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1部定着狙う東京国際大、後期開幕戦で4発快勝…昨季王者・明治大を撃破

2017.09.20

 JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦1部 第12節が18日に行われ、東京国際大学第一サッカー場では東京国際大学と明治大学が対戦した。

 前期11試合を終えて、5勝2分け4敗の勝ち点「17」で3位につけている東京国際大学。1部復帰1年目の今季、トップリーグ定着を目指すシーズンで上々の折り返しとなった。後期開幕戦となる今節に向けて前田秀樹監督は「2カ月間(の準備期間)があったので、初戦をすごく意識させました」と言う。「我々は個々の力はそんなにないので、組織としてどのように戦うか」とテーマを掲げ、昨季王者との一戦に照準を合わせた。そして、会心の勝利を収めてみせた。

 立ち上がりから、ボールポゼッション率を高めたのは明治大だった。それでもDF小木曽佑太(2年)が「ボールを持たれて押し込まれる形が続きましたけど、チーム全体でしっかりと守ってカウンターで2発決められたのが一番大きかったです」と振り返ったように、17分にFW町田ブライト(3年)、19分にはFW進昂平(4年)が立て続けにゴールネットを揺らし、2点を先行して試合を優位に進めた。明治大にボールを持たれることは想定内。その中で狙っていた堅守速攻の形をしっかりと得点に結び付けることができた。

後期開幕戦に照準を併せて準備を進めてきた東京国際大 [写真]=内藤悠史

 2-0で迎える後半を前に、前田監督は「相手が点を取りに来るのだから、前半よりも守備の意識を強くすればカウンターから追加点を取れる。だから『守備をもっと頑張れ』と伝えました」という。選手たちは指揮官の鼓舞に奮起し、前線の枚数を増やして反撃を期す昨季王者に応戦していった。サイドの深い位置まで進出を許しても、ゴール前の競り合いで自由を与えず、ゴールを許さない。前田監督が「足を攣る選手とか、ケガ人が出ることの方が心配で」と苦笑いするほどに、選手たちは気迫に満ちたマッチアップを繰り返した。そして64分、ゴールキックからの攻撃でMF安東輝(4年)が意表を突いたシュートを決めて3点目。82分にはセットプレーのこぼれ球に反応したDF小木曽が豪快にボレーを突き刺して4-0とし、勝利を決定付けた。

安東輝

安東輝(中央)が3点目を決めた [写真]=内藤悠史

 明治大は後半アディショナルタイム、途中出場のMF渡辺悠雅(3年)が鮮やかな直接FKを決めたが、時すでに遅し。この得点がラストプレーとなり、試合は4-1で終了した。

 後期開幕戦で快勝を収めた東京国際大の前田監督は「明治大を相手に4点を取るなんて大変なこと。彼らにとっても自信が付く試合だと思います。この初戦はすごく大事で、勝ち点差が詰まっているだけにズルズルと落ちて降格まで行ってしまうかもしれないので、最悪でも引き分けと考えていました。良い方向に行ったと思います」と、手応えを掴んでいる様子だった。「前期は全てにおいてガチンコで戦ったんですが、後期は戦略を変えていこうかなと」というように、対戦相手の特長に沿う形で戦術を変えていく可能性も示唆している。次節は2位・順天堂大との直接対決(24日、成田市中台運動公園陸上競技場の第二試合)。指揮官はまず「何とか1部に残らないと」と、トップリーグ定着を目標に掲げるが、今節の勝利で首位・筑波大学との差は6ポイントに縮まっただけに、優勝争いに加わる可能性も十分にあるだろう。

楠本卓海

楠本卓海(5番)を中心に、東京国際大は粘り強い守備を見せた [写真]=内藤悠史

 一方、完敗を喫した明治大の栗田大輔監督は「全然、ダメでした」と開口一番、反省の弁。今月上旬の総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントでは準優勝に終わったものの、後期に向けて復調傾向にあると思われていた中、リーグ再開の一戦で大量失点を喫してしまった。指揮官は「ウオーミングアップの時に、少し緩さを感じた」と言い、次節に向けて改善を誓っていた。次節は24日、成田市中台運動公園陸上競技場の第一試合で専修大学と対戦する。

【スコア】
東京国際大学 4-1 明治大学

【得点者】
1-0 17分 町田ブライト(東京国際大学)
2-0 19分 進昂平(東京国際大学)
3-0 64分 安東輝(東京国際大学)
4-0 82分 小木曽佑太(東京国際大学)
4-1 90+5分 渡辺悠雅(明治大学)

■関東大学リーグ1部順位表(第12節終了時点)
1位 筑波大学(勝ち点26/得失点差14)
2位 順天堂大学(勝ち点25/得失点差7)
3位 東京国際大学(勝ち点20/得失点差4)
4位 流通経済大学(勝ち点19/得失点差3)
5位 法政大学(勝ち点19/得失点差0)
6位 東洋大学(勝ち点15/得失点差2)
7位 明治大学(勝ち点15/得失点差-2)
7位 駒澤大学(勝ち点15/得失点差-2)
9位 専修大学(勝ち点15/得失点差-2)
10位 日本体育大学(勝ち点11/得失点差-9)
11位 慶應義塾大学(勝ち点11/得失点差-9)
12位 桐蔭横浜大学(勝ち点9/得失点差-6)

※11位と12位が2部降格

取材・文=内藤悠史

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