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伝統の早慶戦、初の等々力開催…“慶應キラー”上形の決勝弾で、早稲田大が3年連続完封勝利

2014.07.03

男女揃って記念撮影する早稲田大の選手たち [写真]=内藤悠史

 男女同日開催の早慶定期戦が2日に行われ、慶應義塾大学と早稲田大学が激突した。国立競技場の改修工事に伴い、初めて等々力陸上競技場で開催された伝統の対決。16時30分にキックオフとなった第13回早慶女子定期戦は、0-0のスコアレスドローに終わり、早稲田大が大会無敗を守った。

 そして、19時キックオフで行われた第65回早慶定期戦。1万320名もの観衆を集め、試合前には両校の応援団によるエール交換などのセレモニーが行われた。バックスタンドは1階席、2階席ともに埋め尽くされ、ライバル校対決ならではの雰囲気に包まれる中で繰り広げられた熱戦。決着をつけたのは、早稲田大FW上形洋介(4年・早稲田実業学校高等部出身)の一撃だった。2年前の定期戦で先制点を挙げ、今年5月の関東大学1部リーグ第7節の対戦でも2得点を記録した“慶應キラー”が、早稲田大を3年連続勝利に導いた。

 前半は互いに決定機の少ない、堅い展開となった。慶應義塾大はDFと中盤が2ラインを形成し、守備ブロックを組む。一方の早稲田大も、相手GKにバックパスが出た瞬間に最終ラインをハーフウェーライン付近まで押し上げるなど、コンパクトな陣形を保った。最初の決定機は37分、慶應義塾大のFW加瀬澤力(2年・清水東高校出身)が中盤からの浮き球のパスに反応。最終ラインの背後を取ってGKと一対一となったが、ループシュートは枠の上へ外れた。

 均衡が破られたのは後半開始早々の48分だった。早稲田大の主将MF近藤洋史(4年・名古屋グランパスU-18出身)が右CKを蹴り込むと、DF西山航平(3年・浦和レッズユース出身)がヘディングシュート。一旦はGK峰達也(4年・桐光学園高校出身)に阻まれたが、こぼれ球をFW上形が頭で押し込んだ。1点をリードした早稲田大は、一段と盛り上がる応援席からの大声援を受け、さらに攻勢をかける。53分には、セットプレーからゴール前での混戦となり、最後はMF市村一貴(3年・桐蔭学園高校出身)がシュート。GK峰に横っ飛びでかき出された。以降も、MF近藤貴司(4年・三菱養和SCユース出身)が持ち前のスピードを活かした突破を見せ、何度も右サイドを突破。得点には結びつかなかったが、チャンスを演出した。終盤には慶應義塾大に押し込まれる場面もあったが、GK松澤香輝(4年・流通経済大学付属柏高校出身)を中心に反撃を許さず、完封勝利を収めた。

 自身2回目のMVP受賞となったFW上形は試合後、「何となく得意というか、今まで点を取れているので、早慶戦になると取れる気がしています。“ごっつぁんゴール”でしたけど、取れて良かったです」と、笑い、「ワンプレー、ワンプレーを噛みしめながらできました。定期戦は最後なので、時間が過ぎていく寂しさもありました。支えてくれている人たちと喜びを分かち合えることが一番うれしいので、笑顔を見た時に、本当に勝てて良かったと思いました」と、喜びを語った。

 また、堅守を支えたGK松澤も、「重みのある一戦なので、皆の前で勝てて良かったです」と、コメント。6月以降、公式戦での成績が振るわない中で迎えたライバル校対決を制したが、「チーム状況はまだ変わっていないと思う。自分が引っ張って変えていかないと。この勝利をきっかけに変わっていければ」と、今後の飛躍を誓っていた。

 早慶定期戦の通算成績は、早稲田大の33勝、慶應義塾大の18勝、引き分けが14回となっている。

文=内藤悠史

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