FOLLOW US

駒大高ルーキー西田直也、突然の体調不良を跳ねのけ開幕戦で選手権デビュー

2015.12.31

「個人的には納得いかない試合だった」。12月30日に行われた第94回全国高等学校サッカー選手権大会、阪南大学高校との開幕戦に駒澤大学高校DF西田直也は唯一の1年生として出場した。

 晴れ舞台の前日、突然の体調不良が西田を襲った。「寝ると目眩がして、自分が回っているような感覚」。病院に直行すると、ストレスが原因だと診断された。点滴を打ち、翌朝には試合に臨めるまでに回復したものの、インターハイ予選後からレギュラーを担う守備の要の不調は「不安でいっぱいだった」(大野祥司監督)とチームの懸念材料だった。

 しかし、「試合前に先輩から『なかなか経験できない舞台だから、楽しんでやろう』と声をかけられて、気持ちが楽になった」というルーキーは、1万4016人の観衆が見守る中でも緊張した様子を見せることなく、堂々とプレー。試合後には、「中学を卒業する時、僕は『テレビに出てやる』とみんなに宣言した。それを今日実現できたので、『やってやったぞ』っていう気持ち」と、大会の中でも注目度の高い開幕戦で果たした選手権デビューを振り返った。

 ただ、プレー面では満足していない。60分にペナルティーエリア内で相手選手を倒してしまい、PKを献上。「相手がうまかったので、しょうがないと思ったけど、その後なかなか気持ちを切り替えられなかった」。チームはこの1失点で逃げきり、2-1で勝利を収めたものの、「悔しさが残っている」という。

「次につながったのはすごくうれしいけど、前線の選手がしっかりプレスにいってくれたから、対応しやすいボールしかこなかっただけ。次の試合で取り返したい」。西田は、尚志高校と対戦する2回戦での挽回を誓った。

文=平柳麻衣、写真=平山孝志

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

SOCCERKING VIDEO