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順天堂大、勝利への渇望を力に…無敗の流経大から勝ち点3奪う/関東大学リーグ

2015.05.08

順天堂大の長谷川(10番)はPKで先制点を決めた [写真]=濱野陽子

文=濱野陽子

 5日、JR東日本カップ2015第89回関東大学サッカーリーグ戦1部リーグ第7節が各地で開催された。龍ヶ崎市陸上競技場たつのこフィールドで行われた第1試合では、首位の流通経済大学と6位の順天堂大学が対戦。2-1で順天堂大が勝利を収め、流経大が今季初の黒星を喫した。

 試合は前半の早い段階で勝負が決まった。立ち上がりから順天堂大が主導権を握り、流経大を完全に圧倒すると、前半11分、セカンドボールを拾った順天堂大FW長谷川竜也がドリブルで中央に切りこみラストパス。ボールを受けたFW松島奨真がペナルティーエリアで倒され、PKを得た。これを長谷川が冷静にゴールに沈め先制点を挙げると、ここからさらに勢いづく。26分、長谷川が、裏に走っていたMF米田隼也にヒールで流し、米田がセンタリングを上げたところを松島が詰めて2点目。2つのゴールの起点となった長谷川は「ずっと勝てていなかったから、みんなすごく勝ちたいという気持ちがあった。その気持ちが結果にもつながったと思う」とこの日のチームの奮闘を称えた。

 一方の流経大は前半なかなか自分たちのペースをつかめず、シュート数もわずか2本。「守備からの攻撃がチームの持ち味」(流経大GK中島宏海)という流経大だが、肝心の守備が機能せず、2-0のまま前半が終了した。

 後半、2点を追う流経大はスタートから積極的に攻撃を仕掛ける。しかし順天堂大も引かず、攻めては攻め返されと、両者ともに一瞬たりとも気の抜けない状態が続く。そんな中、流経大にピンチが迫る。67分、流経大のMF塚川孝輝がこの試合で2枚目の警告を受け退場。数的不利に陥った。

 逆転するには厳しい状況ながら、ここで流経大が意地を見せる。CKのクリアボールをDF小池裕太が押しこみゴール。1点差に詰め寄った。貴重な追撃弾を決めた小池は得点シーンを次のように振り返る。「自分は身長が大きくないので、こぼれ球を狙っていた。コースは見えていなかったけど、GKの位置は見えたから感覚で打った。得点できたのは良かったけど、それがチームの勝利につながらなかったのは本当に悔しい」

 同点ゴールを狙う流経大は、DF湯澤聖人が積極的にドリブルで突破し順天堂大のゴール前へ迫るものの、決定機は作れない。また逆サイドでは小池が自身でも語る「スピードを生かした縦への仕掛けや、そこからのクロス」という持ち味を発揮して、ゴール前へ折り返す場面もあったが、惜しくもゴールには結びつかず。後半は流経大がペースを握ったものの、あと一歩届かず、このまま試合終了。順天堂大が逃げ切った。

 流経大の主将を務めるGK中島は「自分たちのベースは守備で統一感を持つこと。そこで崩れてしまい結果的に負けた。前からのプレッシングなどで欠けていた部分があった。失点についても、戦術より、これまで負けていないという自分たちのおごりが出てしまった」と反省を口にした。

 一方、順天堂大の長谷川は「自分たちでの判断が求められている。監督の言ったことだけでなく、言われたことを自分たちで理解してプラスアルファを付けていくための作業に取り組んでいる。後半で言えば、どこが空いているか、どこがチャンスになるか、みんなで分析しながらプレーできたら、もっとチャンスが生まれていた」と勝利に浮かれることなく、チームの反省点を冷静に分析した。勝てない試合が続いていたが、この日の勝利は自信となったはず。順天堂大のこれからの躍進が期待される。

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