2016.10.07

14歳でプロデビューを果たした元祖“神童”フレディ・アドゥは今どうしてる?

2004年に14歳でプロデビューを果たしたアドゥは世界中の注目集めた [写真]=Getty Images
「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

 つい先日、わずか13歳のコートジボワール人FWカラモコ・デンベレが、セルティックのU-20チームに“飛び級”で参加してピッチに立ち、現地スコットランドで大きな話題を集めた。

 時を同じくして日本でも、バルセロナのカンテラで育ち、現在はFC東京U-18に所属する15歳のMF久保建英が2種登録でトップチームに登録されることが発表された。まずはJ3のFC東京U-23でのデビューを目指すが、「中学生Jリーガー」の誕生は、こちらも話題をさらった。

 こうした10代の若き才能が世を騒がせると、必ずといっていいほど“ある選手”の存在が引き合いに出される。それがアメリカの「元神童」フレディ・アドゥだ。

 アドゥは14歳でMLSのDCユナイテッドとプロ契約を交わし、アメリカ史上最年少のプロアスリートになった。2004年にはMLSの最年少デビュー記録を打ち立て、06年には同国史上最年少の16歳234日で代表デビューも飾った。当時は世界中が「ネクスト・ペレ」と騒ぎ、母国ではそのペレとCMで共演も果たした早熟のスターである。

 だが、17歳でレアル・ソルトレイクからベンフィカに移籍して以降、サッカーのトップシーンで彼の名が聞かれたことはない。衝撃のデビューから12年、ベンフィカからモナコ(フランス)、ベレネンセス(ポルトガル)、アリス・テッサロニキ(ギリシャ)、リゼスポル(トルコ)と期限付き移籍を繰り返した。フィラデルフィア・ユニオンに移籍して母国に復帰するも大きな転機にならず、その後はバイーア(ブラジル)、ヤゴディナ(セルビア)、KuPS(フィンランド)と渡り歩いたが、いずれも1年持たずに退団を余儀なくされた。

 そうして、気付けば27歳になった。アドゥはいま、タンパベイ・ロウディーズというクラブにいる。所属するのは北米サッカーリーグ(NASL)。MLSの2部にあたるリーグだ。

 15年7月にキャリア13クラブ目となるタンパベイと契約したアドゥは、今年のはじめに現地でのインタビューでこんなことを語っている。

「結局、僕が周りの言うことをコントロールすることはできない。僕がデビューしたとき、ペレと比較されたのは、僕が選んだことじゃない」

「ただ、しっかりと取り組まなかったのは自分自身だ。どんなに早熟だって、あらゆる選手が成長しなければいけない。でも、僕は費やすべき時間を捧げてこなかったし、多くの時間を浪費してきた。それが僕のキャリアを何年も無駄にしたんだ」

 11~13年まで在籍したフィラデルフィア・ユニオン時代も、プレーに集中せず、夜な夜なパーティーに参加するなどピッチ外での振る舞いが問題視されて放出され、飛躍の機会を逃した。だが、そんな自分と決別し、「すべての習慣を変えて、プロのサッカー選手であることにすべてを捧げる」ために、彼は2部での挑戦を選んだという。そんなタンパベイでの生活も1年半になるが、ここでもまだ、アドゥはレギュラーを確保できずにいる。やはり、“失われた時間”は決して小さなものではなかったのだ。

 まだ27歳。本人が「33~34歳になる前に気付けてよかった」と言うように、アドゥにはまだ、後悔のない形でキャリアを終えるチャンスがある。とはいえ、大きすぎる重圧への対処や本人の心持ち、さらには移籍のタイミングから、いい指導者に出会えるかといった運も含めて、「神童」と呼ばれる選手が大成する上で、アドゥの波瀾万丈なキャリアストーリーは、典型的な“教訓潭”と言えるかもしれない。

(記事/Footmedia)

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