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雄叫びでFKを防御!? 「効果はあった」“作戦勝ち”の流経大が完封勝利

2017.05.06

流経大は専修大に勝利し、リーグ戦2連勝を飾った [写真]=平山孝志

「ウォォォォォー」
「ヨッシャー」

 FKの壁に入った流通経済大学の選手たちが、次々に雄叫びを上げた。

 3日に行われたJR東日本カップ2017第91回関東大学サッカーリーグ戦の専修大学戦。流経大が1点リードして迎えた70分、専修大の直接FKの場面でのことだった。

 ゴール正面、ペナルティーエリアのわずか外の位置に、専修大MF三沢直人がボールをセット。すると、壁に入った流経大の選手たちが、各々に叫び声を上げだしたのだ。「声」が影響をもたらしたのか(?)、三沢が蹴ったボールはクロスバーの上へ。この試合最大のピンチを凌いだ流経大は、1-0の完封勝利で2連勝を飾った。

「声」による防御を公式戦で披露したのは、この日が初めてだった。FWジャーメイン良は「練習ではずっとやっていたけど、試合ではなかなかああいうFKの場面がなくて。今日は相手のキッカーがすごく良いキッカーで警戒していたので、少しはプレッシャーを掛けることができたと思うし、効果はあったと思う」と明かした。

 キャプテンの石田和希は、「声」を出すことの重要性を語った。

「器用な選手が多いほど、足先だけの軽いプレーになってしまいがち。だから、声を出すことや気持ちを全面に出すことは大事だと思うし、それが流経大の良さだと思う。チームとして良い作用が起きている時は、みんなの声が出ているし、声を出すことによってまたみんなが動く。技術にプラスアルファしてそういうことをピッチ上でみんなが表現してくれると、チームの士気も高まるし、勝利につながると思う」

 もちろん、サッカーは相手があってのスポーツであることは認識している。「相手選手を侮辱しない声。あくまでこっちが気合を入れるために声を出しているだけなので」と石田。中野雄二監督は「ルールで許される範囲の中で、選手たちが自主的にやろうとしていることは認めているし、ああいうふうに闘志を見せるのは大事なこと」と話した。

 昨シーズンのリーグ戦は8位に終わり、インカレ(全日本大学サッカー選手権大会)出場権も逃した。屈辱を胸に秘め、8年ぶりのリーグタイトル奪還へ。流経大の選手たちは、できることをやり尽くす。

By 平柳麻衣

静岡を拠点に活動するフリーライター。清水エスパルスを中心に、高校・大学サッカーまで幅広く取材。

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