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関西大、天皇杯出場に王手 終了間際に清永丈瑠が劇的FK弾/大阪選手権

2016.08.18

ボレーシュートを放つ加賀山 [写真]=関西大学体育会本部関大スポーツ編集局

文=林亮佑(関西大学体育会本部関大スポーツ編集局)

 第40回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントではまさかの2回戦負け。その敗戦を選手たちは、「まだまだ受け入れられていない雰囲気があった」(前田雅文監督)という中で、第21回大阪サッカー選手権大会(第96回天皇杯全日本サッカー選手権大会大阪府予選)を迎えた。チームとして2連敗は許されない中で、対戦するのは大阪体育大学。前期リーグでは黒星、関西学生サッカー選手権では白星という五分の相手に対し、大阪府予選決勝進出を目指した試合が始まった。

 前半は開始直後にMF森主麗司、FW加賀山泰毅がシュートを放ってから攻め込まれる場面が目立つ。自陣でのプレーを余儀なくされ、関西大のサッカーを全くと言っていいほどさせてもらえない。CKから何度もゴールに迫られ耐えていたが、ついに30分に失点。その後も反撃の糸口を見いだせず、1点ビハインドで前半を終える。

 ふがいない内容にハーフタイムで前田監督が檄を飛ばした。すると、チームが変わったように積極的に攻め上がる回数が増えると、52分だった。左サイドからの関西大のスローインを頭でクリアされたが、それをMF藤村洋太が浮かした球でファーサイドへ。待っていた加賀山が一度ボールを流して体勢を倒しながらボレーシュートを放つとネットに突き刺さり追いつく。さらに60分、自陣からMF石井光輝が大きくクリアしたボールにFW竹下玲王が反応した。相手ディフェンスラインの裏を取ると、ドリブルでゴール前へ。GKとの一対一から冷静にゴールに流し込み逆転弾。あっという間に試合をひっくり返した。

 69分には相手シュートがポストに跳ね返されるなど運も味方につけ、流れをつかんだ。このまま加賀山、竹下の鮮やかな逆転勝利で幕を閉じるかと思われたが、アディショナルタイムに示された4分が思いもよらぬ結末を引き起こす。

 1分を経過したときに、相手のFKからこぼれ球を拾われまさかの同点弾。試合は振り出しに戻された。直後に森主のシュートがキGKに弾かれる惜しいシーンもあったが、得点できずに4分台に差し掛かる。ここで関西大がゴール前やや左寄りの位置でFKを獲得。キッカーは途中出場のMF清永丈瑠だ。「壁を超えたら入ると思っていた」(清永)。右足で弧を描いたシュートは壁を超え、ゴールへと吸い込まれていった。終了間際の勝ち越し弾に喜びを爆発。劇的なフィナーレでシーソーゲームを制した。

 前半の内容から失点を1に抑えたことが、後半の逆転につながった。前田監督も「ラッキーだった」と振り返るように、前半は圧倒された。だが、後半はハーフタイムで変わって入った塩谷仁が守備からリズムを作り、2トップの加賀山、竹下が決め、最後は途中出場の清永が決勝ゴールを決めるという最高の流れで大阪体育大を下した。ただ、石井主将はこれから対戦が予想される格上の相手に対し、「自分たちの質を上げていかないといけないと感じた」と足元を見つめ直した。次なる大阪府予選決勝で待ち構える相手はFC大阪。格上の相手に対してチャレンジャー精神を持って、大阪府代表の座をつかみにいく。

選手のコメントは関大スポーツのホームページ(http://kanspo.univ.nikkansports.com/?p=6899)に掲載しています。また、関大スポーツは関西大学の選手に独占インタビューを行い定期的にインターネットに掲載しております。その他にもTwitter(@kanspo)にて試合速報を行っています。ぜひ、ご覧ください!

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