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大きな経験と悔しさを胸に成長誓う中京大中京の1年生コンビ、井村と本山

2016.01.03

札幌大谷戦で得点後に抱き合う井村(右)と本山(左) [写真]=鷹羽康博

 第94回全国高校サッカー選手権大会の3回戦が3日に行われ、石川県代表の星稜と愛知県代表の中京大中京が対戦。前回王者の星稜が1-0で勝利して4年連続となる8強進出を決めた。

 敗れた中京大中京は1回戦の初芝橋本戦を4-0、2回戦の札幌大谷戦を3-0で制して勝ち上がってきたが、第90回大会以来となる同校史上2度目の8強進出は阻まれた。大会前に主将の石川将暉が負傷で離脱したこともあり苦戦が予想されたが、快勝した2試合では1年生コンビ、井村早良(2得点)と本山遊大(2得点1アシスト)が活躍を見せた。

 札幌大谷戦後、本山は「(委縮は)していないです。3年生の試合に出るのは慣れています。(先輩からも)チームが勝つことじゃなくて、自分が活躍することを頑張れと言われていました」とコメント。「プレーに制限を持たせず自由に」(岡山哲也監督、札幌大谷戦後)、「自分が有名になるチャンスだと思って頑張ってこい。ここはそういう舞台。チームを背負わなくていいからと声を掛けていた」(石川主将、星稜戦後)とチームとしての1年生への後押しが、結果につながっていた。

 高校入学後に知り合ったという2人は、「親よりも一緒にいる時間が長いので。洗濯とかも2人でやっています。いいライバル関係でもあります」(本山)、「遊大とは高校に入ってから一番仲良いので。選手権をこの一年目標にやってきて、『2人で一緒に出られたらいいね』と話して、実際に出て2人で点を決められたことは嬉しかったです」(井村)と関係性をそれぞれ語る。

 初めての選手権は3試合で終えることになったが、「この一年間があっという間でした。いろいろなことが新鮮ですごく早かったです。前回チャンピオンである星稜戦でも、最初は委縮しましたけど、途中から自分の流れに乗ってできるようになって」(本山)、「中学校から憧れていた舞台で、ここを目標にやってきた中で、1年生から試合に出られたことは嬉しかったです」と、充実の大会であったことはそれぞれ口にした。

 岡山監督は、「3試合を通じて、僕も驚かされるばかりで。来年、再来年で主軸になってほしいです。1年生として活躍したこともそうですし、こうやって負けを経験したことも今後プラスになると思います。本山は田舎のサッカー小僧でしたが、全国の舞台でもサッカー小僧として通用することが収穫でした。井村に関してはスピードもあるし、相手をよく見てプレーすることができる。プレッシャーが掛かると周りが見えなくなりがちですが、見えるということは力があるということ。スピードがあり、なおかつ周りを見ることができる。将来性は強く感じます」と両選手に大きな期待を寄せる。

「今年の結果を絶対に僕たちは超えなければいけないと思います。来年必ず戻ってきて、これより上の結果に行きたいです」(本山)

「精一杯やれたんですけど、チームが勝つことが大切なので、それが悔しさとして残っています。3年生の分まで、絶対愛知県予選は勝ち上がって、今回超えられなかった壁を僕たちが超えたいと思います」(井村)

 代え難い経験を手にした2人は悔しさ胸にさらなる成長を誓う。次の冬に一回りも二回りも大きな姿を見せてくれるに違いない。

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