2016.01.10

2発の銃弾で重傷を負った元トーゴ代表GK、恐怖からの復活を語る

オビラレ
2006年のW杯に出場していた元トーゴ代表GKオビラレ [写真]=Getty Images
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 イギリスメディア『BBC』は、「元トーゴ代表GKコジョヴィ・オビラレが、狙撃されてからの6年を語った」と報じた。

 トーゴ代表として2006年のワールドカップにも出場したオビラレ氏。2010年にアンゴラで行われたアフリカネーションズカップに参加する予定であったが、開幕前に代表チームのバスが武装集団に襲撃される事件に遭遇した。

 ドライバーのマリオ・アジュア氏、アシスタントコーチのアバロ・アメレテ氏、そしてメディアオフィサーのスタニスラス・オクロー氏が殺害され、オビラレ氏も2発の銃弾を受けて瀕死の重傷を負った。

 オビラレ氏は奇跡的に一命を取り留め、南アフリカの病院に運ばれたものの、背骨や内臓に大きなダメージを負ったために下半身が不自由となり、サッカー選手としてのキャリアを絶たれてしまった。

 そのため一時期はかなり暗い生活を送っていたようだが、現在はフランスの街ロリアンに戻り、そこで障害を持つ人々にサッカーを教えるインストラクターとして働いている。

 8回の手術と長期のリハビリを経験したものの、まだ松葉杖を手放すことは出来ない。しかし、同氏はインタビューに対して以下のように話し、精神的には回復したと答えた。

「今では、僕の人生は変わった。精神的に良くなった。そして、心が大丈夫ならば、体は大丈夫だ。僕は働いているし、心は忙しい。それは多くの不安から逃れられることを意味するし、前に進むことが出来るよ」

「(銃弾を受けた後、アンゴラの女性が声をかけてくれていたが)僕は彼女の言葉は理解することが出来なかったが、自分との繋がりを感じていた。まるで理解しているかのように彼女の言葉に集中した。それは僕を落ち着かせてくれたよ」

「(南アフリカの病院で)僕はこれ以上抗いたくなかった。手術の前、僕は兄に言ったんだ。『僕は戻れるとは思えない。行ってしまうような気がしている』と。今思えば、それは本当に利己的なことだった。でも、僕は本当に暗い闇の中にいたんだ。もし一人だったら、子供がいなかったら、全てが違っていたかもしれない。なぜなら、あのときの僕は本当に、本当に弱かったから」

 重傷を負ったオビラレには、FIFA(国際サッカー連盟)とフランスサッカー連盟、元トーゴ代表FWエマニュエル・アデバヨールや元カメルーン代表FWサミュエル・エトオから資金を援助されたが、アフリカサッカー連盟からは補償がなかった。

 それについては、「僕にとっては、アフリカサッカー連盟は彼らの仕事を適切にやっていない。お金と言うより、ヒューマニズムの問題だ。僕はとても悲しいよ」と失望感を露わにした。

 一方、犯人に対しては「僕は彼らに対して怒りは持っていない。その価値はないよ」と述べると、「自分が経験した全てのことは、起こるべくして起こったことだ。世界の70から80パーセントの人々は死を恐れているだろう。でも僕にはそれは当てはまらない」と話している。

(記事提供:Qoly)

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