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塚川孝輝の先制点を守りきり、流経大が国士舘大に勝利/関東大学リーグ

2015.04.16

[写真]=濱野陽子

文=濱野陽子

 11日、ぱらつく雨が止み始めた多摩陸上競技場で、JR東日本カップ2015 第89回関東学生サッカーリーグ戦、1部第2節、国士舘大学対流通経済大学の一戦が行われた。試合は前半からアグレッシブに攻める流経大が優勢に進めるも、わずかなチャンスを確実にフィニッシュまで持ちこむ国士舘大も意地を見せ、一進一退の展開となった。

 国士舘大は開幕節、早稲田大学を相手に0-1で黒星スタート。一昨年はインカレ準優勝、昨年のリーグ戦は5位と上位をキープしている強豪で、速さとスタミナが持ち味のチームだ。対する流経大は2年連続で総理大臣杯優勝、昨年のインカレ優勝と実績十分で、毎年多くのプロ選手を輩出しており、今年もすでにDF湯澤聖人の柏レイソル加入が内定している。4年生を中心に構成されたメンバーは、その多くが2年生から試合に出場し経験豊富で実力者ぞろい。機は熟したと言える今年は、総理大臣杯、リーグ戦、インカレ優勝と前人未到の3冠を目標とする。

 試合は立ち上がりから流経大がボールをキープし、右サイドの中村慶太と左サイドの西谷和希を起点に、左右から果敢に仕掛け国士舘大エリアをかき回す。一方の国士舘大も、相手の攻撃を受けるだけでなく、流経大の隙を突きボールを奪うと、細かくパスをつないでシュートまで持ちこむなど、互いに持ち味を発揮していた。

 スコアが動いたのは14分。国士舘大のクリアボールに反応したMF塚川孝輝が右足を振りぬき、カーブしたボールがゴール右上に吸い込まれ、流経大が先制点を挙げた。塚川は「クリアされたボールが自分のところに来て、右足で振りぬいたらアウトにかかってニアの上に入った。ほとんど奇跡」と自身のゴールを振り返る。

 先制して勢いに乗る流経大は、左右に加えて中央からもチャンスを演出。前半40分にはMF森永卓がタイミングを見計らい、走りこむFWジャーメイン良に絶妙なスルーパス。得点には結びつかなかったものの、前半はそのまま流経大ペースで終了した。

 後半に入ると、国士舘大が積極的に攻撃を仕掛けていく。立ち上がりは高見啓太を中心に右サイドより攻めることが多かったが、後半18分にMF荒木翔に代わってMF田中智也が入ると、田中が中盤左サイドから中央にドリブルで駆け上がりゴール前まで持ち込むシーンも見られた。後半25分には右サイドからのクロスにDF藤嵜智貴が合わせ、ダイレクトシュート。しかし惜しくもゴールポスト左に逸れ、この日最大のビッグチャンスも決めきれず、流経大がリードを守りきり、試合終了の笛が吹かれた。

 貴重な1点を奪い取った塚川はこれがリーグ戦初ゴール。「今回のゴールは奇跡だった。まずはしっかり献身的にボールを拾って、チームのために何ができるかを考えつつ、隙があれば、またゴールを狙いたい」と今後への意気込みを語る。1年時から試合に出ている塚川だが、去年まではDF登録、今年からMF登録となった。聞けば塚川は、小学生時代はMF、高校時代はFW、大学ではセンターバック、右サイドバック、MFとほとんどのポジションをこなしてきたユーティリティープレイヤー。自身はボランチで体を張ったプレーが得意と話しているが、得点にも十分期待が持てる。

 一方、国士舘大の高見は試合をこう振り返る。「前節はシュートが少なかったこともあり、チャンスを作る練習に取り組んできて、そこは少しはできたと思う。立石が縦への推進力があるので裏へのパスを意識していたが合わなかったので修正していきたい。ハーフタイムには監督から左サイドもうまく使おうと話があり、後半は左右から攻め、あとは点を決めるだけだった」。試合終了の笛が吹かれた後、高見はピッチにひざをつき、立ち上がることができなかった。「勝てる試合だったので悔しかった」と率直な心境を口にした。

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