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GKを通じてサッカーを学ぶ。ゴーリースキームと澤村公康氏の理念【GK特別スクール開校記念インタビュー】後編

2020.10.31

サンフレッチェ広島やロアッソ熊本などのJクラブを始め、様々な年代、カテゴリーのチームでGKコーチを務めてきた澤村公康氏。自らの経験をもとに次世代のGKを育成するために立ち上げた「キャプテン翼サッカースクールGK特別コース」が2020年11月からスタートする。キャプテン翼サッカースクールとゴーリースキームが提携したこのGKスクールで、澤村氏はどんな指導を行い、どのようなGKを育てていこうと考えているのだろうか。「サッカーそのものを学べる」と語る、その真意とは――。

前編はこちら

インタビュー・文/池田敏明
写真/兼子愼一郎

――育成年代からGKのトレーニングをすることの利点を教えてください。

澤村 GKは神経系のポジションで、技術のトレーニングをするには反射神経が必要です。ですから大人になってから技術を習得するより、若いうちからしっかりとしたフォームやグラウンドへの着地の仕方などを学んだほうが、より高いレベルでサッカーを楽しめると思います。

――小学生ではGK専門の子は少ないと思いますが、早いうちから専門的にやるべきなのでしょうか。

澤村 私はフィールドプレーヤーと半々でいいと思っています。守備的なMFやDFの後ろには必ずGKがいますし、攻撃的MFやFWは相手GKと対峙します。サッカーをやる上でGKは不可欠なポジションなので、小さい頃はポジションを回しながら積極的にGKをやってもらいたいですね。GKの大変さ、怖さ、キツさを学んでもらえば、フィールドプレーヤーをやった時に有益だと思います。もちろん天性のGKが出てくる可能性もありますので、GKを楽しんでもらい、そこからスペシャリストを目指すのもありだと思います。

――今の小学生にとってGKはどんなポジションなのでしょうか。

澤村 川口能活さんや楢﨑正剛さん、川島永嗣選手らがトップレベルで活躍し、人気のあるポジションにしてくれたので、最近ではGKはカッコいいという認識を持たれています。また、海外の映像を簡単に見らえるようになり、カッコいいシーンがクローズアップされるようになったので、積極的にGKをやりたがる子が増えてきました。ただ、ポジティブなポジションなんだと理解している子はまだ少ないので、監督・コーチや親御さんなど大人の方々がGKというポジションをしっかり理解し、前向きなコミュニケーションを取っていってほしいなと思っています。

――GKにとって最も重要なポイントを教えてください。

澤村 まずはGKを大好きになることですね。「好きこそものの上手なれ」ではないですが、いかにGKを楽しめるか。あとは、ボールに向かっていく勇気も必要ですね。子供の頃に一番必要なのは勇気だと思います。

――では、スキル面で特に求められるものは何でしょうか。

澤村 ポジショニングが一番、大事だと思います。シュートを打たれてから対応するより、打たれる前のポジショニングで失点になるかならないかがほぼ決まるというのが私の考えです。いかにいい準備をするか、というのは、適切なポジショニングを取れるかどうかを意味します。また、シュートを打たれる瞬間までは大ピンチでも、それをキャッチすれば一瞬でマイボールにできるポジションでもありますので、キャッチングなどの基本技術も大事ですし、今のサッカーでは足元のプレーも求められます。

――ポジショニングもキャッチング技術も、すべて練習することで習得できるスキルですね。

澤村 そうですね。我々としても、ただ単に「キャッチしなさい」と指導するのではなく、どうすれば正面付近でボールを取れのるか、どうすれば相手にシュートを打たせにくくできるのか、といったことを、GK目線だけではなくFWの立場からも見て学んでほしいと考えています。DFをやってもらい、GKの声がどれだけ聞こえるのか、といったことも体験してほしいですね。

――このスクールではどんなことが学べるのでしょうか。

澤村 サッカーそのものが学べると思っています。GKスクールはどうしてもGK目線からの指導やトレーニングになりがちなんですが、この素晴らしい施設を使わせていただき、思い切りボールを蹴れるので、ここを狙ったらゴールが入りやすい、ここを狙うとなかなか入らない、なぜならば……というところを子供たちに解説しながら、しっかり理論立ててサッカーを伝えていきたいと思っています。また、仲間を引っ張っていけるコミュニケーションスキルを持ち、ここで学んだことを他のGKにも伝えられるような、オープンマインドな人間性も一緒に育てていきたいですね。

――澤村さんにとって、GKとはどんなポジションでしょうか。

澤村 サッカーのGKは、社会性が一番あるポジションだと思っています。シュートを打たれる時はピンチですが、その時にみんなと一緒にピンチだと思うのではなく、これを止めたら一気にチャンスになるよ、という、ピンチをチャンスととらえられるマインドや考え方、物のとらえ方など、そういう人間性を身に着けられるポジションだと理解しています。

――参加を検討されているお子さんたち、保護者の方々へのメッセージをお願いします。

澤村 GKはチームで1人しか試合に出場できない唯一のポジションです。唯一ユニフォームが違い、GKグローブを着用でき、キャップをかぶることができ、PKを止めることができる。そういう唯一のポジション、世界では人気の高いGKなので、どんどん目指してもらいたいです。年代を問わずいろいろなチームのGKに集まっていただいて、GKの楽しさ、辛さを共有し、刺激し合いながら学ぶ場、発表する場にしていきたいと思っています。

♢ ♢ ♢

2020年11月よりキャプテン翼サッカースクールでは、澤村氏が運営するゴーリースキームと連携し、『キャプテン翼サッカースクールGK特別コース』を開校する。澤村氏が子供達一人一人に直接指導を行っており、体験会ではコーチと子供達の楽しそうな笑顔が多いのが印象的であった。スクールの練習内容はGKの基本技術はもちろん、コーチングやDFとの連係など試合で活きるスキルに併せ、試合に向けての大きな自信が身につく、より実践的なプログラムを組んでいる。

GKという特別なポジションの指導を育成年代の早い段階から受けられる機会は少ないので、お子様がGKを任されているのであれば、一度、澤村氏の指導を体感していただきたい。

スクールの詳細はこちら

▼体験会の様子▼

By サッカーキング編集部

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