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JFLで史上初の外国人女性監督が誕生…世界で実績を残してきた女性たち

2019.03.16

確かな実績を残してきた女性たち [写真]=Getty Images

 明治安田生命J1リーグの開幕から遅れること23日。3月17日には、第21回日本フットボールリーグ(JFL)が開幕する。

 J1リーグから数えて“4部”にあたるJFLでは今季、日本サッカー史上初めてとなる外国人女性監督が誕生した。鈴鹿アンリミテッドが今年1月に招へいしたのは、スペイン人女性のミラグロス・マルティネス・ドミンゲス氏。現在33歳の彼女はUEFAプロライセンス(日本のS級に相当)を保有しており、これまではスペイン国内で指導してきた。鈴鹿によると、外国人女性指揮官の就任はJFL・Jリーグで過去に例がなく、同氏にとっても男子チームを率いるのは初めてのことだという。

 一方、世界に目を向けると、まだまだ数は少ないとはいえ、男子チームを率いたことのある女性監督は存在する。そこで今回は、男社会のサッカークラブで“ボス”となって確かな実績を残してきた女性たちを紹介しよう。

コリーヌ・ディアクル

コリーヌ・ディアクル

[写真]=Getty Images

生年月日:1974年8月4日(44歳)
国籍:フランス

現役時代にフランス女子代表DFとして121試合に出場し、キャプテンまで務めたプレーヤー。女子サッカー界では知る人ぞ知る存在である。そんな彼女は2014年6月にリーグ・ドゥ(フランス2部)のクレルモン・フットの監督に就任。欧州のプロサッカーリーグで初めて、男子のクラブを率いて公式戦を戦った女性になった。すると就任初年度はリーグ12位、2年目は7位という好成績を残し、『フランス・フットボール』誌が選出する2015年のリーグ・ドゥ最優秀監督にも選出された。この活躍が高く評価され、2017年8月からはフランスの女子代表チームを指揮。自国開催となる今夏の女子ワールドカップでは、男子代表チームに続く“世界一”を狙っている。

エレナ・コスタ

エレナ・コスタ

[写真]=Getty Images

生年月日:1978年4月15日(40歳)
国籍:ポルトガル

ディアクルの就任前、クレルモン・フットで初の女性監督となったのが、ポルトガル出身のエレナ・コスタだった。ベンフィカの男子ユースチーム、カタール女子代表、イラン女子代表などで指揮官を務めたあと、2014年5月にクレルモン・フットの監督に就任。欧州の男子プロサッカー界で初めて監督に任命された女性とあって、当時は世界中から大きな注目を集めた。しかし、わずか1カ月でクラブとの契約を解除。フロントとの意思疎通に問題があったことなどを理由に、シーズン開幕を待たずしてクラブを離れた。それでも2017年6月には、ブンデスリーガ初の女性スカウトとしてフランクフルトに入団。現在、同クラブで活躍するセルビア代表FWルカ・ヨビッチの獲得にも携わった。

チャン・ユエンティン

チャン・ユエンティン

[写真]=Getty Images

生年月日:1988年10月7日(30歳)
国籍:香港

20代で男子サッカークラブの監督に就任し、しかもトップリーグ優勝という偉業を成し遂げたのが、香港出身のチャン・ユエンティンである。同国の女子代表歴を持つ彼女は、2015年12月に27歳の若さで母国のイースタンSCの監督に就任。すると、1年目でリーグ優勝を飾った。男子サッカーのトップリーグで優勝した世界初の女性指揮官としてギネス世界記録に認定。イギリスメディア『BBC』の「世界の女性100人」にも選出され、2017年にはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の舞台に立った初めての女性監督となった。その後、アジアサッカー連盟のプロライセンスを取得するために辞任。昨年7月に満を持してイースタンSCの監督に復帰したが、“2度目の挑戦”は思うようにいかず、今年2月に成績不振で退任することが決まった。

イムケ・ビュッベンホースト

イムケ・ビュッベンホースト

[写真]=Getty Images

生年月日:1988年2月10日(31歳)
国籍:ドイツ

ドイツサッカー史上初めて、男子チームを率いる女性監督がイムケ・ビュッベンホーストだ。U-19世代の欧州王者に輝いたこともある彼女は、ドイツ5部リーグに在籍するBVクロッペンブルクの女子チームで選手兼コーチとして活躍していた。だが、男子チームの監督が他クラブへ“移籍”したため、昨年12月から後任を務めることに。チームは残留争いの真っ只中にあり、監督デビューシーズンにして重要な責務を担っている。地元の記者からはセクハラまがいの質問を受けることもあるが、鋭い切り返しを披露。若くて優秀な指導者が次々に生まれているドイツで、彼女が今後どんなキャリアを歩むのか注目が集まる。

パトリツィア・パニーコ

パトリツィア・パニーコ

[写真]=Getty Images

生年月日:1975年2月8日(44歳)
国籍:イタリア

現役時代にはストライカーとして活躍し、約20年間にわたってイタリア女子代表でもプレー。同国女子代表の最多出場記録と最多得点記録を保持する、正真正銘のレジェンドである。そんな彼女は2016年の現役引退後、イタリアU-16男子代表のアシスタントコーチに就任。翌年には監督に昇格し、イタリア男子サッカー界初の女性指揮官となった。昨年8月からは同U-15男子代表の監督を務めており、“カルチョ”の復権に向けて日々尽力している。

(記事/Footmedia)

By Footmedia

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

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