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高校選手権を前に姿を消した実力者…J内定の志村滉・鎌田大地・熊谷駿

2014.12.23

千葉県予選決勝で敗退した市立船橋の守護神、志村滉 [写真]=瀬藤尚美

 いよいよ第93回全国高校サッカー選手権大会が始まる。熱き熱戦が始まる前に、この大会には参加できず、予選で敗れ去った多くのチームの中から、来年以降新たなステージで羽ばたこうとしている選手たちを紹介していく。

 流通経済大柏との千葉県予選決勝。市立船橋のゴールマウスに君臨した志村滉は、この世代きってのGKだ。最大の魅力は正確なキャッチング技術とセービングセンス。ハイボールに対しては、どんなに難しいボールにも鋭い予測と、軽やかなステップ、そして跳躍力とボールに対する吸収力で、いとも簡単に両手に収める。決勝では「志村がいるとハイボールはすべて取られてしまうので、徹底してグラウンダーを狙った」と流通経済大柏の主将・小川諒也(FC東京入団内定)が語ったように、セットプレー、クロスのほとんどがグラウンダーだった。結果は2点リードから後半に3失点し、2-3の逆転負け。だが、この3失点は防ぎようの無い失点で、逆に2つのビッグセーブを見せるなど、高校ナンバーワンGKにふさわしい働きは見せていた。

「3失点するということは、まだまだ自分が実力不足な証拠。もっとポジショニングやステップワーク、セービングなどの質を上げていかないとプロでは通用しない」と語った志村。卒業後はジュビロ磐田入団が内定している逸材は、より隙の無いGKを目指し、新たなスタートを切った。

 京都府大会準々決勝、京都橘vs東山は、『事実上の決勝戦』と言われていた。東山のエースストライカー・鎌田大地は、相手の厳しいマークに苦しんだ。1-3とリードを許し、試合終了間際に1点を決めたが、時既に遅し。ライバルに2-3で惜敗した。

 180センチの高さを持ち、スピードとボールコントロール、シュートセンスに長けたストライカーは、高円宮杯プレミアリーグではチームは最下位で降格をしてしまったが、10得点をマークし、得点ランキング4位タイにつけるなど、一人気を吐いた。バイタルエリアでのフィニッシュワークに長け、さらに強引さも付いてきた彼の心は、次なるステージであるサガン鳥栖に向けられている。

『東北のハイタワー』こと、190センチの高さを持った仙台育英DF熊谷駿。ベガルタ仙台ジュニアユースから仙台育英に入学すると、1年生の時からレギュラーを張り、今年は2年連続でインターハイに出場。選手権予選も優勝候補と目されていたが、準決勝で宮城県工に1-2の敗戦。高校サッカーは幕を閉じた。

「高校生には絶対にヘッドで負けるな」と城福敬監督から言われていたように、3年間かけてヘッドを徹底的に鍛え上げ、自らの大きな武器に変えていった。まだカバーリングや足下に課題は残すが、これだけの体躯を持つだけに、うまく育てれば大きな花を咲かせる可能性がある。卒業後はヴァンフォーレ甲府に入団が内定している。甲府の地で花を咲かせるために、第一歩を踏み出す。

文=安藤隆人

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