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山ノ井だけじゃない…指揮官絶賛、GK田原智司が静岡学園を8強に導く

2016.07.30

自身が出場した2試合で完封に成功している静岡学園GK田原智司 [写真]=吉田太郎

 静岡学園高校(静岡)GK山ノ井拓己は第93回全国高等学校サッカー選手権大会で全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会(インターハイ)王者の東福岡高校(福岡)を完封。一躍その名を上げた1年生守護神は今年、日本高校選抜候補に選出され、Jクラブからの熱い視線も集めている。抜群の勝負強さを持つ山ノ井は間違いなく、今大会屈指の守護神と言える存在だ。

 だが、静岡学園がGKをローテーション起用しているため、山ノ井は3試合でまだ1試合しかゴールを守っていない。インターハイ3回戦で先発したのはガンバ大阪ジュニアユース出身の田原智司。知名度は山ノ井に劣るが、入学当初からこちらも注目されてきたGKで、足下の技術と守備範囲の広さ、そしてコーチングはずば抜けた武器となっている。

 5-0で快勝した初戦に続く先発となった田原は終始安定したプレーを披露。声で相手の狙いを守備陣たちと共有し、ディフェンスラインの背後をカバーし、試合終盤には一対一をストップして完封勝利を果たした。川口修監督が「ほぼ完璧。落ち着いている」と評していたように、「もう一人」の実力派守護神も今、チームの躍進を支えている。

 入学当初の1年生ゲームでは、むしろ田原が先に出場していたほどだが、「アイツの勝負強さは凄かった」。立場は入れ替わり、山ノ井がAチームの先発として県、全国大会で活躍する姿を悔しい思いで見るしかなかった。だが、強大なライバル相手にアピールを続けてようやく「半分ずつまで来れた」

 山ノ井も「ライバル」と認める田原の存在。方や立場に慢心せず、諦めずに2人で切磋琢磨しながら努力を続けてきた成果が、今回の8強入りにつながっている。田原は「ライバルはいた方がいい。自分しかいなくて、自分が出ていたら鼻も伸びていたと思う。両方にとって良かった」。互いが互いの良さを認め合う2人。その良さを合わせて優勝することが目標だ。昌平高校と戦う準々決勝は山ノ井の先発が濃厚で、田原の次の出番は準決勝になりそう。

「今大会は無失点で恩返ししたいですね」と笑う「もう一人」の実力派GKは、ライバルに準々決勝の勝利を託した。

文=吉田太郎

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