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就任2年目で全国準V、順天堂大の堀池監督「ここがスタート」…ルーキー旗手の5得点は「期待以上」

2016.08.15

決勝戦後の記者会見で手応えと悔しさを述べた堀池監督 [写真]=岩井規征(サッカーキング・アカデミー)

 16年ぶりに出場した総理大臣杯は、「忘れられていたチーム」の復活を示す大会となった。過去6度の優勝を誇る順天堂大学は、第40回総理大臣杯全日本大学トーナメントで16年ぶりの出場を果たすと、勢いのままに20年ぶりの決勝進出。惜しくも明治大学に0-1で敗れ、準優勝に終わったが、堀池巧監督は「16年ぶりの出場で、日本の大学サッカー界からはもしかしたら忘れられた存在になっていたと思う。そういう中で、順天堂大学蹴球部が良いチームになったとアピールする場に少しはなったかな」と振り返った。

 決勝戦こそ、ここ4年間で3度決勝に進出している明治大を前に「完敗だった」と堀池監督は述べたが、1回戦から準決勝までの4試合はすべて無失点で勝ち上がり、勝負強さを見せつけた。

「暑い中、中1日での連戦で、自分たちはなるべく苦しくならないようにボールを動かしながらサッカーをしようと話して、ある程度はできたかなと感じました。守備は大会前に一番不安があった中、ピンチもあったけど、センターバックがラインコントロールをしながら、左右サイドバックやボランチも含め、非常に集中していた。GKの中村研吾もしっかり後ろで締めてくれた。(決勝で)1失点してしまったけど、我々にとっては実りのある大会でした」(堀池監督)。

 攻撃面では個の力が光った。静岡学園高校出身のルーキー旗手怜央は、準決勝までで4試合連続ゴールを記録。5得点を挙げ、順天堂大の躍進に大きく貢献した。堀池監督は「ボールを扱う技術やスピードはもちろん、何と言ってもボールを触ることや相手選手とのコンタクトを怖がらないことが一番の強み。相手の力を利用してターンすることは我々が教えなくても身についているし、ボールを触ってゴールまで向かう姿勢は期待以上のプレーを見せてくれた」と称賛。今後は、「しつこくマークされた時に、周りの人をうまく使える選手に。ただ、あまり人を使いすぎると彼の良さは消えてしまうので、両方とも使うこと。それがチームのためになる。怜央も相当悔しがっていたけど、これから何をすべきか考えられるかどうかが彼の成長に影響してくるので、そのサポートをしていきたい」と、さらなる成長に期待を寄せている。

「学年関係なく、1年生から4年生までフェアに見ている」という姿勢を就任当初から貫いている堀池監督は、実力があれば下級生でも積極的に公式戦で起用している。旗手のほかにも、チームの主力を担うルーキーのセンターバック村松航太やFW浮田健誠の名前を挙げ、「彼らも悔しい思いをしているだろうし、危機感を感じていると思う。今日の敗戦の中からもう一回頑張れるかというところを見ていきたい」。若くして大舞台で得た経験と悔しさは、彼らの未来、そしてチームの今後への糧となるはずだ。

「決勝戦前に『最大の喜びを持ち帰るか、最大の悔しさを持ち帰るかどちらかだ』という話をしていて、どちらの結果になっても選手の成長にはプラスになるけど、どうせだったら最大の喜びを持ち帰ろうと話していたけど、残念ながら逆になってしまった。全国タイトルを取るための覚悟、準備、自分たちの取り組み方が本当に良かったのか?と、選手たちはもう一度考えてくれると思う。この結果を受け入れて、また一からやりたい」(堀池監督)

 監督就任後2年目で成し遂げた全国準優勝を、新たな「スタート地点」と述べた堀池氏。同監督の指導の下、「良いチーム」から「強いチーム」へと進化を遂げようとしている順天堂大は、悔し涙で終わった夏の雪辱を、9月から始まる後期リーグ戦、そして冬の全国大会で晴らす。

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