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開催国チリが初の南米王者に輝く…強豪アルゼンチンとのPK戦を制す

2015.07.05

コパ・アメリカ初優勝を果たしたチリ代表 [写真]=LatinContent/Getty Images

 コパ・アメリカ2015 チリの決勝が4日に行われ、チリ代表とアルゼンチン代表が対戦した。

 開催国のチリは満員の観客の声援を受け、グループステージから無敗のまま決勝の舞台に辿り着いた。これまで4度進出した同大会決勝ではいずれも準優勝に終わっており、地元で悲願の初優勝が期待されている。一方、アルゼンチンは初戦こそ引き分けたが徐々に調子を上げ、準決勝のパラグアイ代表戦では6-1の圧勝。ウルグアイに並ぶ最多15回目の優勝、そして1993年以来22年ぶりの国際タイトル獲得を目指す。

 試合は立ち上がりからチリがボールをキープし、積極的にゴールへ迫る。8分、右サイドの高い位置でマウリシオ・イスラとアレクシス・サンチェスがパス交換。A・サンチェスがペナルティエリア内右でフリーになっていたホルヘ・バルディビアへパスを送る。バルディビアはシュートではなくファーサイドのエドゥアルド・バルガスを狙い、右足でラストパスを出したが、ここは読んでいたパブロ・サバレタがなんとかクリアした。

 直後の11分にもチリにチャンス。カウンターから中盤のバルディビアがボールを受けると、前線のA・サンチェスへ浮き球のパス。ペナルティエリア内右に抜けだしたA・サンチェスがマイナスに折り返すと、一度はクリアされたボールをアルトゥーロ・ビダルが右足ボレーで狙った。ゴール右下に飛んだボールは、GKセルヒオ・ロメロがなんとか弾き返して得点とはならなかった。

 押され気味だったアルゼンチンにもようやく決定機が生まれる。20分、ペナルティエリア右横でFKを獲得すると、リオネル・メッシが左足で鋭いクロスを供給。ニアに飛び込んだセルヒオ・アグエロがヘディングで合わせたが、GKクラウディオ・ブラーボの好セーブに遭い、ゴールは割れなかった。

 するとアルゼンチンにトラブルが発生する。26分、相手FKのクリアボールを拾ったアンヘル・ディ・マリアが自陣ペナルティエリア付近からドリブルを開始。ハーフウェイライン付近まで独力で持ち上がったが、ここで太ももを痛めてプレーを中断してしまう。プレー続行不可能となったディ・マリアは、29分にエセキエル・ラベッシと交代した。

 その後もセカンドボールを上手く拾うチリが攻勢に出る。前半アディショナルタイム1分、中盤でパスを受けたビダルが前線のE・バルガスへくさびのボールを供給。ビダルがリターンパスを受けてペナルティエリア内左のA・サンチェスへ送ると、A・サンチェスは中央へ切り込んで右足でシュートを放つ。カーブがかかったボールがゴール右に飛んだが、ここはロメロがなんとかキャッチした。

 直後の前半アディショナルタイム2分、アルゼンチンにもビッグチャンス。ペナルティエリア左でパスを受けたハビエル・パストーレが切り返しでイスラをかわし、マイナスの折り返しを送る。走りこんだラベッシがフリーで右足シュートを打ったが、ここはGKの正面に飛んでしまった。前半はチリがボールを支配する展開となったが、スコアは動かず終了を迎えた。

 後半開始早々、ゴールに迫ったのはチリ。47分、右サイドへ抜けだしたA・サンチェスが右足でクロスを送ると、ファーサイドに走りこんだビダルがヘディングシュート。しかし、ここはロメロの正面に飛んでしまった。続く66分、再び右サイドから攻めこむチリ。A・サンチェスがペナルティエリア右から速いマイナスのクロスを送ると、ボールはまたしてもファーサイドのビダルにわたる。ワントラップから右足でシュートを狙ったが、ここはDFにブロックされてしまった。

 押しこむチリは73分にもチャンスを迎える。左サイドのハーフウェイライン付近でボールを受けたA・サンチェスが大きくサイドチェンジ。ペナルティエリア右でボールを受けたイスラが胸トラップから中央のE・バルガスへラストパスを出したが、右足でのシュートはミートしきれず、GKにキャッチされてしまった。

 流れを変えたいアルゼンチンは、74分にアグエロを下げてゴンサロ・イグアインを、81分にパストーレを下げてエベル・バネガを投入し、3枚の交代カードを使い切った。

 83分、チリが大きなチャンスを作る。右サイドでアルゼンチンのクリアボールを拾ったチャルレス・アランギスがゴール前に浮き球のパスを送ると、オフサイドぎりぎりで抜けだしたA・サンチェスが右足でボレーシュート。しかし、ボールはわずかに左ポストの横に外れてしまった。

 後半アディショナルタイム2分、アルゼンチンはカウンターからメッシがドリブルを開始。ゴール前まで持ち上がり左サイドのラベッシへ展開すると、ラベッシがグラウンダーのクロスを送る。ファーサイドにイグアインが飛び込んだが、ダイレクトシュートは右サイドネットに外れてしまった。90分を通じてチリが押し気味の展開だったが、スコアレスのまま延長戦に突入した。

 得点が生まれずに迎えた延長前半アディショナルタイム、チリにビッグチャンス。アルゼンチンの左CKをブラーボがキャッチすると、ロングスローで前線にボールを送る。ハーフウェイライン付近でハビエル・マスチェラーノがボールの処理を誤ると、こぼれ球を拾ったA・サンチェスがキーパーと一対一を迎える。ペナルティエリア右から右足でシュートを狙ったが、わずかにクロスバーの左上に外れてしまった。延長後半にも得点が生まれることはなく、決着はPK戦に持ち込まれた。

 先攻のチリ、後攻のアルゼンチンともに1人目を成功して迎えた2人目。チリはビダルがロメロに触られながらもゴール左下に決めた。一方、アルゼンチンはイグアインがゴール左上に大きく外してしまう。チリは3人目も成功させたが、アルゼンチンは続くバネガも止められてしまった。最後は4人目のA・サンチェスがしっかりと決めてチリが4-1でPK戦を制し、コパ・アメリカ初優勝を遂げた。

【スコア】
チリ代表 0-0(PK:4-1) アルゼンチン代表

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