまく発射台がいて、シュート決める人が面白ければ、こっち(発射台)だって目立つと思うんですよ。

はい、絶対にそうです。

やっぱりそうですよね。見ていても、そう思いますもん。

コンビで「ワー!」ってやるほうがチームワークというか、面白く見えるのはあります。それはね、おっしゃるとおりです。

なんか、もったいないなあって思う。どうしてもみんなが目立ちたくなるんですね。

へへ(笑)。

「爪痕を残すぞ」っていう意気込みが強すぎて。それよりもっと二人が楽しんでやってくれたほうが、見ているほうとしてはすごく幸せな気分になるんですけどね。

面白いのが、超強敵を相手にした時で。それこそ、さんまさんとかダウンタウンさんとかがいる番組に出る時は二人とも緊張するから、お互いに「一人じゃ無理やな」ってなるんです。

(笑)。

「何話す?」みたいな感じで話して。何となく「ほな、こうやって、こうやって……」とか。普段はあまりやらへんけど、「綾部がね」って相方の話をして、面白く見えるように力を合わすというか。

事前に。

そうですね。コンビで相手を崩そうとするみたいな。

(笑)。

若い頃からそういうのはありましたね。

そういう対応が柔軟にできるから、ピースはこの位置にいるんだと思うんですよね。綾部さんの調子がちょっと良くないなって時はあるんですか?

いやあ、むちゃくちゃありますよ。もしかしたら、僕のほうが波はあるかもしれないですけど、綾部の調子が悪い時もあります。でも、片方が調子悪いと、もう片方がウケやすい気がします。

へえ。

二人ともスベったら、スベってる状態をひっくり返すしかないというか。そういうやり方もあるんですよ。カウンター気味に攻める、みたいなことですかね。

ああ(笑)。サッカーに絡めてくれるなあ。ありがたい。

 

つづきます(第8回は15日7時公開)

 

取材・構成=高尾太恵子/写真=岩本良介

 

menu
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
最終回
中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ、東京都出身。東京都立久留米高から中央大を経て、2003年に川崎フロンターレへ加入。初年度から出場機会を得ると、2年目からはボランチへとコンバートされて主力に定着。2006年から2010年まで5年連続でJリーグベストイレブンに選出された。また、2012年から川崎の主将に就任してチームをけん引。視野の広さとパスセンスはリーグ屈指で、35歳となった今もなお強烈な存在感を放つ。
又吉直樹(またよし・なおき)
1980年6月2日生まれ、大阪府出身。お笑い芸人、脚本家、小説家、俳人といった様々な顔を持つ。2003年に綾部祐二と「ピース」を結成し、ボケを担当。キングオブコント2010で準優勝、同年のM-1グランプリで4位に入り、一躍脚光を浴びる。趣味の読書が高じて書評やコラムなどの執筆活動を行うと、2015年に自身が書いた純文学小説『火花』で第153回芥川龍之介賞を受賞。個性的なファッションからオシャレ芸人との呼び声も高い。

プレゼント

中村憲剛選手と又吉直樹さんの直筆サイン入り色紙を3名様にプレゼント!
応募期間
:2016年9月8日(木)〜2016年9月18日(日)23:59まで

たくさんのご応募ありがとうございました!

 

INFORMATION
スポーツニュース番組『追跡 LIVE! Sports ウォッチャー』(テレビ東京系)
(月~金 23:58~24:12/土 23:00~23:55/日 22:54~23:30)
MC:ピース
コメンテーター:中畑清、セルジオ越後、緒方耕一(日曜のみ)、秋田豊

 

今回の撮影で利用したお店
BLUE BOOKS café
〒152-0035 東京都目黒区自由が丘2-9-15 ユレカビル B1F