2014.08.03

【インハイ・ピックアップ選手】青森山田の1年生GK廣末陸、屈辱晴らすPK戦3セーブ

インターハイ2014
帝京大可児とのPK戦で3セーブし勝利に導いた青森山田GK廣末陸 [写真]=川端暁彦

 試合後の青森山田高校・黒田剛監督が苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていたのも無理はない。帝京大可児高校と激突した2回戦。青森山田は崩せそうで崩せず、破れそうで破れぬままタイスコアで70分を終了。PK戦と持ち込まれてしまった。「これで内容が良いとは言えない」と語る試合にしてしまった。

 ただ、1-1で迎えたPK戦は驚きに満ちていた。4カ月前に入学してきたばかりの1年生GK廣末陸が獅子奮迅の働きを見せたのだ。青森山田が1本成功した後に迎えた帝京大可児の1本目を見事に止めると、続く青森山田の2番手が失敗。不穏な空気が流れたところで、相手の2番手だったエースFW藤田章太郎のキックを横っ飛びでストップ。さらに相手の3番手のシュートはいったん弾いたあとに、バウンドしてゴールへ転がり入りそうになるボールへ再反応。鋭くかき出す野性味抜群のセービングを見せ、これも阻止。続く青森山田の4番手が成功したところで、勝負あり。シャットアウト、PK完封で見事にチームを3回戦へと導いてみせた。

 中学時代はFC東京U-15深川でプレー。身長が足りなかったことに加えて同世代に年代別日本代表にも名を連ねるGKもいたことで昇格が見送られ、高体連チームへ進むことに。「高円宮杯プレミアリーグに出ている高校に行きたかった」こともあって、夏休みに北海道で行われた全国大会から“ハシゴ”する形で青森山田へ練習参加。その練習の内容に好フィーリングを得て、親元を離れる決断を下す。「流経大柏とか関東の高校も考えたけれど、自立したかったので」と廣末はその理由を語った。

 そして、入学早々から大抜擢を受けていきなり正GKに起用された廣末は、「監督には感謝するしかない」と語るが、その座を保持し続けているのは紛れもなく実力ゆえだ。「まだ三振かホームランか。そんなところもある」と黒田監督は辛口に評価しつつも、「キックもいいモノを持っているからね」と信頼を口にする。

 もともと小学校時代はFW。ただし、いざPK戦となればGKを務めるというスタイルだった。FC東京からは「GKとしてなら」という条件付きで誘われて、決断したのだという。それだけに、フィールダーと遜色ない足元の技術的な素養は持っている。

 もっとも、PKに自信があったのは小学校時代まで。ゴールの大きくなった中学年代では「勘では止められなくなった」。高校入学後も鹿児島実との練習試合後に行われたPK戦で、相手の11人全員が蹴ったシュートに対して廣末は、「10本で逆に飛んだ」。残る1本も届かず、屈辱の全員成功を許してしまった。悔しくてその映像を見返して練習に励み、大会直前の星稜との練習試合では見事なPKストップを見せるなど、手応えをつかんでいたという。このインターハイの2回戦は、まさにその成果を発揮する場となり、チームを3回戦へと導いた。

(文=川端暁彦)

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