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正確な技術と思い切りの良さを叩き込まれた國學院久我山のルーキー澁谷雅也に注目

2014.04.15

澁谷雅也【写真】=安藤隆人

 本連載の著者である安藤隆人氏は、元銀行員という異色の経歴を持つサッカージャーナリスト。今では、高校サッカーを中心に日本列島、世界各国を放浪し精力的な取材を行っている。巷ではユース教授と呼ばれる。本連載では安藤氏の“アンダー世代”のコラムをお届けする。

文=安藤隆人

 13日に行われた高円宮杯U-18プリンスリーグ関東の第2節・國學院久我山VS桐光学園から澁谷雅也を紹介したい。

 澁谷は國學院久我山のルーキー。レギュラー争いが激しい名門・國學院久我山において、1年生の4月の段階で背番号9を背負い、がっちりとレギュラーを確保しているだけでも、能力の高さを証明しているが、この試合でも攻撃センスを存分に発揮した。

 スタートは4-2-3-1の左ワイドで出場し、スピード溢れる裏への抜け出しと、ギャップへの飛び込みで攻撃にアクセントを加えた。後半からトップ下にポジションを変えると、さらに存在感を発揮。1-1で迎えた50分、バイタルエリアでくさびを受けると、素早く反転し、ドリブルで突っかける。食いついてきたDFと裏に抜け出そうとするMF飯原健斗の動きを見逃さず、絶妙なタイミングでスルーパスを送り込む。飯原が完全に抜け出すと、相手DFのファールを誘い、このプレーで一発レッドカード。桐光学園を数的不利に追い込んだ。

 そして75分、バイタルエリアでのこぼれ球を、ルーレットターンで一人交わして一気に前を向くと、囲んできたDF2人に対し、上体を左右に振ってタイミングをずらしてから、思い切りよくシュートを放つ。強烈なシュートはDFに当たるも、そのままゴール左隅に吸い込まれていった。

 値千金の勝ち越し弾。殊勲の1年生を中心に歓喜の輪が出来た。だがその後、チームは同点に追いつかれ、勝利をすることが出来なかったが、残したインパクトは強烈だった。

 抜群のボディーバランス、アジリティー、そしてターンからの突破という自分の得意の武器を持っている澁谷は、國學院久我山の李済華監督が代表を務める、ジェファFCU-15出身。正確な技術と判断力、思い切りの良さを叩き込まれ、高校で李監督の下、更なる研磨をしようとしている。彼はどこまで伸びるのか。これからの3年間が楽しみな存在だ。

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