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高校女子選手権が開幕…連覇狙う日ノ本は5発快勝、常盤木がインハイ3位・作陽に勝利

2015.01.04

日ノ本学園(赤)は前橋育英に勝利して連覇へ好発進 [写真]=吉田孝光

 第23回全日本高等学校女子サッカー選手権大会が3日、兵庫県三木市などで開催され、1回戦の16試合が行われた。

 1回戦で最大の注目カードとなった常盤木(東北地域第1代表/宮城県)vs岡山作陽(中国地域第1代表/岡山県)は、この大会に照準を合わせてきた常盤木が4-1で圧勝した。エースのFW白木星と、シャドーストライカーのMF小林里歌子が2得点ずつを決めるだけでなく、盛り返してきた作陽の勢いを制し、2年ぶりの選手権制覇に向け好発進した。

 キックオフ前はピッチにうっすら積もった雪で緑の芝が見えない状態だったが、東北と中国の第1代表同士の一戦は時間を追うごとに激しさを増し、徐々に雪が解けて緑色が姿を現していく。22分と23分の連続ゴールで常盤木がリードを奪うまでは互角な展開だったが、その後は常盤木ペースで進む。

 しかし作陽のMF森迫あやめが果敢なチェイスでボールを追い回し、前半アディショナルタイムにその森迫が1点を返す。理想的な時間に点差を縮め「森迫の得点で奮い立たされたが、そこからはもう、私の力不足」と作陽の池田浩子監督が振り返った後半は、作陽が盛り返すことはできなかった。

 63分に白木が「公式戦では初めてヘディングで決めた」と話す高い打点の追加点で3-1。70分頃からは、作陽がトレーニングを積んできたDF宮地明日翔を前線に置くパワープレイで得点を狙ったが、逆に試合終了間際に小林にもう1点を許し、夏のインターハイ3位の作陽が、大会から早くも姿を消した。

 白木からは「自分で持ち込んで距離のあるシュートを決めることができなかった。それに、もっと自分の後ろの味方を見ることができていたら」と課題ばかりが口を突いて出た上に、小林も「へんなプライドを捨てて、もっとがむしゃらにプレーを続けないと」と気を引き締め、全国制覇へさらに精度を上げるつもりだ。

 常盤木をはじめ、各校からマークされる存在となった日ノ本(関西地域第1代表/兵庫県)の初戦は、初出場の前橋育英(関東地域第4代表/群馬県)が相手だった。こちらは実力の差が明確にスコアに表れ、5-0で前回女王の日ノ本が順当に2回戦へ進んだ。

 立ち上がりからエンジン全開で攻める日ノ本は、2年生ストライカーFW黒田桂子の8分の先制弾を皮切りに、DF竹村美咲主将のヘディングゴール、MF八坂芽依(アルビレックス新潟レディース内定)の2得点などで、前半だけで5-0に。

 勝利をほぼ確実なものにすると、次々と選手交代をして後半を戦ったが、シュート数は伸びるものの、それ以上ゴールネットは揺れなかった。前橋育英はFW樋口明日香がボールを持てば可能性を感じさせたが、フォローする味方が少なく、単発の攻撃に終始した。

 日ノ本として初の選手権連覇に挑む田邊友恵監督は「最後のところの精度、判断が悪く、選択肢の少なさが目立った。チームの仕上がりは75%くらい」と、特に後半の出来に不満の様子で言葉少な。

「しんどい試合は必ず出てくる。そこでしっかりゴールを取り切れるよう、チームの質を上げていきたい」と、竹村はチームメイトのさらなる奮起を信じて、初戦の会場を後にした。

 他会場では、村田女子(関東地域第1代表/東京都)vs神村学園(九州地域第1代表/鹿児島県)の関東と九州の第1代表校が対戦し、PK戦の末に村田女子に軍配。藤枝順心(東海地域第1代表/静岡県)はU-18日本女子代表MF杉田妃和の2得点、FW児野楓香のハットトリックで高梁日新(中国地域第2代表/岡山県)に12-0で圧勝した他、創部1年目の星槎湘南(関東地域第6代表/神奈川県)が初の全国で1勝を挙げた。

 2回戦の8試合は4日に行われ、九州地区予選で初めて準優勝の成績を残した鎮西学院(九州地域第2代表/長崎県)が、日ノ本に挑戦する。修徳(関東地域第3代表/東京都)vs湘南学院(関東地域第5代表/神奈川県)の関東対決も熱戦が期待できそうだ。

■1回戦結果
日ノ本学園高校(関西1/兵庫) 5-0 前橋育英高校(関東4/群馬
鎮西学院高校(九州2/長崎) 3-1 富岡高校(東北3/福島)
広島文教女子大学附属高校(中国3/広島) 1-3 修徳高校(関東3/東京)
宮崎日本大学高校(九州4/宮崎) 1-4 湘南学院高校(関東5/神奈川)
常葉学園橘高校(東海2/静岡) 9-0 北海道大谷室蘭高校(北海道1)
大商学園高校(関西2/大阪) 3-1 日本航空高校(関東2/山梨)
鳴門渦潮高校(四国2/徳島) 6-0 松商学園高校(北信越3/長野)
村田女子高校(関東1/東京) 1-1(PK8-7) 神村学園高等部(九州1/鹿児島)
常盤木学園高校(東北1/宮城) 4-1 岡山県作陽高校(中国1/岡山)
松山東雲高校(四国1/愛媛) 0-6 星槎国際高校湘南(関東6/神奈川)
柳ヶ浦高校(九州3/大分) 2-2(PK4-2) 福井工業大学附属福井高校(北信越1/福井)
京都精華女子高校(関西4/京都) 1-2 聖和学園高校(東北2/宮城)
神戸第一高校(開催県/兵庫) 1-8 三重高校(東海3/三重)
大阪桐蔭高校(関西3/大阪) 2-0 開志学園JSC高等部(北信越2/新潟)
津田高校(四国3/香川) 0-7 北海道文教大学明清高校(北海道2)
岡山県高梁日新高校(中国2/岡山) 0-12 藤枝順心高校(東海1/静岡)

■2回戦組み合わせ(4日開催)
日ノ本学園高校 vs 鎮西学院高校
修徳高校 vs 湘南学院高校
常葉学園橘高校 vs 大商学園高校
鳴門渦潮高校 vs 村田女子高校
常盤木学園高校 vs 星槎国際高校湘南
柳ヶ浦高校 vs 聖和学園高校
三重高校 vs 大阪桐蔭高校
北海道文教大学明清高校 vs 藤枝順心高校

文・取材=馬見新拓郎

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