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明治大1年の室屋成、大学屈指のサイドバックが抱く大いなる野望

2014.02.09

本連載の著者である安藤隆人氏は、元銀行員という異色の経歴を持つサッカージャーナリスト。今では、高校サッカーを中心に日本列島、世界各国を放浪し精力的な取材を行っている。巷ではユース教授と呼ばれる。本連載では安藤氏の“アンダー世代”のコラムをお届けする。

文=安藤隆人

 注目の新2、3年生選手特集。3人目は、ちょっと趣向を変えて、大学新2年生のタレントを紹介しよう。

 明治大学サッカー部1年生の室屋成。青森山田高校時代、U-17日本代表として2011年メキシコU-17W杯に出場。本来は右サイドバックだが、左サイドバックもこなす器用さを披露し、ベスト8進出に大きく貢献。サイドから高いアップダウン能力を駆使し、守っては対人の強さを発揮すると、攻めては敵陣深くまで切り裂いて、正確なクロスを供給する。

 青森山田で過ごした3年間で大きく成長した彼は、高校卒業時には清水から正式オファーを受けるなど、Jクラブが触手を伸ばす存在となった。

 しかし、彼は明治大進学を選んだ。もちろん、彼の夢はプロになることであるが、堅実で真面目な性格の彼は、「先生や指導者になることも考えている」と、将来のことを考えての選択を下した。

 実力はすぐにでもプロで通用するレベルにある。それだけに、当たり前のように1年生の時から右サイドバックでレギュラーを掴むと、正確なクロスと献身的な攻守の関わりで、たちまち大学サッカー界屈指のサイドバックとなった。

「自分ではどの試合もまだまだ納得のいく出来には達していません。いつも僕はJリーグやもっと高いレベルを想定しながらプレーしています。でも、どうしても自分に甘えてしまったりして、その意識が下がってしまうときがあるので、それを無くしていきたい」

 彼は今の自分の地位に胡坐をかくことはない。なぜならば彼はプロになる目標と、「日本代表に入って、海外にも行きたい」という野望があるからだ。それに小学校時代、ゼッセル熊取FCのチームメートで、U-17日本代表でもチームメートだったFW南野拓実は、すでにセレッソ大阪でレギュラーとして活躍している。

 飽くなき向上心とライバルへの対抗心を持ちながら、彼は明治大学で2年目のシーズンを迎える。

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